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宇宙の絆Ⅱ  作者: 秋華(秋山 華道)
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無意識の中の決着

人型の残骸の海に戻ってくるまで、ただただ俺は、向かってくる美菜斗軍を倒した。

それは覚えているのだが、いつからか、どんな戦闘をしてきたかも思い出せなくなってきた。

眠気からだろうか。

それとも疲れだろうか。

俺の意識は、先ほどからハッキリしない。

まる一日以上ゲームをしていれば当然か。

そして今も、更に意識が薄れていくようだ。

そんな状態で、俺は再び残骸の中へと入って行った。

今度は此処でも、敵の攻撃があった。

お互いむやみに攻撃はできない。

戦闘不能となった人型を盾に、敵はこそこそと攻撃してくる。

でも、面倒くさいとか、ましてや勝てないなんて思わなかった。

俺はいつもどおり。

来る敵来る敵、俺は排除していった。

そして少しずつ、屍の海の果てを目指して進んでいった。

とうとう見つけた。

追い詰められたジークが、今、目の前にいた。


その後の事は、もうほとんど覚えていない。

ジークのそばには、群青さんと疾風さんがいた。

四天王の残りの二人、麒麟さんと紅蓮さんは既にやられていた。

その時群青さんと通信してそう聞かされた事を、かろうじて覚えている。

後は24時まで、ジークを守る為に、美菜斗軍の人型を倒しまくっていたようだ。

気がつけば夢さんがいて、カズミンさんがいて、じぇにぃがいて、チョビがいて。

戦闘時間が終了した後、寝オチした俺が目を覚ました時には、有人要塞ネコミミに戻っていた。

俺は慌てて、状況を確認した。

ジーク軍は健在だった。

もちろん、紫苑軍も、サイファ軍も、ダイユウサク軍も、問題なかった。

俺達は、負けなかったのだ。

宇宙の領域マップは、多くが美菜斗軍の領域になってはいたが、ギリギリ対抗できるだけの状況は守れたと言える。

もしあのままジークがやられ、美菜斗さんが完全勝利していたら、もっと多くの人が、美菜斗さんに味方する事になっただろう。

やはり勝てないと諦めていただろう。

勝負が決しようとしていたが、まだまだこのゲームは終わりそうになかった。


美菜斗軍は、大量の物資を投入した作戦だったので、3カ月程度、大規模に戦闘はできない。

いや、おそらくもうこんな戦いはできないだろう。

かたやジークは、本拠地を地球へと移し、復活にかけるようだ。

サイファ軍は、相変わらずの戦いを、ダイユウサク軍は地味に領地を増やしていた。

そして我が軍はと言えば、あの大戦の後、快進撃を続けていた。

まずは曹操軍を叩き、再び地球方面へと侵攻していた。

あの大戦の後、俺は紫苑さんに進言した。

 アライヴ「俺達も、艦長と指揮官を分けて、ダイユウサク軍のように指揮する人が必要ではないかと。」

でも紫苑さんは、その進言を受け入れなかった。

 紫苑「あれはあの軍だからできる事。逆に言えば、あんな作戦は、あの軍の司令官じゃなきゃ出せない。俺達は俺達のやり方を貫く。それでも勝てる!(^0^)」

正直その時は納得できなかったが、俺は紫苑さんに従うしかなかった。

それでも、今の快進撃があるわけで、あの大戦の後、俺達は強くなったと感じられる。

結局は、今までのやり方があっていたのだと納得できた。


大戦から2カ月が過ぎた頃、面白い現象がおきていた。

地球から月の外側二周り分くらいの領域が、ぽっかり空いてしまっていた。

コロニーや有人要塞には所有者は存在したが、要塞は皆取ろうとしなかった。

取っても空家状態。

生産性の無い要塞を維持したり、守ったりするコストがもったいないってわけだ。

それに中心付近は、戦場になる事も多いから、誰も欲しがらなかった。

そんな状況を見て、一人のプレイヤが、その地を狙って動こうとしていた。

そしてまた別の軍が、この状況をチャンスととらえて、作戦行動を開始していた。

この偶然のタイミングの一致が、こう着状態になりつつあった戦況を、大きく動かす事になった。

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