力の差
とうとう此処に、前作の宇宙の絆、上位4軍が集まった。
いや、グリードさんもいるから上位5軍か。
そしてそれがみんな、ジークを助けようとして集まってきているのだ。
一時的なものではあるが、全てが味方だ。
そして敵は、ネットゲームのカリスマ、不敗の美菜斗さん。
数時間で圧倒的勢力をつくり上げた彼に、絆連合が挑む。
サイファ「よし、俺達も続くぞ!」
紫苑「(^0^)」
ビューティフルベル「敵艦船は我々が引き受けます。夢と和己は一緒に行って良いよ。」
ダイユウサク軍の大将は来ていないようなので、どうやら中将のこの人が、ダイユウサク軍の指揮官のようだ。
俺はバトルグリードはやった事がないので知らないが、きっとこの人もかなりやる人なのだろう。
この状況で引き受けますとか、簡単に言えるものではない。
今日子「えーー!!私も行きたい。今すぐ行きたい。とにかく行きたいーーー!!」
これは・・・
サイファ軍の今日子さんが言っていた、同じ名前の人か。
どうやら性格は全く違うようだ。
チサト「では私もぉ~いくねぇ~」
ビューティフルベル「ちょっ!あんたら。まあ良いけど。て事は、ダイスケとトイキも行くんでしょ。」
ダイスケ「俺はチサトを守らないといけないからね。」
トイキ「ダイスケとは、ゲーム内ではパートナーだから行くしかないさ。あ、サラ達がお世話になってます。」
ダイスケさんとトイキさんは、確かドラゴンブレスのメンバーだ。
うちのサラさんとサウスさんとおとめさんが所属するゲームグループ。
チサトさんはドリームダストのひとりだし、正に「ドリーム」チームだなと思った。
戦況は変わりつつあった。
ダイユウサク軍のメンバーは、真っ向勝負と言わんばかりに、俺達が作った突破口ではなく、敵艦船のいる場所へと突進していった。
じっくり戦いを見られないのは残念だけど、あの人たちなら突破してくる、そう思った。
で、いくらダイユウサク軍が助けにきたと言っても、俺達の目の前の敵がいなくなるわけでもなく、残念ながらスピードスターは、突破と同時に破壊されていた。
直後足元を失った暗黒天国さんのボスも、戦闘不能になった。
星さんは直前、人型で脱出していた。
艦船を失うのはかなり痛いが、戦場に残れただけでも良しとしよう。
それにこの戦いは、おそらくこの先の展開を、大きく左右する戦いなのだから、艦船の1隻くらい、仕方のないところだ。
さてこれからどうするか。
前衛の艦船の壁は突破したが、既に前方には新たな壁ができていた。
この中で更なる突破に挑むのか、それともダイユウサク軍のメンバーが突破できるように、艦船の背後を攻撃するのか。
俺は迷わず、正面突破を挑む事にした。
アライヴ「チョビ、つきあってくれ!」
チョビ「えっ?えっとあの・・・」
ん?どうしたんだ?
一生「あ・・・」
戦闘中の咄嗟の通信だったので、短く簡潔にしたら、どうやら勘違いされたようだ。
つか、中学生にゲーム中に告白する大人って、ないでしょ。
俺は再び、しっかりと伝わるように通信しなおした。
アライヴ「正面突破につきあってw」
チョビ「あ。はい~」
どうやら分かってくれたようだ。
アライヴ「じぇにぃ、ハルヒくんもよろしくw」
じぇにぃ「やるきだよぉ~ぃくよぉ~」
ハルヒ「マジっすか。僕死にたくない~」
じぇにぃは、迷う事なくついてきてくれた。
ハルヒくんも、なんだかんだ言って、今日の戦いで此処まで生き残ってきたプレイヤだ。
大丈夫だ。
俺達はただ4機で、気合をマックスに再び敵の大艦隊に向かっていった。
戦闘は困難を極めた。
今まで無理だったのに、気合でなんとかなるものでも無かった。
結局此処でもこう着した。
そんな中、ダイユウサク軍の通信だけが、通信画面を動かす。
ビューティフルベル「弥生、右の艦船止めて!こっちに向き変えてるよ。あんじゅ、あんたの妻が危険よ。フォローして。達也、死んで良いから突撃!!」
弥生「簡単に言うわね。マナ!3秒後行くわよ。」
あんじゅ「おねぇさま~今行きます~」
スター「おい!俺を何度殺す気だ!ポイントが全くねぇぞ!」
ビューティフルベル「おかげで艦船スタッフレベル最高じゃん!攻撃くるわよ!」
ウララ「私も守りますから大丈夫です。」
ビューティフルベル「夢、和己、左開いたよ。ゴーゴー!」
ドリーム「分かってる!」
カズミン「分かってる!」
チサト「流石夫婦~息があってるぅ~」
ダイスケ「う~俺もチサトと組みたい・・・」
トイキ「ゲームなんだから、今は忘れるのさ。」
今日子「死ね死ね死ね~うははははは~」
この手の離せない状況、ただ驚いているわけにもいかない。
だけどなんだこの人達のこの余裕。
通信の文字がひらがなだけではない事から、スカエポの通信を使っているものではない。
となると、戦闘中にも関わらず、これだけのタイピングをしている事になる。
キーボードの上にコントローラーを固定するアイテムもあり、俺も通信する時は使っているが、この状況では通信などできるものではない。
向こうの方が多少余裕のある状況だとしても、凄すぎる。
それに今も流れる通信ログ、ゲームで食べていると言われる人たちは、此処までやっていたのか。
状況を完璧に把握する司令官、その指示を確実に実行するメンバー、今の俺達では、全く歯が立たない相手だと感じた。
もしかしたら、今日同じ通信網で戦ってくれているのは、コレを見せる為だったのかもしれないと、俺は勝手に思った。
俺達が苦戦する中、間もなくダイユウサク軍の面々が、美菜斗軍の壁を突破してきた。