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宇宙の絆Ⅱ  作者: 秋華(秋山 華道)
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セオリー

俺達はようやくジーク軍の領域に入っていた。

此処も美菜斗軍の領域と同様、どこもかしこも無人の空域。

これの意味するところは、総力戦で対決しているって事だろう。

そこに俺達が入っていって、ジークに加担する。

もし、ジークが勝っていたらどうするのだろう。

ふと思った。

いくら戦力差があると言っても、ジーク軍にはあの四天王がいるんだ。

そう簡単にはやられないはず。

群青さん、元気だろうか。

もしかしたら今日、一緒に戦う事もあるのだろうか。

少しドキドキしてきた。

時間は16時を過ぎていた。

予定ではもう間もなく到着のはずだったが、戦闘で足止めされていたので、1時間近く遅くなりそうだ。

17時頃かな。

17時にチョビが戻ってくると言っていたが、果たして戻ってこれるだろうか。

とにかく、確実に戻ってこれる時間は、19時だ。

いつもは18時頃には顔を出してるから、それくらいには戻ってくるかな。

そんな事を考えていたら、時計の長針は、真下をさしていた。

16時半。

イスカンダルまであと30分くらいか。

いよいよ決戦だ。

此処から先は食事もトイレも行けないかもしれない。

食事はさっき、パンを食べたので24時まではもつだろう。

トイレは今のうちに行っておいた方がいい。

 アライヴ「ちょっとトイレw今のうちに行っておかないとねw」

 紫苑「行ってら~(^0^)」

紫苑さんの返事を確認して、俺はトイレに行った。

サクッと行って、サクッと済ませ、サクッと俺は戻ってきた。

特に慌てて行ったわけでもない。

きっと何事もないだろうから。

そう思って戻ってきたのだが、俺は画面を見てビックリした。

美菜斗軍の大艦隊が、索敵画面に映しだされていた。

 紫苑「どうやらこっちにはまだ気がついてないようだな(^0^)」

紫苑さんの通信に何人かが返事を返していた。

 ハルヒ「ジーク軍と戦闘中みたいですね。」

 じぇにぃ「ぁのかずぅ~はんぱなぃぃ~」

 暗黒天国「背後とれたし、奇襲するべwでもまさか、有人要塞阿蘇山で迎え撃っていたとはね。当たり前と言えば当たり前か。」

 スピードスター「コロニーじゃ戦いにくい♪」

俺の思った事は、皆が代弁してくれていた。

そう、まずは数が凄い。

艦船がこれだけ集まるなんて、前作ファーストの頃のような艦隊戦でもしようと言うのか。

そしてどうやら美菜斗軍は、ジーク軍と交戦中らしい。

だからか、背後の索敵を怠っていたようで、こちらに気づく様子も無く、何か動きがあるわけでもない。

奇襲をすれば成功するかもしれない。

それにしても、戦い方はシンプルというか、織田の鉄砲隊のようだ。

艦船を3グループに分けて、補給しつつ攻撃しているのだろうか。

詳細はまだわからないが、そのような戦術に見えた。

 紫苑「では星、暗黒天国いつものかましてくれ(^0^)」

なんにしても今がチャンス。

紫苑さんは迷わず、奇襲を指示した。

まずは俺達の攻撃パターンのひとつで、相手に先制パンチを食らわず。

星さんの艦船、スピードスターに、動きは重いが火力は最強の、暗黒天国さんの人型ボスを乗せて突進する。

スピード最強のスピードスターにボスを乗せる事で、火力のある高速戦艦の出来上がりだ。

少ししたところでどうやら相手も気がついたようだが、今更遅い。

 紫苑「アライヴ達も、出撃よろw(^0^)」

 じぇにぃ「もぅぃってるよぉ~」

 ハルヒ「はいw」

 アライヴ「俺も今出るところ!」

それぞれに返事を返して出撃し、星さんの後を追った。

先制攻撃は成功した。

敵はかなり乱れていた。

それでも数が多いわけで、すぐに体勢を整えてくる。

どうやら対応策は最初から用意してあったようで、ジーク軍への攻撃と、こちらへの攻撃、そして補給グループに分けて、ローテーションして対応し攻撃してきた。

大量の艦船が、一斉に攻撃してくると、俺達は近づくどころか、攻撃をかわすので精いっぱいになった。

向こうはただ、大量の艦船で、単純な攻撃を繰り返しているだけ。

こっちはコントローラーの操作に必死で、息つく間もない。

完全な物量作戦だ。

弾切れまで頑張ればとか、一瞬甘い期待ももったが、初めて見る要塞戦艦がそれをうち砕く。

 一生「バカでかい・・・」

きっと今日の24時までは補給できるように、物資を積んである事は確実だ。

いずれ俺が操作ミスすれば、そこでジエンドって事かよ。

それにしても、敵の人型が見えないのは助かった。

いやこの作戦は、人型がいては、味方も関係なく攻撃してしまう。

最初から人型なんて使わない作戦なんだ。

要塞内にジークがいる場合は人型も出すのだろうが、今はまだ敵戦力を削ぎ落す時間なのだろう。

それにしてもなんて作戦だ。

人型で戦うのがセオリーのこのゲームで、艦隊戦を繰り広げるなんて。

美菜斗さんらしいと思った。

人型よりも、艦船の方が火力あるもんな。

より強いものを使うのもセオリー。

それを素直に実行する、それが美菜斗さんだ。

でも、このまま人型をないがしろにされては面白くない。

絶対、どこか隙をついてなんとかしてやる。

そう決意して、俺は我慢比べを続けた。

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