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宇宙の絆Ⅱ  作者: 秋華(秋山 華道)
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静かな日々

テンダネスが修理中で使えなかった日から、俺は少し前から計画していた、水陸両用人型モノトーンの宇宙戦を実践していた。

理由は、モノトーンのレベルを上げる為。

しかし水陸両用人型を、宇宙で使うなんて普通あり得ない。

だけど、意外と環境が似ているからか、それともただのゲームだからか、不可能ではなかった。

仕様追加の改造を行ったら意外に早く完成した。

これにウイングでもつければ、どこでも戦える万能人型の完成だ。

と言っても、あのテレビアニメで有名な白い奴は何処ででも戦っていたし、ぶっちゃけあれをパクっていると思われるゲームなので、この程度はアリなのだろう。

俺は不思議な感覚で宇宙にでた。

 チョビ「なんかうけるw」

 みゆき「だねwただのバカみたいw」

 アライヴ「うるさいなwま、俺も自分で凄く変な感じだけどなwww」

水陸両用の人型は、宇宙で戦う人型と比べれば、頭が大きくまるい感じだ。

水中での移動は、水の抵抗を避ける為に、頭から進む感じになるからだ。

宇宙でそれをやると、頭突きしているように見えて面白い。

水どころか空気すら無い空間で、頭から進むメリットはなさそうだ。

 アライヴ「でも意外と戦えるなw」

 みゆき「全然戦えてないから!!!www」

ま、確かに、未だに1機も落とせてはいないけど。

でも、こちらも全くダメージをくらっていない。

瞬発力には劣るけど、トップスピードに乗った時のスピードなら、飛行タイプの人型のような戦い方ができる事がわかった。

あのアニメで表現するなら、モビルアーマーって事ねw

ただし、あのアニメに出てくるこのタイプは、火力があるから強いわけだが、これはただの人型なので、その利点はない。

不利な戦いをする事にかわりはなかった。

俺はなんとか弱っている敵の人型を1機撃破した。

 アライヴ「ふ~なんとか1機w」

パイロットはもちろんNPCだろう。

これで対人とか、まだしばらく無理そうだった。

 みゆき「私の方が今日は倒してるねw勝ったら初めてかも~」

みゆきちゃんの言うとおり、一緒に出撃して、みゆきちゃんの方が俺より多く墜とすなんて事は、おそらくなかったように思う。

そう言われると、なんとなく悔しくなった。

 アライヴ「まだ終わってないーー!!」

俺は一番弱そうな人型を探して、突進していった。

結局この日落とせた敵機は、2機だった。

みゆきちゃんに負けて、ちょっと悔しかった。


こんな戦いを続けて、1カ月が過ぎた頃、ようやくレベルが6になっていた。

これで一応、問題なく動かす事ができるレベルだと言われている。

俺クラスのパイロットだと、それでも動作ブランクを感じるが、パソコンの性能などでも、これくらいのブランクを感じる事がある。

ま、一般的には、問題無いレベルって事だ。

これだけ動けば、地球での水中戦も大丈夫だし、一応紫苑さんに報告しておこう。

紫苑さんには、ここ1カ月色々配慮してもらっていた。

紫苑さん本人はそうは言っていないが、比較的弱そうなところを、我が紫陽花部隊にまかせていた。

我が軍もいつの間にか大所帯になっていて、担当を決めて、紫苑さんと行動を共にする事は減っていた。

ちなみに我が軍の現状を説明すると・・・

紫苑さんの主力部隊、紫陽花さんの紫陽花部隊、スピードスターさんの星部隊、小麗さんの月天が中心のサラ部隊が、攻撃担当。

敵の強さに応じて、単独で攻めたり、行動を共にしたりしている。

本拠地の守りは壁さんが担当。

地上最前線基地の守りは、アブサルートさんだ。

宇宙の守りと管理は、レイズナーさんが仕切り、スクランブル担当として、てけとー部隊とジークさんがいた。

それにしてもこのところ、各軍大きな動きがなくなっていた。

こう着状態と言うか、なんとなく静かと言うか、前回の宇宙の絆の時の、ジーク対連合軍の大戦を思い出す。

俺は少し気になって、久しぶりに2chを除いてみた。

此処の掲示板では、日々情報戦が行われている。

ただの誹謗中傷も多いが、時々真実も存在する。

真実と嘘を見分ける事できたら、戦いはかなり有利に進められるだろう。

それにしても、改めて見て、嘘が多い事が分かった。

ジークと紫苑が繋がっているだとか、ダイユウサク軍がそろそろジーク軍に前面攻撃を考えているとか、紫苑がサイファに対して、次の同盟終了時に攻撃を仕掛けるだとか、冷静に考えてあり得ないだろう。

ま、強いチームを敵視させて戦わせたいのだろうけど、サイファさんとは最後まで仲良くする約束だし、裏切られるなんてこれっぽっちも思っていない。

向こうもおそらくそう思っているはずだ。

ダイユウサク軍に関しては、強い人達も多いし、ジーク軍を攻める事もあり得るとは思うが、前作の戦略や、夢さんと話をしてみて、それはあり得ないと思う。

俺は続けて、古いレスから順番に読み進めていった。

このあたりは、査定基準が発表された時か。

「3位アライヴってだれよ?ww」

なんてのもある。

そらそうだな。

なかなか大将以外の名前ってのは出てこない。

実際戦った事のある人なら分かるかもしれないが、まだまだ戦った事の無い軍は沢山ある。

きっと、強い人もいるのだろうな。

少しのワクワクと、かなりの疲れを感じた。

そろそろレスの日付が、ここ数日まできていた。

ようやく読み終えられそうだ。

「アライヴ、水中戦用人型で宇宙で戦っとるぞw落とすなら今だぞww」

もう乗らないけどね。

次は久しぶりに、テンダネスか、キュベレイで出るよ。

そんな事を考えながら、最後のレスまできた。

読み終わった。

特に気になる事は無かったな。

そう思ってブラウザのタブを閉じようとしたが、何かが引っかかった。

あれ?最後のレス。

そのまま見過ごしそうになったが、チラッと見えた文字に、俺はもう一度見直した。

「賞金見て参戦か?美菜斗よ。もう入る余地ねぇぞw」

このレスを見た瞬間、間もなくゲームが大きく動き、荒れる予感がした。

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