表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宇宙の絆Ⅱ  作者: 秋華(秋山 華道)
28/60

発表

今日の軍チャットは騒がしかった。

チャットだけではない。

2chや外部チャットでも、そしてテレビのニュースでも放送されていた。

いよいよ、このゲームの賞金と、査定ポイントの細かい内訳が発表されていた。

査定ポイントに関しては、ちょくちょく個別に発表があったので驚くところはない。

勝てば増えるし、負けたり、裏切ったりしたら減る、当然の配分だ。

テレビで騒いでいるのは、もっぱら賞金総額だった。

俺達から見れば、既に噂されていた事なので驚きは無かったが、20億という事でうわさどおりだった。

では、チャットで騒がれているのは、一体なんなのか。

それは、現状のランキングが発表された事だった。

そしてそれを見て、一番驚いたのは、俺だったかもしれない。

 一生「俺が3位?」

テレビでは、このままいくと誰がいくら貰えるとか、予想までしている。

どうやら俺は3億貰えるらしい。

あり得ない。

ちょっと手が震えていた。

ちなみに1位は、多くの人が予想したとおり、ジーク、2位がサイファさんだった。

サイファさんと俺の差はほとんどなく、次いで4位が紫苑さんだったが、俺との差は結構大きかった。

ジークトップの内訳をみると、あらゆるポイントが多く、中でも買い物ポイントが多かった。

どれだけ買ってるんだとも思ったが、なんだかゲームに関係ないポイントが多いのもどうだろうか。

それがなくても1位だけどね。

サイファさんは、レベルの高さと、友好関係、共同作戦ポイントが多かった。

そして俺は、プレイヤキル、PKポイントが多かった。

プレイヤキルにデメリットが設定される前、俺は大量のプレイヤキルを続けた。

今では安易にプレイヤキルできないようになっているので、この3位は今だけのものであると理解できた。

ちなみに、一緒にプレイヤキルをしていたじぇにぃは、13位だった。

俺達二人は、いままでどおりやれば、確実にこの順位より落ちるのだろうと思った。

 一生「でも、10位くらいはキープできるんじゃね?三千万くらいは貰えるんじゃね?」

俺はちょっと浮かれていた。


今日の戦闘は、なんでもない戦闘のはずだった。

しかし、金が目の前をちらつくというのだろうか、戦闘が雑になってしまっていた。

 一生「しまった!」

俺が声を上げた時には、背後をとられていた。

テンダネスに乗っているので、冷静ならばすぐにカメラを切り替えればいいものを、何故か前方へ進んで距離をとろうとした。

すぐに距離を詰められ、背後から斬りつけられた。

 みゆき「どうしたの?今日はなんだか調子悪いね。」

 チョビ「そのぶんがんばる。」

2人から通信が入ったが、俺は返事をする余裕がなかった。

今の攻撃で、テンダネスのシステムに不具合が出て、動きが20%落ちていた。

金の事は忘れてやらないと。

やられて目が覚めた。

そこからは、チョビとのコンビネーションに集中し、上手く敵を倒していった。

致命傷でなくて良かった、強い敵がいなくて良かった。

運があるのかなと思った。


戦闘を終えて、テンダネスをパープルフラワーに帰還させた。

今回の戦闘では、久しぶりにかなりの修理が必要だ。

実際の時間で、1日では直らないように感じる。

こういう場合、リアルマネーをつぎ込めば、即時だったか早くだったか忘れたが、修理する事ができる。

一瞬リアルマネーをつぎ込みそうになったが、こんな簡単な事でつぎ込んでいてはきりがない。

三千万円くらい入ると思ったら、少し金銭感覚がくるってきたのかもしれない。

俺は自嘲し自重した。

修理は結局、次の日の戦闘には間に合わなかった。

これだけやられるのは、俺にとっては敗戦と同じだ。

この敗戦を忘れない為に、俺は切られた背中に、傷の形のペイントを入れた。

背中に稲妻を背負っているような感じになったが、格好良いとは思わなかった。

何処かの漫画に出てくる剣士が、背中の傷は恥だと言っていたが、ホントだなと思った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ