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宇宙の絆Ⅱ  作者: 秋華(秋山 華道)
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砂漠での戦い

地球での戦闘は、後半戦へと突入していた。

と言っても、グリード軍が地球を制覇しそうだとか、そういう意味ではない。

連合期間が、残り1カ月を切ったって事だ。

そして、今日からは、新たな戦闘フィールドになる。

今までは、荒野、街が中心のフィールドだったわけだが、今度攻撃する場所は、砂漠がフィールドの大半だ。

話を聞くところによると、砂漠での戦闘は、ホバータイプの人型が圧倒的に有利なフィールドであるという事だ。

ウイングをつけて、空を飛んで戦おうと思っていたが、一度ホバータイプを試してみる必要がありそうだ。

俺の所持機、SSとテンダネスは、足がスカートタイプではないので、ホバーシステムをつけられない。

俺は久しぶりに、キュベレイに乗る事にした。

宇宙から地球におろし、ホバーシステムをつける。

意外と調整が難しく、今までのようにフェンネルを大量に搭載する事はできそうになかった。

それでも、戦闘開始時間の19時までには、それなりに納得できる状態になった。

いざ、戦闘開始だ。

まずは艦船で敵の拠点へと向かう。

俺はキュベレイ内で待機中だ。

この時間は毎回ワクワクするが、今日は少しドキドキも混じっていた。

しばらくすると、紫陽花さんから通信が入る。

 紫陽花「そろそろ出撃よろしくw」

 アライヴ「ラジャ!」

 チョビ「はーい」

 みゆき「了解w」

紫陽花さんの指示により、いよいよ出撃だ。

今回は、チョビとは共闘しない。

なんせキュベレイだからね。

ちなみにチョビも、人型をホバータイプに改良していた。

元々、素早い動きを旨とする機体でも戦い方でもないし、つけておいてマイナスはほとんどないはずだ。

問題は、お互いホバータイプで戦闘するのも、砂漠が多いフィールドで戦うのも初めてだって事だ。

艦船から発進して、砂漠へと降り立った。

足元がしっかりしていないから、ゆっくり機体が傾く。

放っておくと倒れるので、少し動いて体勢を整えた。

俺もチョビも、今までの戦闘で、多少砂地を経験はしているので、倒れる事は無かった。

しかし、やはりこんなところで戦うとなると、辛い事は確か。

みゆきちゃんも倒れはしなかったが、かなり苦労しているのが見えた。

敵の機影がレーダーに映る。

俺は早速ホバーシステムを起動した。

体が少し地面から浮き、機体が安定した。

ふわふわ浮いているような感覚は、今までにない感じだ。

ホバータイプと言えば、先日おとめさんとテストバトルした時の事を思い出す。

他にもサラさんやサウスさんが、ホバータイプを使うのを見ている。

どういう戦い方ができるかは、イメージとして頭の中には既にあった。

戦闘が始まった。

 一生「思ったより結構きつい。調整が必要だなぁ。」

動きは早く、スムーズに動けるのは良いが、上半身が安定しない。

こんなのでよく戦えるなと、少し感心する。

俺のキュベレイは、下手な踊りを踊っているように、フィールドを移動していた。

それでもなんとか、敵をうまく倒していった。

チョビを見てみると、なんの問題も無かった。

元々不安定な機体で戦い続けていたし、動きまわる戦術でもない。

むしろ回転が楽にできる分、今まで以上に良い戦い方ができているようだ。

チョビには砂漠があっているのだなと思った。

概ね砂漠の敵を撃破したところで、グリードさんの艦船の近くに集まる。

敵本拠地を落とすのは、今日はグリードさんの軍が行う。

同盟軍は、グリード軍に吸収されるような形をとっているので、別に誰が落としても、奪った拠点はグリード軍の拠点になる。

でも、拠点を落とした時の経験値や、陥落ボーナスアイテムなどは、拠点を落とした個別の軍、個別の部隊、個別の人へ入る事になる。

此処までは結構、紫苑軍やサイファ軍が落とす事が多かったので、今日は譲ろうと言うわけだ。

グリード軍と同盟を結び、共同戦線を張っているのは、あくまで地球戦になれる事と、地球用パーツを手に入れる為。

その代償として、拠点を増やす事に協力しているわけだ。

もちろん、今後の良い関係を築く為なのは言うまでもないだろう。

だから、経験値や戦利品は、譲る事も当然の事だった。

ただ、今日は手こずっていた。

グリード軍には、そこそこの人型乗りはいるみたいだが、トップクラスで戦えるパイロットがいない。

一人で状況を打開できるようなパイロットが一人でもいれば、グリード軍はもっと強くなっていただろう。

グリード軍が、今までなかなか拠点を増やせなくて、我々の協力を必要とした理由はそこにあった。

どうやら拠点の中に、強い敵が1機いたようで、手こずっている。

本来、拠点や要塞内で、人型によって迎え撃つ事はしない。

理由は、拠点内でビームやミサイルなど攻撃する事によって、拠点内や要塞内を損傷させてしまうからだ。

ただ偶に、拠点内での戦闘を得意とする人もいるし、もう相手に明け渡す覚悟で、拠点内の戦闘を選択する人もいた。

 グリード「しかたない、俺が行く」

グリードさんが今までに何度か人型で出ているのを、俺は見ている。

そこそこ強い人だとは思うが、俺クラスから見ると、それほどではないし、大将がひとりで行くには危険だ。

万が一にも落とされるような事があれば、グリード軍には後に有力者はなく、軍自体存続は難しいと思われた。

 サイファ「危険です。誰か護衛をつけてください」

 真でれら「俺行こうか~」

 サイファ「いや、真じゃホントに護衛になるw敵の人型を倒せる人がいるだろ。」

サイファ軍の面々は、グリードさんとは仲良しなので、発言も結構気軽にできる。

しかし紫苑軍は、友達の友達みたいなものなので、少し発言しにくかった。

 グリード「いや、大丈夫だろ。敵は一機らしいし、うちの軍のメンバーもいるし。」

確かに数では圧倒的に勝っている。

でも、今まで手こずっていた相手に、グリードさんが行ったところで、状況を変えられるとは思わない。

俺か今日子さんか、後はサラさんか、この中の誰かはつれていって欲しいところだ。

なんだか嫌な予感がする。

此処での行動が、今後を大きく左右する気がする。

もし誰も一緒に行かなければ、きっと・・・

グリードさんの人型「飛影」が、旗艦「大和」より出撃するのが見えた。

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