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宇宙の絆Ⅱ  作者: 秋華(秋山 華道)
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戦闘の日々へ

さて、今日で諜報活動は最後となった。

最後に来たのは、地球のマップ、1-1にある、氷島。

金でパーツを売る軍、トルネコ軍の本拠地だ。

ここでの情報収集は既に行っている。

流石に金持ち軍、人も多く、装備などのクオリティも高い。

ここしか拠点は持っていないが、そう簡単に落とせるような戦力ではなかった。

噂だが、ジークがかなり出資しているとか、アイテムを買いあさっているとか、そんな話も先ほど聞いた。

それでなくても、他にも買いに来る人はいるのだろう。

俺も、もう少し安ければ、買っていたかもしれない。

しかし、そこまでリアルマネーをつぎ込んで勝っても、あまり嬉しくない、そう言い聞かせて諦めていた。

 アライヴ「さて、そろそろ帰るか。」

 みゆき「やっと終わったねぇ~長かったねぇ~」

確かに長かった。

諜報活動は、俺とみゆきちゃんの都合があう、全ての時間行ってきた。

それで約3カ月もかかってしまったのだ。

だから俺自身、戦闘はあまり行っていない。

テンダネスの裏バージョンで、違和感なく動かせるレベルになった事以外は、特に何もなかった。

ただ、紫苑軍としては、イゼルローンを手にして、その後も順調に勢力をのばしていた。

ちなみに、イゼルローンは、最初攻め込まなかった。

予想通り、いくつかの勢力が侵攻して、つぶしあっていたから。

そして全てが疲弊したところを、軽く奪ったようだ。

内情をよく知るサラさんにも協力してもらって、すぐに鉄壁の要塞への設定をした。

今ではこのイゼルローンが、最前線基地だ。

俺とみゆきちゃんは、スペースポートへと向かって歩き出した。

コレがリアルなら、ちょっとしたデートをした3カ月だったのだろう。

ゲーム内とはいえ、結構長く一緒にいたせいか、みゆきちゃんなら実際リアル世界で会っても、話とか普通にできそうだ。

歳は確か18歳だったと記憶している。

いつか会えたらいいなぁ~なんて、心の中で考えていた。

そんな事を考えながら歩いていたら、突然、一般チャットで話しかけてきた人がいた。

「あっ!アライヴさん。お久しぶり~」、

街中にいる人と、誰とでも話せるシステム。

俺を名指しはしていたが、誰もがその喋りを受信している。

相手は、ドリームダストのドリームさんと一目でわかった。

なんせ取り巻きがぞろぞろいて、「夢さん誰ですか?」「夢さんのお友達ですか?」なんて言葉が、俺のチャットログを一気に増やしたから。

 ドリーム「みんなごめん。ちょっと彼と話したいから…」

ドリームさんが取り巻きにそう言うと、皆快く席をはずしていた。

ドリームファンの人たちは、きっと本当にドリームの夢さんのファンなのだろう。

そう思った。

取り巻きがいなくなると、すぐにドリームから、グループチャット登録の要求がきた。

これに応じれば、グループチャットを了承し、グループチャットができるようになる。

俺は迷う事なく、応じた。

 ドリーム「そちらのみゆきさんも、お仲間さんだよね?」

 アライヴ「あっ、うん。そうですよ。」

俺が返事をするやいなや、みゆきちゃんもグループチャットのグループに登録されていた。

相変わらず操作が早いな、そう思った。

 アライヴ「こちらは、同じシオン軍所属の、癒し系担当のみゆきちゃんですw」

俺はすぐに、ドリームさんに対して、みゆきちゃんを紹介した。

まあ、みゆきちゃんは、ドリームの名前くらいは知っているので、紹介はいらないだろう。

なんせ相手は有名人だからね。

 みゆき「はじめまして。みゆきです。よろしくです。」

問題はなさそうだ。

 ドリーム「ダイユウサク軍のドリームです。みゆきさんは、アライヴさんの彼女ですか?仲良さそうに歩いてたから、デートかとw」

ドリームからの返事は早く、普通に喋る速度と全くかわらない。

って、そうじゃなくて、今なんかドリームさん、とんでもな事を言ったような。

じっくりチャットの文字をもう一度読んでいると、みゆきちゃんが返事を返していた。

 みゆき「ええ、そうなんです♪(笑)」

えええ!!!

俺は普通に驚いたが、まあ最後の(笑)が、冗談だと表現していたので、ココはスルーする事にした。

 アライヴ「ところでドリームさんは、こんなところでどうしたんですか?」

 ドリーム「あ、夢で良いよ。それに、前はもっと普通に話してたのに、今日は敬語になってるよ。」

あっ!ホントだ。

人型に乗ってる時は、俺も結構強気だから、タメ口で喋っていたように思うけど、実際会うと、なんか気後れするっていうか、オーラがあるって言うか。

いや、実際年上だろうし、実際に会ってるわけでもないんだけど。

 アライヴ「ホントだwじゃあ夢さんで。」

 ドリーム「みゆきさんも、夢ちゃんって呼んでねw」

 みゆき「あっ!はい。」

夢さんは、結構気さくな人のようだ。

 ドリーム「で、この街にいる理由なんて、きっとアライヴさん達と同じだと思うよ。」

なるほど。

ダイユウサク軍も、しっかりと諜報活動してるって事か。

 アライヴ「諜報活動かぁ。」

 ドリーム「えっ?違うよ?あれ?あってるのかな?地球用パーツの情報収集だけど?」

 アライヴ「え?パーツの情報?俺たちは普通に諜報活動だけど。」

パーツの情報収拾?

パーツは買う事もできないし、買えないからその情報も収集はできない。

だから実際にどんなパーツがあるのか、俺は全く知らない。

どうやって・・・

 みゆき「地球用パーツって、見る事できないよね。どうやってみるんだろう。」

俺の疑問をみゆきちゃんが代弁してくれた。

 ドリーム「そっか。まあ見る方法ってわけじゃないけど、ココはパーツ屋やってるトルネコ軍の拠点だから、それで来てるのかと。」

もしかして、夢さんは、パーツを買いに来た?

でもパーツの受け渡しは、宇宙に上がって、そこでの取引になるから・・・

 アライヴ「パーツを買いに来たと言って、アイテムの情報だけ画像データで見せてもらっていた?」

 ドリーム「当たり~」

このゲームを行うにあたり、あらゆる場面、あらゆる状態を、画像データで保存することができる。

規定により、このサイト外でそれをアップする事は禁止されているが、ゲーム内で見せてはいけない規定はない。

まあアイテムを売ろうとしてるのに、カタログの役割を果たす物をもっているのも当然か。

しかしだ。

パーツデータを見せてもらったところで、多少何かしらの対応ができる事はあるかもしれないが、手に入れられないのでは、あまり意味が無いように思えた。

 アライヴ「でもやっぱり、情報だけだとあまりメリットはなさそうだけど。」

この夢さんが、そんな理由だけで情報を集めているとは思えなかったので、少し疑問を言ってみた。

 ドリーム「情報があれば、それと同じ物を研究で生産できるようにする事は簡単だって事だよ。」

ああ、なるほど。

研究は、基本アイデアを出して、色々試行錯誤してひとつのパーツを作り上げる。

しかしもし、最初から既存のパーツの情報を得ていれば、それをそのままコピーするだけで済むって事か。

設計図を手に入れて、後はそのとおり組み立てるだけ、感覚としてはそんな感じだ。

流石というか、こうして色々な人と話をしたりしていると、みんな俺の知らない事を知っていて、勉強になるな。

たかがゲームだけど、大きな賞金の動くマネーゲームだ。

もっと勉強する必要があるなと思った。

それでも、軍に関しては、紫苑さんに任せておけば、おそらく大丈夫だろうけど。

それからもしばらく話していたが、みゆきちゃんに促され、俺たちは別れた。

さて、諜報活動も終わった。

今晩からは、また戦闘一筋だ。

俺のモチベーションは上昇しまくりだった。

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