明けない夜はない
イゼルローン攻略が失敗に終わり、皆で反省会をしていた。
というか、ただの雑談だけれど。
じぇにぃ「ぁぃつつよぃよぉ~wこっちがこぅげきしても、かぃひせずにむかってくるしぃ~むちゃくちゃだよぉ~」
じぇにぃの戦いは、フェンネルでけん制して、回避するところを狙い撃つ形だ。
それなのに、あのサウスドラゴンは、回避せずに突っ込んできたので、じぇにぃは完全に意表をつかれたようだ。
アライヴ「なるほどな。じぇにぃとは相性が悪い敵だったか。」
ハルヒ「それだけじゃないですよ。星さんも、僕も墜とされてますし。」
ハルヒ君の言うとおり、じぇにぃが墜とされそうだったのは相性だとしても、実際に敵の3機は強かった。
スピードスター「でもさ、敵の3機、名前どっかで見た事あるんだよね♪」
一生「え?」
星さんの言葉に、皆興味をもったようだ。
紫苑「マジ?」
ハルヒ「僕はしらない。」
小麗「私も知りません。」
アライヴ「チョビは?」
紫陽花「チョビちゃんはもう落ちちゃったよ。」
そう言えば、チョビは撤退早々、11時を過ぎていたから落ちたんだった。
紫苑さんの撤退指示は、絶妙のタイミングだっという事か。
暗黒天国「折れもそういった名前は、聞いた事ない。」
しばらく沈黙が続いた。
が、突然じぇにぃが声を上げた。
といっても、チャットの文字だけどw
じぇにぃ「ゎかった!!!ゴッドブレスのメンバーだ!!」
アライヴ「ゴッドブレス?」
俺には分からなかった。
しかし他の面子は、分かったようだ。
紫苑「なるほど。」
スピードスター「だな♪」
紫陽花「それは強いよ。」
ハルヒ「へぇ~あの人達が。」
皆納得といった感じだったが、そんなに強ければ、俺が知らないはず無いはずだけれど。
強い人の名前は、掲示板などで出ているはずだ。
俺が疑問に思っていると、じぇにぃが説明してくれた。
じぇにぃ「ゴッドブレスはねぇ~バトルグリードでゆうめぃなひとたちだよぉ~。ドリームダストのらぃばるてきなかんじのぉ~」
なんと!
ドリームダストのライバル的な人達?
それならメチャメチャ強いんじゃね?
それなのに要塞1つって、このゲームではライバルな感じじゃないじゃん?
色々と疑問は湧いたが、考える間もなく会話は続く。
紫陽花「でも変ね?ゴッドブレスはダイユウサク軍に所属してるって聞いたんだけど。」
え?何それ?って事は、そのバトルグリードで強い人達は、こぞってダイユウサク軍に?
ある意味それだと、バトルグリード連合軍対、宇宙の絆他連合軍の戦いみたいじゃないか。
スピードスター「しかしイゼルローンの大将は、聞いた事ない名前だったぞ♪」
そうそう、だからそんなに強い敵だとは思わなかったんだ。
紫苑「ダイユウサク軍の裏の軍だったのかもな。」
じぇにぃ「ぇぇ~!ぁそこはフェアプレーのぐんだとおもってぃたのにぃ~」
確かに、ダイユウサク軍が、勝つために他に軍を持って、工作するような軍には思えない。
その後も、工作軍だとか、実はライバルだから別の軍だとか、色々話してはみたけど、結論が出るわけもなかった。
話も落ち着いて、そろそろ寝ようかと思った時だった。
突然の報告だった。
イルマ軍解散。
先ほどまで、俺たちが戦っていた軍の、解散報告だった。
イルマ軍の解散報告があって直後、紫苑さん、紫陽花さん、星さんの上官3人は、仕事の為だとかでネットから落ちた。
でも、イルマ軍の解散が気になった俺や、じぇにぃ、ハルヒ君、小麗さん、暗黒天国さんは、しばらくチャットをしていた。
ハルヒ「解散って事は、どこかに負けたわけでもないし、どうしてだろう。」
暗黒天国「なんにしても、明日はイゼルローン争奪戦が起こるな。」
じぇにぃ「まぁ~たたかぇるなら、ゎたしはなんでもぃぃけどぉ~」
なるほど、皆が落とせずにいた有人要塞が空き家になったのだから、領土が接触している軍はもちろん、離れたところから、強行する軍もいるかもしれない。
しかし私はそんな事よりも、もっと気になる事があった。
それは、あれだけ強いパイロットが、軍を解散して何処に行くのだろうかって事だ。
やはりダイユウサク軍の人なのだったら、ダイユウサク軍に戻るだけなのだろうけど、どうも腑に落ちない。
みんなはチャットを続けていたが、俺はボーっと考えていた。
奇策で勝利したとはいえ、チョビの背後をあっさりとってきたレッドストーン。
星さんとハルヒ君を倒して、更にじぇにぃを追い詰めたサウスドラゴン。
やっぱり強かった紫苑さんには勝てなかったけど、おさえていたマイヒメ。
あの3機がダイユウサク軍に入ったら、今の俺たちには全く勝ち目が無さそうだ。
サイファ軍とおそらく共闘してあたる事になると思うが、それでも全然足りない。
ジーク軍と手を組む事も、検討しなければならないのか。
マクロ的な戦略戦術は俺は得意ではないし、紫苑さんにまかせるしかないけど、少し前までモチベーションが上昇していただけに、少しショックだ。
まだ、あの3機がダイユウサク軍に入るとは限らないし、ゴッドブレスは5人いると聞いている。
今回解散したイルマ大将は、どうやらそのメンバーでは無いらしいけど、そしたら後2人は何処に。
考えれば考えるほど眠れそうにないので、みんなが落ちた後も、俺はオンラインのまま、ディスプレイを眺めていた。
午前4時を過ぎた頃、俺はPCからの呼び出し音で目が覚めた。
どうやら寝オチしていたらしい。
チャット中だった画面は、みんなの「おやすみ」の文字が並んでいた。
そんなPCのディスプレイのスピーカーから、通信呼び出し音が鳴っていた。
どうやら誰かが、俺にアクセスを求めているようだ。
一生「いったい誰だよ・・・」
俺は半分寝ぼけていたのか、通信相手を確認する事もせず、通信回線を開いた。
すると相手は、予想していなかった相手からだった。
サラ「こんばんは。先ほど戦闘した、元イルマ軍のサラです。」
なんと、あのゴッドプレスのメンバー、サラさんからだった。
アライヴ「こんばんは。えっと・・・どうかしましたか?」
俺は眠い頭を必死に覚醒させつつ、文字をタイプする。
サラ「ちょっとお願いがあるんですが、大将さんに通信したんだけど繋がらなくて、それで紫苑軍の一番の高官のアライヴさんにって事なんですが。」
ああ、そうか。
だいたい知らない人が、俺に通信っておかしいもんな。
大将に用があったのか。
でも、大将に用ってなんだろうか。
アライヴ「えっと、で、どういった要件ですか?」
一応言葉は柔らかく喋っているが、先ほどまで我が軍は、この人達にコテンパンにやられたのだ。
気持ちとしては、ちょっとムッとしてしまっていた。
サラ「単刀直入に言います。私と、後2人、昨日戦っていた2人ね、紫苑軍に入れてもらえないかな?」
一生「えええええ!!!」
俺は驚きで、深夜ってか早朝にも関わらず、部屋で大声を出してしまっていた。
その後しばらく話をして、通信を切る頃には、負けた悔しさもはれ、真っ暗だった窓の外の景色も、少し明るくなり始めていた。