表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宇宙の絆Ⅱ  作者: 秋華(秋山 華道)
10/60

楽しき逆境

ほぼ全てのプレイヤのテストバトルが終わった。

俺がテストした中で一押しはもちろん、チョビ。

次がまあレイズナーさんって事になるんだけど、それよりは今後に期待って事で、ハルヒ君の方が俺は好きだ。

もちろんハルヒに君をつけているから、男なのだけど、最近ハルヒって名前の「男」が多いのは何故だろうか?

 アライヴ「そんな感じですね。他はどうですか?」

 じぇにぃ「こっちはぁ、ひとりつぉぃひとぃたよぉ。わたしぃよりもよわぃけどぉ~」

人型パイロットで強い人は、俺も一応対戦させてもらった。

確かにじぇにぃがテストした、暗黒天国さんは強いんだけど、機体に金かけすぎっていうか、とにかく機体の性能でかなり強さを作っている感じだ。

まあひとりくらいあれくらいの機体を動かす人がいても、そんなに負担にはならないけれど、やられたら悲惨だよなぁ。

 紫苑「こっちはひとり使える人いた。別の意味でもうひとりいるけど。(^-^)」

 アライヴ「へぇ、どんな人なんですか?」

気になる。

別の意味ってなんだろうか。

 紫苑「名前がジーク。(笑)」

・・・

確かに。

紫苑さんなら、名前も利用して戦略を考えそうだ。

 紫苑「では、階級と所属変更を発表します。」

ほう、所属も変更があるのか。

そらそうだろうな。

 紫苑「まず、レイズナーは大佐にして、重要拠点以外全ての場所をまかせます。」

なんと!

あんな人にまかせるなんて、やばくね?

 紫苑「任せるのは、先ほど名前が出た人以外全て。勝手にさせます。ああ見えて彼は慎重な人だ。勝算の無い戦いはしかけないし、負けてもいい場所しかまかせない。ようは俺が全部管理するのが面倒だから、最前線と重要拠点以外の面倒事を引き受けてもらう。」

確かに、今後領域が増えたら、一人で管理するにはしんどいだろうな。

そのあたりを任せて、戦闘に集中するって事か。

 紫苑「一応、光合成中尉を補佐につける。最悪、光合成さんがなんとかしてくれるでしょう。」

光合成さんは、テスト初日にじぇにぃがテストした、そこそこ戦える人型乗りだ。

現状なら、ハルヒ君よりも強いんじゃないかな?

俺とじぇにぃのレベル感覚が同じなら。

 紫苑「壁には今までどおり、呼び出しに応じられるように単機でコロコロコロニーに常駐してもらう。」

ほう、シオンまではもう敵はこられないという判断か。

今後本拠地はコロコロね。

 紫苑「てきとーは、後で誰か欲しい人がいたら言ってくれ。階級の低い奴で育てたい奴ね。そしててきとーに動いてもらう。」

 てきとー「はいよ。」

ほんと、てきとーさんって、適当なんだな。

 紫苑「美夏は、いる時は今後旗艦に同乗してもらう。俺が出撃する事もでるだろうから。」

おお!

紫苑さんが、人型で?

まあたまに出ていたけれど、本気で戦った事を見た事がない。

でもおそらくは強いんだろうな。

 紫苑「で、旗艦には後、じぇにぃとハルヒが乗る。」

なんと!俺がはずされた?

今までじぇにぃとコンビを組んで来たのに、何故だ。

 じぇにぃ「ぁれ?ァラィヴさんと、べつ?」

 紫苑「ああ、今後はハルヒとコンビを組んで、ハルヒを鍛えてくれ。もしくは俺と組んでもらう。」

ハルヒを鍛える為に、じぇにぃと組むのはわかるけど、紫苑さんと?

まあいままで戦い方を見てきて、紫苑さんが判断したんだから、おそらくはそれでいけるのだろう。

 紫苑「ジークは、面白いから、今後いろいろ考えて使う。旗艦の名前はバルバロッサにしてもらって、ビジュアルも真似する。」

まあ当然だろうな。

 紫苑「星には、暗黒天国を預ける。使えるだろ?(笑)」

 スピードスター「♪」

なんだかわからんけど、星さんが巧く使えるようだ。

って、まだ俺の配属がわからんけど、残ってるのって。

 紫苑「で、紫陽花のパープルフラワーに、アライヴとチョビだ。」

って、ええ!!

俺の天敵チョビと?

フェンネルを使うと、チョビの拡散ビームが邪魔になるから、共闘はきついような。

 紫苑「チョビは単機戦闘が得意そうだから共闘を覚えて欲しいし、アライヴは天敵を克服してほしい。(笑)」

なるほどねぇ。

戦闘の本番、真の敵であるジークやダイユウサク軍との対戦は先になるだろう。

それまでに、もっと強くなれと、そういう事か。

望むところだ。

確かに最近じぇにぃとの共闘で、ぬるい戦いをしてきたから、いまいち成長してないんだよな。

こうして、実戦での俺の特訓は始まった。

つーか、また子供のお守りですかぁ?


チョビとの共闘。

 一生「くっ!」

どうしてもフェンネルを使ったら、あの盾が邪魔になる。

盾の設定を熱感知にしなければさほど邪魔にはならないけれど、それだと敵を落とす事もできないし意味がない。

かといって、フェンネルを使わないなんて、俺の戦闘スタイルから反する。

どっちにしてもどちらかが戦い方を変えない限り、共闘は無理だ。

チョビに、何故拡散ビーム砲付きの盾を使っているのかと聞いたら、デフォルト機にこの盾しか持っていないからだそうだ。

それにこの盾は、親が誕生日プレゼントで買ってくれた商品についてきたアイテムらしい。

だからどうしても使いたいのだそうだ。

そういった愛着や愛情が、強さを作る事を俺は知っている。

俺のフェンネルもそうなのだから。

使う人が少ないフェンネルを、完全に使いこなせているのは、ひとえにフェンネルへの愛。

まあそんなわけだから、盾を自在に操れるように、左腕の強化や、盾を使っても有る程度動けるパワーアップを、軍の予算でやったわけだけど。

此処は俺がおれるしかないかもな。

そうするとして、この子と共闘するなら、どんな戦闘が一番合うのだろう。

この盾をもっている限り、敵はフェンネルは使えないし、下手に近寄ってくる事も不可能だ。

接近が有るとするなら、拡散ビームを撃った直後のタイミングで近づいてくるだろう。

もしくは圧倒的スピードで後ろを取るかだけど、パワーアップしたチョビのガードナーの後ろはなかなかとれないはずだ。

でも背後がとれないような相手だったら、チョビには勝てないだろうし、俺はそれ以上に強い相手の事、つまり背後をとってくるような相手をフォローできれば良いのではないだろうか。

盾の攻撃範囲は、前方ほぼ180度であるわけだから、後方180度なら、俺のフェンネルも使えるじゃないか。

同じ敵を狙う、又は同じ敵を向いているから、今のフェンネルの設定では使えないんだ。

今は自分と敵の位置から、フェンネルをドーム型に配置している。

これを別の対象や形で配置すれば、うまくいくのでは?

チョビと共闘する時は、ガードナーを対象に後ろに配置したいところだけど、それはできないから、俺の機体の向きで配置するか。

俺のメインモニタの隅を囲う形で、フェンネルを円状に配置する。

距離は俺の得意な間合いを少しずつ調整するとして、もし同じ敵を相手にする時は、モニタは後方カメラを使う事になるから、後方カメラの性能を少し上げる必要があるな。

いっそ前後全く同じカメラをつけて、切り替えられるようにするのはどうだろうか?

共闘は並んで、もしくは背中合わせで戦う事になる。

フェンネルの設定を後方にして、共闘ってのもあるな。

この場合、長距離攻撃の強化が必要になる。

この際だ。

キュベレイはあきらめて、SSかもしくは前に使えそうでキープしていた機体を、チョビとの共闘用に改造してみるか。

戦いながら、色々試しつつ、頭の中で新しい人型像を創造していった。

なんとなくイメージはできあがった。

 一生「よし!次回までにコレ作ってみるか。」

戦いながらメモした紙を見ながら、俺は久しぶりに強敵に立ち向かう時のわくわく感を味わっていた。


子供はみんな寝ている丑三つ時、俺は予算とキープしていた部品を駆使して、第三の人型作成に燃えていた。

ベースは前に拾って取っておいた、肩に羽根のようなものがついたタイプだ。

キュベレイ好きな俺にはやはりこの形があっている。

スピードもかなり出るし、瞬発力が半端じゃないから。

一瞬の動きが勝負を決めるのは、上級者では当然だ。

ほんの一瞬が勝敗を分ける戦いは、これまで何度かやってきた。

その全てで負けなかったのは、瞬発力のおかげ。

まあそれも、瞬発力をおりこんだ戦い方をしているから、そういう結果になるとも言えるけど。

ドリームは、機体が瞬発力重視でなくても、自身の反射神経とコントローラーさばきで、この俺の瞬発力機を超えている。

瞬発力がなくても、先を読み正確な操作でそれを補うカズミン。

この二人に、俺は現状勝っているとは言えない。

ドリームに関しては、今日明日で能力で超える事はできないだろう。

だったら何で勝つか?

バトルグリードでドリームに勝った人を調べてみたら、カズミン以外では、だいたいが初戦、そして同僚のダストだけが、戦いの中で多く勝っていた。

調べたら、ダストは奇策戦術に優れたプレイヤである事がわかった。

一言で言えばアイデアだ。

ドリームより強くなるには、今はアイデアしかないだろう。

 一生「できた。」

作成していた新型の人型ができあがった。

といってもプロトタイプだ。

まだ足の一部と、両腕の部品が足りない。

代わりに普通の両手両足だ。

実は新型機を作る為に、新パーツの開発を始めていた。

普通に考えて、さほど難しい開発ではない。

少しコストがかかるのと、どれだけパフォーマンスを下げないかってのが難しいだけ。

だからパフォーマンス無視のと、パフォーマンスを落とさないものの開発をしていた。

パフォーマンス無視のは、すぐにできあがるだろう。

俺は画面の機体を見て、少しわくわくした。

 一生「よし!」

此処までやって、俺はパソコンの電源を落とした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ