表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/16

真綿



 触れたい

 もう一度触れてみたい

 あの柔らかな真綿を

 もう一度手にしてみたい

 柔らかで温かい、まるで春の日差しのような綿に

 私は包まれたい


 苦しみが私を襲う

 だけど、あの綿に包まれるためなら

 私は心を決めて、ぎゅっと唇を閉じた


 綿には脈がある

 静かな命の鼓動

 黒くて澄んだ眼が私を見る

 ああ、綿の胸に抱き締められたい

 温かな眼で私に微笑んで


 それが叶うなら

 私はどんな事だってしてみせる

 叶うなら……もう一度でいいから……

 瞼を閉じて思い出して見る

 真綿の白くて柔らかい肌

 ふっくらとしていて温かく

 私に安らぎをくれてくれた


 もう一度だけ

 触れてみたい

 包まれてみたい

 抱き締めて


 口から出た言葉は空虚に部屋に響くばかりで

 暗い部屋に閉ざされる


 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ