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真由美

『真心』が世の中には必要だと聞いた。

5月の雨とともにテレビジョンにふける私と娘。

ふいに目を下に向けると、先月買い与えた人形の髪を“ハサミ”でチャキチャキと切っている。

去年4歳の誕生日、アニメの玩具をねだられ購入したはずだが子供の流行とは恐ろしく早く過ぎるものだ。

溜まったスマホの通知を流し目で見る私の視界で娘が動きをピタリと止めた。

くるりと私を見て指から流れる赤い血を無表情で見せてくる。

はぁ、とひとつため息をついて重い腰をあげる私の姿は母親に見えるのだろうか。

むき出しの絆創膏を漁る。一つ取り、結那の手を掴み貼る。また“ハサミ”を取り髪を切る。ソファに腰を下ろしもう一度テレビジョンにふける。


私は異常らしい。

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