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ゲームスタート

ピィィィィィィ

どこからか耳をつんざくようなとんでもない音がする。

「うるっさ!!」

全力で耳を塞ぐも、けたましい音は全く防がれない。

てかこれ、多分、他の家の住民、全員いないな…

ずっと気になっていたのだ。

あかねの家の敷地に入る時も、敵は音を気にする素振りがなかった。

だから、静かな高級住宅街で遠慮なく銃をぶっ放せた。

だから、こんなバカでかくて、クソうるせぇ音を流せた。

これがゲーム開始というように、気絶させていた人間がよろよろと立ち上がってくる。

「パニック映画とかで出てくる、音によって操ることができるゾンビみたいやな~」

「例えが分かりずらすぎる……」

そもそも、映画をあまり見たことがない。

「呑気な会話してる場合ですか?向こうは金目当ての賞金稼ぎ。僕らは賞金という首輪をつけられた賞金首です。少しでも気を抜いたら死にますよ」

藍風伊織の厳しい指摘が飛ぶ。

ちなみにまっったく分からなかった。

でも、分かるのは、俺たちには今、藍沢五十嵐によって暗殺命令が下されていること。

そして、殺らなきゃ殺られるということ。

あと、これは作戦会議のときにあかねが言ってたことだけど──


『もし、私たちに敵意がある人間が殺しに来たら、遠慮なく殺していい』


と。

気絶させたはずの人間はゾンビのようにゆったりとした動きで。でも、隙のなく近づいて来る。

リオが言っていたゾンビという例えはあながち間違ってないかもしれない。

のそのそと這い上がってきて気持ち悪い。

「これ、待たんでえ〜?俺、待つこと嫌いなんやけど」

「いいんじゃないですか?藍沢さんからも待てなんて言われてないですし。」

「ほな、何人生け捕りにするー?こうゆうのってどのぐらいが丁度ええんやろ」

「ご、5、6人で良いんじゃなかな……?あんまり多すぎると、途中で一般人にバレそうだし……」

「そんなところに気がつくなんて……!さすが兄さんですね!」

「う、うん。ありがとう……?」

玉梓が曖昧な返事をする。

バァァァン

今の銃声はリオが出した。

「ま、適当に気絶した人間捕まえればええやろ。人数決めてもちゃんとその通りにできるかわからんし」

ニッコリと笑顔で言う。

「ま、そりゃそーだな」

リオが出した銃声が引き金となっていよいよ銃撃戦が始まった。

お互い近くにいると邪魔になるので距離を離している。

ここの敷地はとにかく広いので場所には困らない。

屋根や壁を使いつつ殺していく。






ベチャベチャと血が付着する。

この感覚は本当に嫌いだ。

気持ち悪い。

でも仕方がない。

人を殺しているのだから。

東雲に入るまでは、仕事のことも隠さなきゃいけなかったし、なにより、兄弟なのに学校内では話せなかった。

藍風伊織と藍風玉梓。

藍風伊織という人間は、男女共に話しやすく成績優秀。というキャラで生きていた。

藍風玉梓という人間は、誰とも話さず、空気のような人間。成績も運動神経も、誰も何も気にしない。

そんな場所より、ここはずっと楽だ。

仕事のことも前のように隠さなくていいし、兄さんともたくさん話せる。

だから、本当に嬉しい。

そのことを考えると自然に笑みがこぼれる。

近くにいた葵君が、とんでもない顔をしているけれど、葵君も大概ではない。

確実にヘッドショットを狙い、一撃で仕留める。

これで、大体は片づけ終わったかな?

後ろを振り向き、兄さんの所へ走る。

でも、これがいけなかった。

僕のすぐ後ろの建築物が、全てぶっ飛ばされる音がした。

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