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前編

前後編の二話です。

 今日から貴族院・・・貴族だけが入れる学園に

入学することになってしまった・・・。

 ついこの間まで平民だった私、アイリアが、なぜ貴族院へと入学することになったかと言うと、この後私の養父となる人が乗っていた馬車に両親が轢かれて死んでしまって、私が両親に取りすがっていると、謝罪もなく「仕方ないな!!」と言って、両親を埋葬して、私を引き取ってくれることになった。


 両親を殺した人の世話になるって、正直言って、微妙な気持ちですが、この世の中甘くはありません。

 縋れるものには兎に角縋っておくものです。

 両親にそう教えられました。


 貴族だから当然なのか、両親を殺したことに謝罪はなかったし、悪いとすら思っていないような人だった。


 貴族といってもゴーリアーテという家名の準男爵から男爵家へ上がったばかりの家で、小金は持っているけど、貴族としては最下層。ほとんど平民と変わりありませんでした。


 使用人の部屋を与えられ、下働きを少しすると、給金がもらえるという生活になりました。

 衣食住は保証されていたので、給金はまるまる自分のものになりました。


 ただ、下働きと言えど、上位貴族へのマナーだけは厳しく躾けられた。

 それだけは私も必死になって覚えました。

 男爵家にいるだけでも死活問題でしたから。


 お客様でやってくる、他の貴族様に粗相があったら、ゴーリアーテ男爵に斬り捨てられるか、他の貴族様に斬り捨てられるかの違いしかなかったですからね、私も他の人達も必死でした。

 ゴーリアーテ男爵ですら、必死に上位貴族との付き合い方を習っていました。


 男爵様に「下働きよりかは、メイドとして生きていくか」と問われた時、メイドになれればこの先食うに困らないと考えて「メイドになりたいです」と答えると。

 養父は「正しい選択だ」と言って、私をメイドとして教育してくれる学校へと入れてくれることになりました。


 なのに、ある日、男爵様のお客様で、ガステン侯爵様とブライト令息様(私と同じ年だったけれど)が男爵家にやって来られました。


 ブライト令息様が私のことを気に入って、普通の貴族院へ入れろと、命じられてしまいました。

 男爵が「平民ですし、貴族ではないので、貴族院には入れません」そう言って断ってくれたのだけど、ブライト令息が「男爵の養女にすれば貴族院に入れるだろう!!」とごり押ししてきました。


「今からでは貴族としての基礎が全く足りません。高位の方々に嫌な気分を味わわせてしまうことになってしまいますので、ご勘弁ください」と再度お願いしてくれたのだけど、ブライト令息様は「それが面白そうなんじゃないか」と言ってゆずりませんでした。


 侯爵家から貴族としての詰め込みの為の家庭教師が送り込まれてきてしまって、男爵様は「自分の命は自分で守るしかないぞ」と言って私をゴーリアーテ男爵家の養女にしてしまいました。


 養父様は渋々、私を貴族院へ入れる手続きを取り、学院側にも「ガステン侯爵令息からの願いで、養女にしたけれど、元々平民なので・・・」と話をつけてくれた。


 私は男爵家の仲のいいメイド達に不安を口にしていたけれど「高位貴族から言われたことには逃げようがないから、粗相をしないように頑張って」と励ましてもらっていた。


 入学式の日、ブライト令息様が男爵家まで迎えに来て、私を馬車に乗せた。

「平民ではありえないピンクブロンドの髪に、瞳の色はゴールド、顔立ちは美しく、スタイルも悪くない。一体何人の男がお前に引っかかるだろうな?」

 そう言って、楽しそうに笑いました。

 そして子供がいたずらを仕掛けるように、侯爵家のメイドに私に薄化粧を施させ、私で遊んでいた。



 学院のクラス分けで、ブライト令息様、とはクラスが別れたので、ホッとしていると私が入ったクラスは「勉強の出来ない最下層のクラスだよ」と同じクラスで同じ男爵令嬢のレイチェルが教えてくれた。


 流石に最下層はまずくない?と思って、勉強を頑張ろうと思ったけれど、レイチェルが「クラスが上がると高位貴族がいるから、上がるのもリスクがあるんだよ」と教えてくれた。


 このDクラスには準男爵と男爵しか居らず、一つ上のCクラスには男爵と子爵と伯爵、騎士爵の子供しか居ないと言っていた。

 その上のBクラスに行くと伯爵、侯爵、公爵、稀に王族がいて、更にその上のAクラスには侯爵、公爵、王族しか居ないとのことだった。


「だから、成績を上げすぎないように、努力して準男爵や男爵家はこのクラスに居るのよ」

「そうなのね。教えてくれてありがとう・・・私、知らないことばかりで、出来たら色々教えて欲しいです」

「解ったわ。私も貴族社会に詳しい方ではないけれど、頑張って生き残りましょう!!」


 そう、レイチェルと固く手を握りあった。

 そう、そんな瞬間もありました・・・。


 入学式が終わり、ホームルームが終わると、ブライト令息様がわざわざDクラスにやってきた。

 Dクラスの皆は荷物もそのままにブライト令息が入ってきた入口とは別の入口から逃げ出していて、教室には私一人が取り残された。


「アイリア〜!!俺の友達に紹介してやるから来い!!」と言って、私のカバンを他の人に持たせて、私の手首を握りしめた。

「ブライト様!!痛いです!!」

 そう文句を言うと「ならさっさと付いてこい」と言って手を離してくれて、自ら付いていくことになった。


 後ろを振り返ると、Dクラスの皆は廊下にいて私達がいなくなると教室に戻って荷物を纏めて三々五々散っていくのが目に入った。


 そして、その翌日からDクラスで浮いた存在になってしまい、レイチェルは私から遠く離れた席に座り、話しかけても「いまちょっと忙しいので・・・」とか言って逃げてしまうようになった。



 ブライト様のお友達は身分が低くても伯爵位の方で、上は公爵令息まで居られた。

 私は視線を上げないようにしようと思っていたけれど、次から次に話しかけられ、公爵令息様にまで視線を合わせるしかなくなった。


 私の言葉遣いや態度を楽しんでいるようなので、私は、自分の足りないことをわびながらも、質問に必死で答えた。

 ここにいる人達が悪ふざけをしているからなのか解らないけど、名前で呼べと言われて公爵令息様にまで名前を呼ぶように言われてしまっていた。


 公爵令息様のアーノルト。

 侯爵令息様のジュード。

 侯爵令息様のバスカル。

 侯爵令息様のラーアッシュ。

 伯爵令息様のクルドラ。

 伯爵令息様のドレステン。

 そして、ブライト。


 ブライトは一歩引いた場所から、私と令息方がどんな風になるのか眺めている感じがして、居心地の悪い思いをすることが多かった。


 アーノルトはセイント王子様の従兄弟だそうで、そのうち紹介してあげるよ。と楽しそうに私を見ていた。

 ここに居る方々は将来の王子の側近予定と言われているそうで、私と王子を会わせるのが楽しみだと笑っていた。


 私には何が楽しみなのかさっぱり解らなかった。

 私は内心会いたくありません!!と声を大にして言いたかったが、何故か皆私のことを面白がって側に置きたがった。


 虐めるとかおちょくられるとか言うことではないのだけれど、私の平民臭さが気になるようだった。



 公爵令嬢様や、侯爵令嬢様に「婚約者が居る男性と特別仲良くするのは、貴族としてしてはいけないことよ」と忠告を受けたので「申し訳ありません。これからは気をつけます」と謝って令息達に、その事を言うと「私達の遊びに口を出すな」と令嬢達に伝えてしまったようで、それからの令嬢様達の私への当たりはさらに厳しいものになった。


 令息達は態と、令嬢達を煽っているのではないだろうかと不安になる。

 男爵様にも自分の身を守れって言われているのに、自分の身の守り方がわからない。



 日に日に嫌がらせはエスカレートしていき、ノートや教科書を破かれたり、足を引っ掛けられたり、噴水にダンスの授業用のドレスが浮いていたり、池に突き落とされたりするようになった。


 その度にブライトがセイント王子様を呼びに行き、王子様が私を手助けしてくれる。

 新しい教科書やノート、ダンス用のドレス等をプレゼントしてくれて、申し訳無さでいっぱいだった。


 男爵様にもそんな報告ばかりをしなければならないことが情けなくて、自分を恥じた。


 王子様や令息様達が令嬢様達の行いに日に日に怒りをつのらせて、婚約者同士の喧嘩が絶えなくなった。


 なぜか、王子様も令息様達も私を恋人のように扱うのだ。

 私なんかを相手にせず、婚約者様方を大切にしてあげて欲しいとお願いしても「アイリアがそんな事を気にしなくていいんだよ」と私の髪をすくってキスしたりする。

 なにかの遊びなのだろうけど、私を巻き込まないところでやって欲しいと心から思ってしまう。


 見せつけるように、王子様や令息様達は私を連れ歩き、私を皆の前でお姫様のように扱った。


 私はその扱いにただ戸惑うばかりだった。

 元平民の私のすることは貴族とは何処か違うらしくて、私の方から距離を詰めていっているように感じるらしく、令息達や王子様までもが私に愛をささやくようになっていった。


 ブライトは少し距離を置いたところから楽しそうに私達を眺めていて、私と王子が仲良くすればするほど喜んでいるようだった。


 ある日、王子様に「買い物に付き合って」と言われて、王子様に付いて行くとドレスショップに連れて行かれ、採寸され王子様の好みのままに私は仕立て上げられていった。

 その後宝石商に連れて行かれ、仕立てることになったドレスに似合う、王子の瞳の色の宝石を仕入れるように伝え、デザインが決められていく。

 石は最高級の純度が高く大きいものをと注文していた。


 馬車の中で、令嬢様達のしていることを謝られ「王子様に謝っていただくようなことではありません」と伝えると「セイントと呼んでくれ」とお願いされた。

「そのような不敬なこと出来ません!」とお断りしたけれど「私がアイリアにそう呼ばれたいのだ」と言って私の手に口づけた。


 王子様にお願いされると断りようがなくて、私はその日から王子様のことをセイントと呼ぶようになった。

 それからはもう、毎日がひどい有り様になった。


 セイントの婚約者のミースティーア様とそのお友達様たちからの暴力が酷いものになっていった。

 そうするとセイントや令息様達が私の側を離れなくなり、私の学園生活は日毎に酷いものになっていった。


 教師に助けを求めたが「一応注意してみるが殿下が表立って動いているので、期待しないでくれ」と言われてしまった。


 セイントは私と二人きりになりたがり、それが日常になってくると、セイントが特別な人(王子様)だと思えなくなっていった。

 はたから見るとそれはとても馴れ馴れしい態度で、普通ではありえないことだった。

 婚約者の公爵令嬢様ですらそんな態度をとることなどありえないほどの、馴れ馴れしさだったらしい。


 セイントは私に隙があると口づけてきたり、体を触れてきたりしたけれど、私はそれを拒絶していいのか解らなくて、セイントのされるがままになっていた。


 本当は触れられるのも嫌だし、口づけられるなんてもっと嫌だった。日に日に私に触れている時間も多くなり、触れる場所も普通ではありえないような場所にまで手が伸びてきていた。


 ドレスショップからドレスが出来たと連絡があったらしく、そのドレスの試着のために「王城に付いておいで」とセイントに言われて、私は付いていくしかなかった。


 ドレスを汚してはいけないのでと言われて、お風呂に入れられ、メイドさん達にいろんな場所にいろんなことをされて、ドレスを試着させられて、髪を結われ、注文していた宝石を身につけてセイントの前に案内された。

 ドレスショップの人達はしばらくまち針を打ったり、詰めたりしていたけれど、それが終わるといつの間にかいなくなっていて、王子付きのメイドが二人だけが残っただけだった。


「とても綺麗だ・・・」と私を抱きしめ、口づけて、胸に触れる。

 セイントが視線をメイド達に向けるとセイントの目の前で、メイド達が私から宝石やドレスを脱がせて、ナイトドレスを私に着せた。


 それが終わるとメイドたちもいなくなり、セイントと二人きりになり、私はこれから起こることの想像がつかなくて恐ろしくて仕方なかった。


 こういうことは愛し合っている者同士がすることで、婚約者様がいるセイントがして良いことではない。

 私もセイントとそんなことをすることを望んでいなかった。

「ミスティーア様に叱られてしまいます。セイント!止めてください!!」


 なのに、セイントは私に口づけ、抵抗するとベッドに押し倒され、私に覆いかぶさってきて、ナイトドレスが脱がされ、全身に口づけられ、誰にも触れられることなどないと思っていたところを触れられ、セイントの体の一部が私の中に入り込んできたのがわかった。


 これは絶対にだめなやつだ。嫌だ!やめて!怖いっ!誰か助けてっ!!


 セイントが私の中を何度も何度も出入りして、私の名を呼びながら「愛してる」と言った。


 私は愛していない!!と言いたかったが、涙がポロリとこぼれて、セイントはその涙をいい意味で解釈したのか、動きが激しくなり私を蹂躙した。


 それは一度では終わらず、夜になっても続いて、セイントは満足そうに横たわる私を撫でていた。

 メイド達が入室してきて、私をお風呂に入れ、メイド達の手が、セイントが出入りした場所に入り込み、湯の中で洗われた。


 私がポロポロと涙をこぼしている間に身支度は整い、メイドに「シャンとしてください」と叱られ、涙を止めることを強要された。


 セイントと今まで見たこともないような食事を二人で食べ、その間も体を(まさぐ)られていた。

 セイントがまたその気になり、私を膝の上に乗せてドレスをまくりあげ、そのままの姿勢でセイントが入り込んできた。


 その日は王城に泊まるように言われ、セイントの横で眠ることになった。

 セイントに気付かれるわけに行かないので、私はなくことも出来なかった。


 翌日は休日で、セイントは「離れがたいよ」と言ったが「公務があります」と執事の人に言われて、私は王家の紋章が入った馬車で、ドレスと宝石と一緒に男爵家へと送り届けられた。


 男爵様にあったことを詳細に話せと言われ、私は泣きながらすべてを話した。

 男爵様は黙って聞いていて最後に「非常に危険な立場にいると思え」と言われた。


「側妃になるにも、愛妾になるにしても私では身分が低すぎる」と言われセイントに求められる以上断ることは出来ないと言われた。

「婚約者の公爵令嬢様が怖い」と泣いて訴えたが「男爵家が何かを出来る相手ではない」と厳しい声で言われた。

「殿下に守ってもらうしかないだろう」


 私からしたら、私の意志を無視した強姦だったけれど、セイントがすることを拒否することは出来ないと言われ、これからも望まれたら、受け入れるしかないとも言われた。


 私はその日一日泣き続けメイド達に目の腫れが翌日に残らないように対処させ続けることになってしまった。

明日、21時に後編アップします。

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