表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

短編小説まとめ

創作小説 アプリ「書く習慣」2023/10/7お題「力を込めて」

作者: 涼しい秋風

「あっ!しまった!用紙配り忘れた!」

そう言葉を発したのは担任の先生であった。

「えっ?何を?」

「来週以降三者面談の希望日を募らなきゃいけないんだけどその用紙だ…うわーしまった、三連休なのに!」

まだ教室には大勢残っているがササッっと帰ってしまった生徒も居る。

私は窓の外を見て同じクラスの者が居ないか探した。

「あ!いるいるいるいる」

私は思い切り叫ぶ。

「おーーーーーーーーーい!!!プリント配り忘れたーーーーー!!!」

下を歩いていたクラスメイトはビクッとしてこちらを振り返る。

「でかいでかいでかい声がでかい」

「プリント渡すから戻って来てー!」

「そこから落として良いよー!」

えっ?

教室に居た全員が、えぇ…?と言わんばかりの空気になっている。

「早く帰りてぇから早く落とせ!」

「本当にいいのね?」

先生が言う。

「キャッチする!」

ひらり。

とプリントが落ちていく。それを彼がキャッチする。

「サンキューまた来週〜」

「たはは…」

それで良いのか、という空気が教室に溢れる。彼は何となく不思議な感じの人だ。

私は思わず大きな声で呼び止めてしまったが、彼を驚かせてしまっただろうか。それでも、彼がこちらを向いてくれた事が、何となく脳裏に焼き付いてならない。

彼に対して恋愛感情は無いが、何となく、この日のこの出来事は、一度は忘れるものの、ふとした時に思い出すのではないかと、私は不思議な感覚を覚えた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ