決意
「それで?あなたは誰よ」
「...天革めぐみ.....明日から花の高校生ですぅ......」
....6畳一間 その真ん中で正座させられて自己紹介させられる日が来るとは思いませんでした。人生何が起こるか....ってやつですね。
あたしの目の前にいる...ひと?ちょっと浮いてるし....足先透けてるし....もしかして幽霊ってやつ?怖いなぁ...普通に話しかけてきたからうっかり返事しちゃったけど呪われたりしないよね....?
「ふーん、めぐみっていうのね。私はこの部屋の主
菊見梅よ!」
綺麗な花柄の袴と黒髪を靡かせ彼女はそう名乗った。
よくみると可愛いな〜この子。顔は童顔で、あたしより少し背が小さいくらいかな?お人形さんみたい。
「さて、めぐみ!早速だけど出ていってくれない?」
前言撤回、全然可愛くない。
「なんでよ!!」
「そりゃそうでしょう!?ここは私の部屋であなたは侵入者よ!!!当たり前でしょう!!!!??」
「あたし、今日からここで一人暮らし始めて明日から新生活なんだけど!!!???」
「知らないわよ!!!!」
と
コンコンコンと後ろでノックがなった。
「あーめぐみちゃんいる?若狭です。ちょっと説明忘れてて...あ〜もしかしてもう揉めてる?」
若狭さんだ!流石髪ボサ良い人!とても同じ性別に思えないけどいい人!!!はやくこの不法侵入の不審者どうにかして〜
「入るよ〜...?って梅、もしかしてもう出て行け〜とか言ったんじゃないの?めぐみちゃん心穏やかじゃなさそうだけど」
「当たり前よ!!なに勝手に人を入れてるの若狭ッ!私聞いてないわよ!!!」
「説明したよ、聞いてなかったの梅だろ?なんかの子〜とか言う作品見てて聞いてなかったんだろうけど」
え、なに。知り合いなの?なになに、あたしわからないんだけど
「ごめんねめぐみちゃん、この子は梅。外に生えてる梅の木の妖精...みたいなもの?なの。この部屋に住み着いてるの」
「え、あ、あぁはい」
「それと、君のお父さんから手紙を渡されてたの忘れててね、はいコレ」
あたしは受け取った手紙を荒く開き見る
『めぐみよ、友達を100作ること。それが追加条件だ。父さんの後輩の若狭だがこいつは昔から不思議な存在と縁がある。様々な存在に触れ成長するよう。
PS.せっかくなのでルームシェアということでおもしろいやつと同部屋にしてもらった。これくらいで音を上げるようであれば実家にすぐ戻ってくるよう』
一人暮らし認めてくれてないじゃん!!!それになに?!ルームシェア?いきなりすぎるって!
覗き見た若狭さんが同情の顔であたしをみてる
「あの人そういうとこあるよね〜、私も昔振り回されたよ」
「これそういう次元です?!!」
サラリーマンだと思ってたのにお父さん何者?!!ってこの際なんでもいいけど.....
「あの人結構考えてる人だけどいきなりこれはねぇ...どうするめぐみちゃん?無理そうなら他の部屋手配とかできるけど...?」
「そうよ!他にもはやあるじゃない!どっかいきなさいよ!」
「梅は黙ってて」
梅ちゃんなる存在は口を抑えられてもごもごしながら訴えてくる。これから三年間...この子と同居.....
....せっかく頑張って受験して、これからやってこうって時に...こんなことで折れるなんて....
ッ女が廃る!やってやるよお父さん!矢が降っても槍が落ちてきても妖精かなんだか知らないけど友達100人作って誰にも文句なんて言わせないんだから!
「若狭さん!あたし、絶対住みます!絶対に梅ちゃんと仲良くなって豊かな高校生活、謳歌して見せます!!」
「ムグググ...ハァ.......いやだから私としては出ていって欲しいんだけど...?」
「....そっか、改めて。歓迎します天革めぐみさん。
これからうちのアパートと梅を、よろしくお願いします。」
「ムゥ....」
「はい!よろしくお願いします!!!!」
入居初日、奇妙な同居人の嫌そうな顔からあたしの生活が始まった。妖精さんは若狭さんに逆らえない...みたい...?
好きに書き読みづらい箇所もあるかもございませんがご了承ください。
キャラクターたちも描いていってみたいと思ってますので長い目でお待ちいただけると幸いです。