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これはデスゲームを見守る簡単なお仕事です。①-入社編-  作者: 三嶋トウカ
Stage1_D

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ショウカクシケン_チュウ_3


「……灰根、お前、死にたくないだろ? 今ならまだ、許してやる」

「……めちゃめちゃ喋れるじゃん。嘘吐き」

「お前だって、まだ死にたくないだろ? な? まだ、生きていたいだろ?」

「ええっと。死ぬのは僕じゃなくてアナタのほうだし、僕はアナタを殺した後生きていますよ」

「いやいや。お前にも罪悪感ってものがあるだろ? 俺が死んだら、ずっとその罪悪感に苛まれながら生きていくんだぞ?」

「まさか。あるのは達成感ですよ」

「お……俺が死んだら後悔するぞ!?」

「アナタが死んだら祝杯を挙げる予定です」

「お前は悪魔か……?」

「その言葉、そっくりそのままお返ししますよ」


 ――話が通じない。この状況に実川は苛立ちと恐怖を感じていた。今までの改だったらとっくに折れているはずなのに、まったくもってそんな素振りはない。威圧すれば黙って謝っていたのに、謝罪の言葉すらない。実川が築き上げてきた改との関係性は、圧倒的な実川優位のはずだったのに、いつの間にか対等に、もしくはそれ以下に成り下がっていたのだ。


 思い通りにならない。

 話が通じない。

 いつまで経っても解放されない。

 身体が痛い。

 身体が震える。

 

 ――おかしい。

 おかしいおかしい。

 おかしいおかしいおかしい。


 実川は、認めることができなかった。

 ――本当に改が、自分のことを殺そうとしているなどと。


 わめいていた実川が大人しくなる。そのタイミングで、改の元に三人の人間が到着した。改と同じような格好をしており、マスクもしているため顔は良くわからない。


「――あ、来てくださったんですね。有り難うございます。お手数おかけしますが、よろしくお願いします」


 改が深く頭を下げると、三人も同じように頭を下げた。


「それで、早速なんですが」


 実川のほうにチラリと目をやる。


「その辺の壁に、立ったまま固定ってできないでしょうか? 本当は吊るすことができたら、全方位隙がなくなるとは思っているんですけど。動かれると邪魔だなっていうか。なんでしたっけ、忘れちゃった。こう、肉でもそぎ落としていって、どこまで肉がなくなったら死ぬのか、試してみたかったんですけど。……違うな? 血が出たら、かな? もしくは、お腹の中身とかどうなってるのか見てみたくって。見たことあります? 大腸とか、凄い長いじゃないですか。あれが上手いこと納まってるんですよね? 実際出てきたらどれくらいの長さなのか、興味ないですか?」


 すらすらと出てくる言葉を聞いて、実川は青ざめていた。今話している内容を実川で試そうとしているのだから、顔色のひとつやふたつ悪くもなるだろう。


「……なぁ、冗談だろ?」

「なにが?」

「今のその! 吊るすとかそぎ落とすとか!! 嘘だろ!?」

「本気ですけど。悩むんですよ、こんなチャンス滅多に無いんで。無駄にしたくないですもん」

「い、いや……いや!? お前、自分がなに言ってるかわかってるのか?」

「もちろんですよ。ちゃんとわかってます。……あ。実川さんはどっちが良いです? 肉そぎ落とされるのと、内臓引きずり出されるの」

「どっちも良いわけないだろうが! 死ぬだろ!!」

「殺すのが前提ですもん。今更なに言ってるんですか?」

「ああああああああああああああああもうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」

「……うるさいなぁ。……ルーレットで決めよ。すみません、結果背中とか出ても良いように、吊るせるなら吊るしてもらっても良いですか? 支えになりそうなものないとは思ってるんですが……」


 三人は顔を見合わせて頷くと、懐からなにやら機械を取り出して操作し始めた。


 ――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ。


「おぉぉ……!」


 床が割れてその下から柱がせり上がってきた。途中縦に鉄でできている輪のようなものが付いている。柱が出きった後床は元通りになり、実川さえもその柱のてっぺんを見上げていた。


「……吊るせそうですね? お願いします」


 改は二度目のお辞儀をすると、三人は実川の前に立った。代わりに改は部位を決めるルーレットを動かして、どこを切るのか決めることにした。――幸い、武器の中に牛刀ならある。


「なっ……なぁ、お、おい。冗談……だよな?」

「……」

「嘘だろ? 質の悪い……そ、そう!! ドッキリとかそんなのだろ!?」

「……」

「わっ、悪かった! 俺が悪かった! 謝る! 謝るから!!」

「……」

「変なこと、しないでくれ! な? な?」

「……」

「ひっ……や、やめ……やめてくれ……! なぁ頼む! 死にたくない! 死にたくないぃぃぃぃ!!」

「……」


 ――ゴリッ。


 実川の言葉は一切聞かずに、三人はテキパキと足枷と手枷を残してそのほかの拘束を解くと、腕を引っ張って立たせた実川のこめかみに、一人が拳銃を取り出して押し付けた。


「ひぅ……」

「……」

「ひひっ、や、やめてくれ……」

「……」

「動く、動くから……! なにもっ、なにもしない!」

「……」

「ほっ、ほら、ほらっ! おおおおおとなしい、だろぉ?」

「……」

「ひっ、いっ……! や、やめてくれ……」

「……」

「やめてくれよぉ……」


 残りの二人が、残した手枷にロープを通すと、柱についている輪にロープの端を通して腕を挙げた状態で固定した。足は床についているが、形だけは吊るされたようにも見える。その手際に感心しながら、改は気付くと拍手をしていた。

 そうして実川の位置を変えている間に、改もルーレットを回し終えていた。


「ホラ見てくださいよ。【お腹】だそうです。中身、見られそうですね?」

「や、やめよう、な? そんなものは図鑑やらネットで調べれば良いだろ? わざわざやらなくて良いだろ?」

「いえ、実践は大事ですし、実物を見るのも大事ですよ?」

「なっ……ならそもそもそういうのを見る職に就けよ! 医者とかなんとか!」

「え、就いてますけど」

「……は?」

「だから僕もアナタもここにいるんですよ」

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