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おことわり
目の前に見える物がこの世のすべてと考えるのは、認識不足というものだ。ましてや、この世界を唯一と考えるのも無知の表れである。
この世には目に見えないものが数多くある。
別な世界も数多存在する。
どんなに科学が発達しようと、どんなに空気のように情報が手に入ろうとも、人間には計り知れない別世界、そしてその住人が存在する。
大昔より人々はそれを妖と呼んだ。
しかし、目の前に見えることしか信じない者は、それを空想、妄想、幻想、あるいは大法螺と一蹴する。
ここに書いてあることを信じる信じないは、読者であるあなたにお任せしよう。
なれど、読み終えた後、あなたの後ろの暗闇には気を付けたまえ。
そこに妖が潜んでいるかもしれないから。