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257.出鱈目過ぎるだろ

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 本当に見ちゃっていいんすか、と念のための念押しをすればマリアは微笑みながら「どうぞ」と頷いた。


「そんじゃあ、遠慮なく」


 本音は見たくてしょうがなかったマリアのステータス画面を覗き込めば。



『イチノセ・マリア LV100(+77)

 ブレイバー

 HP:10500(MAX)

 SP:21000(MAX)

 MP:20000(MAX)

 Str:2800

 Agi:3650

 Dex:5100

 Int:4500

 Vit:3050

 Arm:3400

 Res:4200


 スキル

 【天啓】

 【収納】

 【白打】

 【白蓮】

 【看破】

 【閃光】

 【生存:LV10】

 【湾曲】

 【貫通】

 【間合い】

 【転換】

 【EXP増加:複数】

 【報復:光】

 【魔法効果上昇】

 【魔導:光】

 【魔導:無】

 【無尽蔵:光】

 【破城】

 【浸透】

 【武装解除】

 【麻痺耐性:高】

 【石化耐性:高】

 【毒無効】

 【盲目耐性:極】

 【鈍重耐性:高】

 【魔封じ耐性:極】

 【拘束無効】

 【耐性上昇:極】

 【大信仰】

 【闘気】

 【癒しの波動:LV10】

 【流麗】

 【全環境完全適性】

 【星読み】

 【神眼】

 【天賦】

 【聖魔混合】

 【死の隣に立つ者】

 【禍断ち】

 【必罰】

 【境界:LV10】

 【衝角】

 【没入】

 【遮断】

 【収斂】

 【真・深化】 

 【説得】 

 【超清廉】

 【先導者:LV10】

 【紫電】

 【絶倒】

 【手心】

 【掌握】

 【偏極】

 【待ち人】

 クラススキル

 【聖徒】

 【聖光輪廻】

 【万全】

 【極光】

 【光輪】

 【召喚:LV10】

 【身命】

 【心象偽界】

 【聖痕】

 【高次の域:LV10】

 【輝爆】

 【輝爆陵】

 【聖刻】

 【聖句】

 【渙発】

 【流転】

 【神剣】

 【神槍】

 【神弓】

 【神火】

 【聖撃】

 【神水】

 【神風】

 【天地】

 【調伏】

 【神雷】

 【絶佳】

 【森羅万象】


 インスタント1

 《ヒール》

 《リリース》

 《エネミーディテクション》

 《ホーリーライフ》

 《ホーリーグロー》

 《ホワイトヴェール》

 《ライトアロー》

 《グレーターヒール》

 《ワンダープロテクション》

 《マインドプロテクション》

 《エナジーチャージ》

 《フルポテンシャル》

 《スターフォール》

 《ホーリーエッセンス》

 《ハイライト》

 《ホワイトオーダー》

 《オーロラバリア》

 《ホーリーレイ》

 インスタント2

 《ブレイク》

 《ワイドブレイク》

 《スラッシュ》

 《ハイスラッシュ》

 《クロススラッシュ》

 《プレパレーション》

 《アロー》

 《エクステンドアロー》

 《ショット》

 《ストレンジショット》

 《フックショット》

 《ショックポイント》

 《ショックウェーブ》

 《バリア》』



「は……!?」


 い……いやいや待てよ、待ってくれや。

 これはなんだ? 白昼夢でも見てんのか俺は?


 出鱈目過ぎるだろ、何もかもが……!


「どうされました?」


「どうされたもこうされたもねーっすよ! 俺とはステータスが違いすぎる、それにスキルの数も!」


 魔法は元から一個も使えねえからこの際なんも言わんがよ、他の面でこんなに差があるのはおかしいだろ。


 俺とマリアのレベル差は19だ。これまでのステータスの伸び方を思えばそれはかなりの開きではあるが、だからといってこれはねえだろ。なんだ軒並み四桁って。HP・SP・MPなんかはまさかの五桁だ。万越えだぞ万越え。それも軽々と。


 俺のステの最高値はHPの783。

 まだ四桁にも遠い数値だ。


 それに対してマリアのHPは――10500! これでもSPやMPと比べれば控え目に見えてくるってんだからくらくらするぜ。頭がどうにかなっちまいそうだ。


「残された十九回のレベルアップでマリアさん並になれるたぁとても思えねえ……ってか完璧無理っすよね」


「いえ柴様、そうとも限りませんよ。『勇者ブレイバー』が各種ステータスの成長に秀でた職業クラスであることは間違いありませんが、レベル90以降の伸び率は特に著しく、それはどの職業クラスでも変わりありません。それに私の場合はあくまでボーナスレベルも加味されての数値ですから」


「ボーナスレベル? それってこの、レベルに付け加えられてるやつっすか」


「ええ。100レベルになって以降……カンスト、と言うのですよね? カンスト後でも経験値は入り続けるのです。その値が一定に達することで新たに上がっていくのがボーナスレベル。それに応じてステータスも上がりますし、再びスキルを得ることもできる。しかし100レベルを超えているということもあって必要な経験値は膨大なものになりますが」


「具体的にゃどれくらいっすか?」


「そうですね……ボーナスレベル1を得るための経験値で99から100へ十回ほどはレベルアップできるくらい、でしょうか。正確な見積もりとは言い難いですが、少なくともその程度は必須かと。そして当然、ボーナスレベル2になるためにはそれ以上の経験値がいります。先の例で言えば十五回ほどが目安ですかね」


「うへえ……そらまた気の遠くなる話で」


 カンスト後でもステータスやスキルが育ってく機会があるってのはいいことなんだろうが、これはあれだ。ゲームクリア後のちょっとしたおまけ要素ぐらいに思っといたほうがいいな。


 だってレベルってのは上がれば上がるほど上がりづらくなるんだぜ。

 必要経験値が増えるってだけじゃなく、よっぽどつえー奴と戦わねー限り得られる経験値が減っちまうからな。


 俺がぽんぽんレベルアップできてるのは初見の敵や格上とひっきりなしに戦り合っててきたせいだ。それと経験値増加スキルの効果な。


 仮にそういうスキルもなしで安全確実に勝てる相手だけを選んで戦っていたら、未だに30台とかそこらへんに留まってだろうよ。


 盛ってるように聞こえるかもしれねーが大げさじゃあねーぞ、一度雑魚に成り下がった敵から得られる経験値ってのはそんぐれえ雀の涙になるってこった。


 何が言いたいかってーとつまり、カンストしちまえば大量に経験値を得るチャンスなんか皆無に等しいんで、そんだけボーナスレベルを上げるのもちょー大変って話だ。


 ……それをマリアさん、77まで上げてんの控え目に言ってもヤベーな? 

 いくら百うん十年前からこっちの世界にいる大先輩と言えどよ。


「しかしこのステータス、見れば見るほどブルってくんな。数値の暴力もいいところじゃねえっすか。よくこれで非カンスト来訪者と戦えたっすね。どんだけ手加減しようが殺っちゃいそうなもんすけど」


 この差じゃ赤ん坊相手にバズーカを構えるようなもんだ。加減のしようがない。そこにあるのは撃つか撃たないかの二択だけ。


 つまり殺すか見逃すかであって、ちょうどいい塩梅に追い詰めるなんてことが可能とは俺には考えられねえんだが。


「……レベル差、ステータス差。そういったものが勝負を決定づける段階を過ぎるときが、柴様にも訪れるでしょう。たとえば私の場合は、自分より低いステータスを持つ来訪者には【手心】で合わせられ、自分より高いステータスを持つ者には【天賦】でその差を埋めることができるのです。100レベルに達していなくてもこういったスキルを持つ来訪者は多いでしょう。戦闘職であれば尚のことに」


「……!」


 敵の弱さに合わせられる【手心】も面白いスキルだが、今はそっちよりも【天賦】だ。


 ステータスの差を埋められるだと? 

 そりゃ使われる側からするととんでもなく面倒なスキルだぜ。


「俺の知り合いにも【天賦】を使ってるやつがいたんだが、そんな効果があったのか……」


「より詳しく言えば『HP類を除いた七種のステータスのうち、相手が自分より勝るものに限り自身の数値を相手と同値にする』というものです。要は【天賦】を発動すれば素のステータスを全て同等かそれ以上にすることができる」


「仮に全部で上をいかれてたとしてもそれに追いつけるんすもんね……だがここで言う『素のステータス』ってのはどういう?」


「柴様の【超活性】や私の【闘気】のような強化スキルは元のステータスを参照してその強化率が決まりますね。そういった強化された値までは【天賦】でもコピーはできない、ということです」


「あくまで並べるのは素の数値までってことか……でもそっからはお互いのスキル次第。スタートラインを同じにできるってのはやっぱ強いっすね」


 レンヤとやり合ったとき、俺は【活性】を使って自分を強化してた。


 使われてたのが【天賦】だけならそれで上回れてたはずなんだから、そうならなかったってこたぁ元からレンヤのステータスがよほど俺より高かったか、もしくはあいつはあいつで強化系のスキルを他にも使ってたか、ってところか。


 おそらくは後者だろうがな。


 その結果俺たちの力はあの時点ではほぼ互角だったと。

 ……だとすりゃ、もしもレンヤが新たに強化スキルを手に入れていたら次はちとマズいことになりそうだな。


「まさにそこが【天賦】の強みでしょう。ステータスの優位性を無とする。未知の敵や、あるいは。どれだけ実力を増しているかまったく不明の仇敵に対してもなんら臆することなく挑むことができるのですから――」


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