表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MAKI  作者: 明石多朗
2/21

2話  清原太一

    **** 清原 太一(きよはら たいち) ****


 清原太一がウイングヒューマンに入社したのは二七の頃だった。

 ひと月の間、先輩マネージャーと行動を共にして上野真希の担当となった。

 短い期間だが【Maybe(メイ)/Absolute(アブ)】の二人のマネージャーもしていたが、彼女たちが一気に売れてからは、上野真希とその他の新人のスケジュール管理がメインになった。


 清原はデビュー時の上野真希を知っていた。

 そのポテンシャルを認めていた。マネージャーを志望したのも彼女の影響だった。しかし、ここ最近は真希から前向きなやる気が消えている。

 うまい話もないので当然かもしれない。


 しかし……。小さな会場では十分に声は出ているが、大きな会場のときはどうだろうか?

 いつかのために、いま準備をしておかなければ。

 そう思ってレッスンの予約を入れるのだが、バイトがあると断られる。最近では小さな仕事だと、「じゃあバイトの方がお金になるや」と、それすら断るようになってきた。歌えるイベントでかろうじてこなしてくれる。そんなところだ。


 真希を家まで送って事務所に戻り、次の仕事を探す。

 ライブ出場者募集の案内が来ていた。

 そこそこ大きいハコ。年齢制限上限ギリギリ。他の出場予定者は全て年下。

 ……ギャンブルだ。

 客は若い方を応援するのが世の常であり、サガでもある。


 だが……。


 同じ事務所の後輩、真希よりさらに若い、今年一六歳になったばかりの少女の名前を見て、清原は真希の参加を決めた。少女のひたむきなレッスン態度が記憶に残っていた。

 彼女の姿勢に何か思い出してもらえないだろうか。

 そう画策してイベントに申し込んだ。



 しかし、その思惑は悪手だった。

 イベントの最後に、上野真希とその新人がステージ上で交錯して転落した。

 真希は意識を飛ばして救急車で運ばれた。



本作は毎日12時、18時、21時に定期アップしていきます。

こちらでも校正しながら投稿しておりますが、よろしければ誤字等あればご報告いただけると嬉しいです。


また評価もいただけると次作等への励みになりますので、

どうぞよろしくお願いいたします。


Twitter https://twitter.com/aktr_996996

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ