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#6 開幕のオルタナティヴ

長らくの休載申し訳ありません。

年内に私事で大混乱がありまして、まさかここまでかかるとは思いも寄りませんでした……。

――――――――――――――――――――――

 〜 ダンジョンメニュー 〜


所持DP:1200P


  ダンジョンの拡張・編集

  →新しいダンジョンを作る

  →ダンジョンの階層を増やす

  →オブジェクトの編集

  →ダンジョン内の構造を変更する


  サブメニュー

  →ダンジョンマップを見る

  →DP履歴を確認する

  →ダンジョンバトル履歴を確認する


  魔物の召喚・強化

  →魔物のを召喚する

  →魔物の名付けを行う

  →魔物を強化する


  アイテム購入

  →罠・宝物・設備

  →装備品

  →消費アイテム


  ダンジョンマスターの強化

  →ステータス強化

  →スキル・魔法の習得

――――――――――――――――――――――



ダンジョンメニューと書かれたその箇所を押すと、やはり何かのスイッチが切り替わる感覚がしてウィンドウが書き換えられていく。

ズラリと並ぶ文字群を見て、目眩のような感覚がした。

ダンジョンメニューというからには、ダンジョンに関する事しかできないものだと思い込んでいたため、アイテムの購入やステータスの強化まで可能だということに、驚いたというよりは一種の感動を覚えた。


「DP」の横に書かれた1200という数字が大きいのか小さいのかは分からないが、今後は生き残るためにこれをやり繰りしなければならないということは確かだ。


食料を確保できなければ餓死するか体調不良で戦えなくなる。

かと言って自衛の手段を持たなければ、いずれ自分が狩られる側になる。

武器の心得などある筈はないし、配下を増やせば消費は増える。


先ずは安全の確保が最優先だろうか?

ザッと見た限りだと「ダンジョンの拡張・編集」内の小部屋リストに「安全地帯」というものがあったが1つ5万DPもするため断念した。

ダンジョンの拡張関係は総じて必要P数が高い。

一番安い「宝箱の設置」でさえ2千DPも取られる。

どうせなら宝箱だけ買わせてもらえれば中身の調達と設置は自分で行うのにと文句を言いたくなる。


「先のことを考えても仕方ないか。」

DPすら届いてもいない遠い未来に思いを馳せている場合ではない。

今は目の前のことに集中しなければ命を落とすかもしれない。


取れる手段は限られている。

現状では使い方を誤れば死に直結しかねない。

(要するにDPをどう使いどう増やすのかが今後のダンジョンの方針を決めるっていうことか。

自分がどんなふうになりたいか……。)


どんな自分になりたいか。

そう考えたとき脳裏に浮かんだのは先程の蝙蝠との戦闘。

肩口から溢れる血とズタボロにされた骨と肉から伝わる容赦のない激痛。

(もう二度とあんな思いはしたくない。

もう、あんな痛みは……。)


――心を決めた。

求めるものは強い肉体。

どんな痛みにも耐えられるだけの強い肉体だ。

僕は「ステータス強化」のリストから「防御上昇」を選んだ。



――――――――――――――――――――――

 「防御」を強化しますか?

  はい/いいえ


 必要DP:1000DP

 所持DP:1200DP→200DP

――――――――――――――――――――――



確認用のウィンドウが現れ、躊躇いなく「はい」を選んだ。

「うわ、何……!?」

身体が眩い光の柱に包まれてゆき、視界が白く染め上げられる。

誰かに優しく頭を撫でられるような感覚がした。

身体の内側から沸騰しているかの如く力が高まっていく。

押しては返す波のように、身体の外へ溢れ出た力が再び身体の内へ戻ってを繰り返す。

それは心臓の鼓動のようで、どこか安心感があった。

やがて薄い光の膜が僕の身体を覆うように溶けゆき、光の柱は弾けた。



――――――――――――――――――――――

 ステータスが強化されました


 防御:D+ → C

――――――――――――――――――――――



僅かではあるが先程より身体が軽くなったような気がする。

少しだけ頭がフラフラするが意識はハッキリとしている。



「たったの2ランクかぁ……。」

大幅に上がるだろうと期待していた防御の評価ランクは、自分が望んでいた結果とは異なるものだった。

これならば運に身を任せ配下の魔物の一体でも召喚しておけば良かった、などと今更になって後悔するが当然手遅れだ。



――しかし、彼は知らない。


この世界におけるステータス評価のランクの基準は厳格なもので、才能に恵まれた冒険者であっても、僅か1ランクでさえ上げるのに5年はかかる程にその壁は厚いものだということを。


ステータス強化のメニューは本来1000DPという少なくない対価に見合わぬ効果故に、面倒を嫌う他のダンジョンマスターたちからは不評を買っており、使用するものはほとんどいないという事を。


彼が持つ得意なスキルの影響はステータス強化の上昇値にも現れており、彼の使うそれはもはや他のダンジョンマスターが使うそれとは別次元の代物へと昇華していることを。


そして彼の防御の値は彼が望んだように、ケイヴバットの噛みつきに耐えるには十二分な程に跳ね上がっているのだということを。

次話こそ頑張って早めの投稿を……。

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