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#11 洞窟のレイダーズ

設定を考えすぎて投稿が遅れましたね

やっぱり得意じゃないなこういう作業

厄介事というものは放っておいても向こうからやって来ることもある。

何の前触れもなく現れたこのウィンドウが告げている内容も、そういった類のもので――



――――――――――――――――――――――

   〜警告〜

 侵入者が現れました。

――――――――――――――――――――――



――それもかなり最悪に近い形のものだった。


(どうしよう……侵入者って、もしかして僕を狙いに来た?

殺されちゃうってこと?

どうすればいい?)

ここに来て再び差し迫った命の危機。

必死に考えを巡らせ、取れる手の候補を考えていく。


何もせずにここにいれば最悪無抵抗なままに殺されるかもしれない。

かといって、相手の戦力も分からない状態で戦いを挑むのは愚行だ。

そもそも、相手の目的は自分とは違うところ、例えば洞窟の蝙蝠たちにあるかもしれない。

なるべく接触せずにやり過ごすのが無難か……。


あれでもないこれでもないと頭を捻っていると、視界の端に別のウィンドウが現れた。

黒色の四角形と白色のラインが描かれており、真っ直ぐに伸びた白色のラインの上に緑色の小さな丸が2つある。

それが何なのかは、直感的に理解できた。

携帯の地図検索やゲームのマップ機能なんかで見慣れた表示形式。

洞窟(ダンジョン)のマップだった。


よく見てみると、入り口と思しきところに赤い丸が2つ並んでいる。

これが侵入者ということだろうか。

ずっと真っ直ぐだと思っていた通路だが、入り口の手前の辺りが広場のような構造になっている。

(行ってみようか……?)

マップの縮尺がどの程度かは分からないが、侵入者との距離はそれほど離れていないようだった。

侵入者が必ずしもこちらに害意があるとは限らない。

案外友好的な存在だったり、知性があるなら交渉に応じるかもしれない。

どちらにせよここで仮定の話をしているのは意味のない行為かもしれない。

幸い、広場の中には壁か柱のような物が多数表示されているので、物陰からこっそりと覗けばいいだろう。

ひとまずは様子を見て、目的が自分達なら何かしら策を考える、という方針で行くことにした。


「クウ、行こうか。」

『きゅ。』

静かに顔を上げたソラはクウに声をかけ、真っ暗な洞窟の通路を連れ立って歩き出した。




――城塞都市「バル・ロスジーク」の冒険者ガイとゴードンは、口論の真っ最中だった。

「……戻るべきだ。」

「いいや、行くべきだ!」

「ここがダンジョン化しているのはどう見ても明らかだ。

事前調査も行われていないのに、2人だけで挑むのは危険すぎる。

ここは一度街に戻ってギルドに報告するべきだ。」


ダンジョンとは、一般的には魔物が多く住み着く場所のことを言うが、冒険者の立場からより正確に表現するならば、ダンジョンとは生きた洞窟のことである。

ダンジョンが生きていると表現する理由は、ダンジョンが成長するという点にある。

侵入した生き物を喰らい、その魔力を得ることで、より強い魔物を生み出したり、トラップをより凶悪なものにしたり、まれに宝箱などからアイテムが入手できるようになることもある。

多くの命を吸って成長するダンジョンは、その魔力量に応じた範囲で周囲に魔力を放つ。

その魔力は、魔法使いの使う魔法のそれとは違う特殊な感覚のもの(専門家が言うには波形が全く異なる)で、冒険者たちはその魔力を辿りダンジョンを見つける。


「ギルドに報告なんかしたら皆にここの存在がバレて、他のチームに取られちまう!

俺は早く功績を作って、ランクを上げて、バル・ロスジークで一番の冒険者チームになりてえんだよ!」

「誰も他のチームに先を譲るとは言っていないだろう。

ただ、今行くのは危険すぎると言っているんだ!

せめてギルドの調査が終わるまで待ってもいいだろう。」

「だからそんなもん待ってたら他の奴らに取られちまうって言ってんだよ!

俺は連中よりも先にここを攻略して名を上げてぇんだ。

それに、冒険者として有名になって、街の奴ら全員に俺達のことを認めさせてやるのは、お前の目的でもあっただろうが!」

「それは、確かにそうだが……」


ガイは偶然に二人が見つけたダンジョンを今から攻略しよう、と言うゴードンを一度街に戻るように説得しようとしていた。

通常、冒険者たちは数人で寄り集まってチームを作る。

4人から6人ほどのチームが一般的だが、ガイのチーは、ガイとゴードンの二人だけだった。

それ故に戦力的な不安を訴えていたわけだが、冒険者として名を売りたいゴードンは、目の前のダンジョンに今すぐ挑もう、と主張していた。


「なにも勝算もなく言ってるんじゃない。

ここは多分昨日今日出来たばかりのダンジョンだから、それほど育ってなくて楽勝だろうぜ。」

「何を根拠に……」

「この場所にはな、もともと小さな洞窟があったんだ。

大方ここは、その洞窟がダンジョン化したんだろうよ。

ここの洞窟はガキの頃から遊びに来てるし、お前さんとチームを組んでからもちょくちょく来てる。

実を言うと、つい一昨日ここに来たんだよ、俺は。」

「それは本当か!?

だがここは昔からあった洞窟なのだろう?

ただの洞窟がダンジョン化するなんて話、聞いたことがない。」

「ダンジョンなんだからそんな事もあるだろ。」


通常ダンジョンというものは、ある日突然なんの前触れもなく変哲な場所に出現するもので、ここの洞窟のように、普通の洞窟がダンジョン化するといった話は、ガイは聞いたことがない。

それに対してゴードンは、そんな事もあるだろう、と何でもないことのように応えた。

冒険者にとってダンジョンとは、何が起こってもおかしくない不思議な場所、という認識なのだ。


「なぁ、ギルドに報告しないにしても、やはり一度街に戻らないか?

ダンジョン攻略用に道具を揃えたほうがいいだろう?

それに、なんだかすごく嫌な予感がするんだ……。」

「お前さんはその慎重さが取り柄だが、時たま心配性すぎる。

大丈夫だって、ここには何回も来てるって言っただろう?

俺の遊び場みたいなもんだ。」

「それはここがダンジョンになる前の話だろう?」

「大丈夫だから任せとけって。

お前さんが行きたくねえってんなら、俺一人で行ってくるぜ?」

「ゴードンを一人で行かせるほど私は臆病でも無ければ薄情でもない。

……はぁ、いいだろう。行こう。

ただし、危険だと判断すればすぐに引き返すぞ。」

「おう、それでいいぜ。」

結局ガイがゴードンに説得される形で、二人はダンジョンに足を踏み入れた。

ただ、ガイはそれでも悪い予感を振り切れないでいた。

sha「自分でサブタイをつけておきながらなんですが。

『レイダー』、というと侵入者というよりフォール○ウトのならず者集団のイメージが個人的には強いですね。

『バル・ロスジーク』は、言ってみて口が気持ちいい名前というだけで、由来もなにもありません。」

クウ「きゅきゅきゅうきゅーきゅ(バルロスジーク)?」

sha「……(か、かわいい!!)」


あ、ちなみに次話はすぐ書けそうです。

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