ウラル要塞攻防戦①
1944年3月20日 ”ウラル要塞攻防戦”
日本の第三機械化2個師団がゼーレーヴェ作戦を遅らせる為、
ソビエトのカリヤから出撃した。
ベリーム航空基地からは第二遠征航空爆撃隊が出撃、ここにウラル要塞攻防戦が始まった。
五式重戦車がウラル山脈の眼前に迫る。
対応するはマウス、両者共に各軍の最強を謳っていた。
そして、ソシヴァ川を挟んで戦車戦が始まった。
「全車徹甲弾装填、敵装甲を叩き割れ!」
マウス47両の一斉射が1000m先の一両の五式に命中する。
128mm砲はドイツ戦車では最大の貫通力であり、戦車兵にとってあらゆるものを貫通する
この砲に慢心していた。
しかし...
砲弾は五式を境に向きを変え、飛んでいく。
跳弾したのである。
正面から垂直に命中した砲弾は正面で砕かれた。
「あ、あり得ない!!第二射───」
右耳の鼓膜を破るような爆音。
視線を右に移すと僚車のマウスが爛れる様に砲身を下げ、キューポラから、
正面の傾斜部から業火が噴き出る。
アメリカ、イギリスの戦車はマウスには手も足も出なかった。
この戦車長はアフリカ戦線に参加しており、M4シャーマンを蹂躙する
功績を残していた。
しかし、ここでは──────
『て、撤退!!』
既に9両のマウスが食われている。
正面の傾斜装甲は榴弾によりたたき割られ、傾斜装甲は無効化。
巨体な車体による為、いい的であった。
緑色の巨大な戦車に、ドイツ戦車兵のプライドは打ち砕かれたのである。
「全車後退!要塞内部に誘い込め!」
合図とともに、20kmでマウスは後退する。
しかし、側面から砲弾が飛んでくる。
後退したため、稜線で隠れていた2603式主力戦車の射会に入ったのである。
『隊長!奴ら、早ッ───』
側面から走り撃ちを命中させる2603式主力戦車に、砲塔旋回の遅いマウスは
成す術も無く倒される。
2603式戦車に苦戦する間に、稜線から巨砲が覗かせる。
「神は、何故日本の味方に──────」
47両のマウスは全両撃破された。
五式重戦車の損害は履帯を切られた二両と榴弾による軽微な損害を受けた
8両のみであった。
この戦いで、ヒトラーは新たな戦車を求めることとなった。




