表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
暁の帝国 ~第二次世界大戦編~  作者: 川嵜 怜太
激闘! 太平洋”背水作戦”
5/55

K作戦始動

1941年12月3日、米国側は再度日本に対しハルノートをつき付けた。

しかし、その翌日1941年12月4日日本政府は対米最後通告”東条の17箇条”を送り付け

その最後通告は全世界のラジオ、新聞にて内容が世界全体に広まることとなった。

条文において日本はアジア植民地解放を訴えた。

しかし、全世界を注目させたのは最後の文であった。


「我々日本帝国は、1941年12月8日零時を持ってして米国からの

ハルノート及び対日禁輸政策の撤回が得られなければ連合国に対して

宣戦を布告いたします。」


ホワイトハウスとペンタゴンの一部の者たちは歓喜を起こした。

しかし、ルーズベルトはそうではなかった。

東条の十七箇条には”戦争で得られる利益を国民に知らせること”という条文に過敏に反応を

示した。


「ふざけるな!我々米国は定期的な戦争によって利益を得る軍事主体国家だ。

平和など全くの利益を生まんのだ。

しかし、これで日本と戦争をする口実ができた。

この戦争、我が米国に負ける要素などない!」

ホワイトハウスに不気味な笑い声が響き渡った。


同時刻、密かに北海道根室湾を出発していた川村機動艦隊はハワイオアフ島二百海里まで

迫っていた。

厳重な無線封止の中、夜間発艦が行われていた。

「皆良い腕をしている。

噴進機を自分の体を動かすように操っているな。」

川村司令長官は見張り員と共に防空指揮所へ上がり航空機の発艦作業の速さに見とれていた。

ここで乗艦する赤城の性能を見てみる。

全長305m、排水量七万二千トンの赤城は噴進戦闘機”零龍”を発艦させる設備の

油圧航空機射出機を搭載し、噴進機を発艦させる設備を持っている。

更に着艦用の甲板を設けるアングルトデッキを採用し着艦失敗時の事故や再着艦が可能になった。

また、最新鋭のターボプロップエンジンを搭載した索敵機”彩雲改”を搭載し

彩雲改の最大速度は620km、小型で範囲が限定的であるが装備に三次元立体電探を装備し、

単機のみで精密な敵艦隊の位置測定が可能であった。

更に艦隊間の動きをより正確にする為大型の暗号解読、暗号制作可能な電算機”梅雨”を装備

し、米国の暗号は半ば手に取るように解読することができる。

他五隻の空母は対空火器の強化が行われた程度だが次期主力空母”白龍”二番艦”黒龍”

が就役した際に大規模改装が行われる予定である。


そして、12月7日最終通告期限三時間まで迫っていた。

山本と東条は新設された情報省の会議室にてこれからの動きと

共同作戦についての話が細部まで煮詰められていた。


「今回の真珠湾攻撃は必ず成功する。

だが、問題はそれ以降の話だ。

我々海軍は米軍のパナマ運河を破壊し、和平を持ち掛けるつもりだが

陸軍は何故そこまでして米本土上陸を望むのか」

山本は疑問の至る所すべてを東条に質問した。

東条もそれを理解し、時に海軍の意見を取り入れ時に頑として聞かないこともあった。


「米本土上陸の目的は小規模生産中の戦車の試験運用と陸においても日本は強い

ということを全世界に訴えるためです。

山本指令は我々の戦車をブリキと言われましたが私も常々思っていました。

我々の戦車はM4シャーマンの攻撃を跳ね返すことができません。

それは東機関からの情報で理解しました。

そしてその情報から得られた物を元に、乙型甲型の中戦車と乙型甲型丙型の重戦車を生産しており

また、質、火力、装甲、搭乗員の防御については過剰の装備をしており搭乗員の生存率は格段に上昇しました。

しかし、湿地の多いパプアニューギニアなどでは重戦車の中の甲型が使用できませんので

検証ができません。よって実践における実力を知っておきたいという思惑もあります。」


「そうか、米国がパナマ運河の破壊で和平を飲まなかった場合のみ脅迫として

陸軍の一時的な上陸を許そう。

だが、略奪行為や住民に対しては手荒なことは絶対にしてはいけない。

和平を頑として受け入れなくなるどころか米国民に反日運動をされては意味がないからな。」

東条は低い声で

「わきまえております。」


そして、12月8日零時 川村機動部隊から飛び立った第一次攻撃隊は真珠湾を目前に控えていた。


読んでくださりありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ