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暁の帝国 ~第二次世界大戦編~  作者: 川嵜 怜太
対決!!《世界の黄昏》ドイツvs《世界の暁》日本
48/55

国家戦略特別県~長野県~

~長野県信濃町近辺県境~


東郷は大河原から渡されたメモを憲兵に見せた。

眼前に広がるは長大なコンクリート製の壁と壁沿いに作られている監視所のみ。

下手に入ろうとすれば一回の警告、二回目で射殺だそうだ。


憲兵は頷くと東郷を壁の中に案内、そこから駅に案内された。

乗車すると思わしき列車の外観の印象は簡素、である。

車体の一端に手すりとそれを操作する係員用のデッキ、巨大なエンジンを積んでいるのだろうか

エンジンルームも巨大である。


憲兵の言う通りに電車に乗り込み車窓から景色を見る。

暫く山沿いに走っていた電車は徐々に下に下にと下り始めた。

付き添いの憲兵は「面白いものが見れるはずです」と言う。

電車は急激に速度を落とし、ガタガタとベルトコンベアーに固定されたように下っていく。

複線であり、横を時々列車がすれ違う。

その電車は人を乗せているのではないようでナトリウムランプのオレンジ色の明かりの下に

黒光りする物が一列に運ばれていく。

一列に並べられた物はどこへ向かうのか、知る由もない。


トンネルを出る。

10分ほど暗闇に目を馴らしたせいか、瞳孔に差し込む光は、眩しい閃光のように感じられた。

目をこすり、再び外を見ると・・・



頭に驚愕の二文字が焼き付けられる。

目下に広がる巨大地下空間。

その地下空間には巨大ビル群、工場、湖が広がっていた。


「日本の技術はここまで来たのか。」

東郷は今一状況を読み込めていない。

眼下に広がる地下都市、空想世界の話ではなくなる時代になったとは誰も思わないだろう。


「ここは、大深度地下実験施設であった場所を軍需物資の生産、供給の場と高等技術研究所の両方が一体化した場所に作り替えた所であり、五式重戦車の試作品を作ったところであります。」

憲兵が口を開く。


「あの五式重戦車の開発を行ったのか。」

驚く東郷。

戦局を一両で変え、三両で覆すといわれる五式重戦車の生みの場所である。

「五式重戦車はここでは既に二世代後の物です。

現在は2604戦車を開発中で、2603戦車は先程のトンネル内で見られた物がそうです。」


「そして、2603戦車は、”新思考兵器”というコンセプトで作られた為、

五式超重戦車から大幅に下回るサイズと全重量47トンの軽量。装甲を犠牲にしていると思われがちですが

複合装甲の技術も進化していて正面装甲は推定1000㎜以上、130㎜高初速砲のHEAT(対戦車榴弾)貫通力は800㎜。

側面も背面も推定200㎜以上あり、ドイツの確認されるだけの砲で正面を貫徹する事はできません。」


「その2603戦車はどこへ向かうんだ?」

トンネルの方向を指さす。


「そうですね、あの戦車はこれからソ連派遣軍にでも配備されるのではないですか?

私の管理は基本的に戦略物資の動向ではなく、性能調査ですからね。」


「そ、そうなのか。」

ここで疑問が脳裏に過る。


「何故一憲兵の君がここまで知っているんだ?長野県は大将である私ですら

最大秘匿条項として内容を知らなかった。」


「それは、大河原元帥の部下ですからね。

磁気研究所に着いたらラウンジの窓際、角の席で座っていてください。」

そう言うと、「では」と敬礼すると憲兵は電車で地上に戻った。



一人大空洞の中腹に残された東郷はエレベーターはないかと辺りを見回す。


しかし、よく見るとこの大空洞。人工的に作られたものではない。

円形のドーム状ではなく、所々がゴツゴツとしていて壁もよく見ると

花崗閃緑岩かこうせんりょくがん”が見られる。

これは深成岩でマグマが地下深くで固まったものである。


「まさか・・・」


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