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暁の帝国 ~第二次世界大戦編~  作者: 川嵜 怜太
対立!日本vs独第三帝国
14/55

米国の本音

「日本の目的は本当に講和だけなのか?」

ルーズベルトは不機嫌さを露骨に態度に示していた。

徹底抗戦の構えを崩さないルーズベルトにはマンハッタン

の原爆研究所が念頭にあったからであった。

交渉には、東条、杉原、川村が参加した。


「講和もですが、ナチス・ドイツの原子爆弾製造の噂が立っているのです。

我々は悪と戦い続けると世界人民に約束しました。

その為には米国が欠かせぬ存在となります。」

杉原は日中講和でもその交渉術により講和に導いてきた実績があった。


「それがどうしたと言うのだね。

君たちは我々の艦隊を悉く打ちのめしてきたではないか。

ドイツなど君たちで十分だろう。」

皮肉を交えるルーズベルトに川村は怒り心頭であった。

だが、拳を握りしめひたすらに我慢した。


「いえ、ドイツは恐らく我々と同等の技術力があるでしょう。

一筋縄では絶対に行きません。

そういえば、噂によれば米国はドイツに連戦連敗しているそうな。」


「ええい!君は私を怒らせに来たのかね!」

憤慨するルーズベルトをみて図星を察した杉原は次の手段に入った。


「では、我々と講和ができない理由をお聞かせ願いたい。」


「講和はしたくない訳ではない。だが国民がそうさせるのだ。」


「嘘を言わないでください。

あなたの支持率は既に32パーセントを切っているでしょう。

大統領選挙に講和派のエドワード・ステティニアス国防長官が出馬すれば貴方は確実に負けるでしょう

「一国の代表に向かってその口の利き方は何だ!」

コーデル・ハルが激怒する。


「もし、講和しないのであれば我々は米本土上陸を考えております。

中国人民軍及び関東軍、アジア日本統治軍、日本帝国軍総力で上陸戦を始める準備ができています。

その総数は200万を超えるでしょう。」


「に、二百万だと?!ふざけるのもいい加減にしろ!

上陸作戦などを行えば貴様らは全世界の敵になるぞ。」


杉原は躊躇なく話の熱を上げる。


「今、連合国内でも戦争を始めようとしていたのは米国であったという考え方が

蔓延しているのをご存じでしょう。

この際、どちらを正義とみるのかは一目瞭然です。」


「この私を脅しているのかね!」


「ここでしっかり立場を改めましょう。

無条件での講和を呑むのか、戦争に負けて条件を付けられてから呑むのか。

どっちか選んでもらいたい。」

言葉を失いルーズベルトは座り込むと弱弱しい声で

「少し、考えさせてくれ...」


「猶予は、1943年8月まででお願いします。」


そのまま、講和代表団は日本への帰路に就いた。


講和会談の後ホワイトハウスは大荒れとなっていた。


「大統領、講和提案を飲むべきです!」


「そうだ、200万と奴は言っていたではないか。

そうなれば米全土はアジアの猿に蹂躙されることになるぞ。」


「白人優位の社会を根底から覆されるなら本土決戦で奴らを打ち負かす!」


「シャーマンではtype5 ThiRiには勝てない!

本土でゲリラ戦を展開するにしても勝機が無さすぎる!」


話し合いは決着がつかず、深夜まで行われ各位に疲れが見え始めた時であった。


「大体、日本と戦争を始めたのはルーズベルト大統領ではないのか。」

大統領に対する不満が漏れ始める。


「そうだ、大統領が事前に日本の情報をしっかりと下調べしなかったおかげで

太平洋艦隊は漁礁になってしまった。」


「大統領の意見が聞きたい。」


「そうだ、大統領、あなたの意見が聞きたい。」


ルーズベルトは眠気を吹き飛ばす大声で


「本土に上陸されても戦い続ける!!」


会談は東機関が盗聴していた。

その情報は直ぐに東京の情報部に送られそれは山本や東条の知るところとなった。

そして、秘密に話しをする為とある料亭に二人は来ていた。


「山本閣下、やはり講和を飲むことはないようですね。」


「はは、東条閣下はうれしいのではないですか。

しかし、甲型重戦車を見に行ったがあれは移動要塞のようだ。」

その戦車は現在呉の第四倉庫にあり、いつでも輸送することが可能であった。


「あの戦車はティーガーでは撃ち抜けない正面装甲とティーガーⅡでも防げない

主砲を積んでいますから。

それよりも、二隻のエセックス級空母を改修して陸軍に提供してくれるというのは本当ですか。」

エセックス空母は先のハワイ沖海戦で降伏したエセックス及びフランクリンの事である。


「大型の強襲揚陸艦として使えるでしょう。

あれならあの甲型も全て乗せることができます。」


「ありがとうございます。」

東条と山本はこれからの戦略について話を煮詰めた。


読んでくださりありがとうございました!

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