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暁の帝国 ~第二次世界大戦編~  作者: 川嵜 怜太
激闘! 太平洋”背水作戦”
12/55

最終決戦!米第七艦隊

1942年12月31日

日本のマレー沖海戦においての勝利によりアメリカも戦艦の必要性を考え始めた。

そして、戦艦3隻”サウスダコタ””インディアナ””マサチューセッツ”を中核とした

米第七艦隊を編成し、ハワイへ向け出撃した。

全容は

戦艦 サウスダコタ インディアナ マサチューセッツ ノースカロライナ ワシントン


空母 エセックス ヨークタウン イントレピッド ホーネット フランクリン(尚全てエセックス級)


重巡 ニューオーリンズ アストリア ミネアポリス ウィチタ


軽巡 フィジー バミューダ ガンビア ジャマイカ ケニア モーリシャス


駆逐 ギアリング級34隻


の大艦隊であり、また、米国の大量生産能力を身に染みることとなる。

迎え撃つ川村機動部隊は数が少ないものの最新鋭艦を多数導入していて


戦艦 陸奥 金剛 霧島 山城


空母 白龍 黒龍 (赤城 加賀は別任務にて不在)


軽空母 海陽 心陽 雷陽


と大規模な戦力強化が行われた。


白龍型の性能はアングルトデッキはともかく、全長371m、排水量147000t、全幅79m

航空機搭載数132機予備41

エセックスの搭載機数を大幅に超えた物となった。

艦載機には、零龍、噴進爆撃機”電星”、指揮官機”暁”雷撃機”流星改”を搭載し

夜間ステルス攻撃機”月光”を10機積んでいた。

索敵機には”景雲改”が搭載され、最大速度は1024kmと恐しく速い。

最大速度34ノット、全長は全ての空母を凌駕するものであり、また対1000㌔爆弾に耐える設計と

戦艦並みの堅牢な対水雷防御を施していた。

その為、排水量が増大した為航空機運用能力と連携能力のみに注力することしかできなくなり

護衛艦が必須となった。

だが、空母が一隻で行動することはないので省いてもいいという軍令部からの指示が下りたのだ。

軽空母は対潜哨戒専用の空母であり、戦闘機は15機程度しか搭載していないが

対潜哨戒機”春花”を35機搭載しており

潜水艦を発見、撃沈する能力で世界の潜水艦乗りを恐怖の底に陥れることとなる。


その新装川村機動艦隊は米国最後の太平洋の艦隊と戦闘を始めようとしていた。

しかし、戦力差では圧倒的にアメリカ側が優位であった。


「川村司令長官、今回ばかりは戦艦一隻食われることは想定しておかないといけないようです。」

中村は米国との余りの戦力差により不安そうに拳を握った。


「いや、空母を失うかもしれん。慢心は不要なことだ。」

川村は米国の情報を積極的に集めていた。

それによって得た情報によれば米国は空母を大量に生産しているとのことであり

来年二月にもエセックス級が一隻完成するという。

つまり、米国の工業地帯を破壊しなければ日本の勝利はあり得なかった。

日本は生産拠点を中国に移し、大量生産を8月から始めたばかりであり未だ未熟さが

際立っていた為、生産数は徐々に右肩上がりとなってしまった。


「”徐々に”では米国には勝てない」

山本は川村にそういうと、この戦闘での勝利の重要性を語った。

圧倒的なノウハウの違いから日本はあと二年持ちこたえれば米国並みの生産能力が手に入るという。

それを実現可能せしめた理由は、中国の人口の多さであった。

そして、1943年1月3日、日本側の新鋭偵察機景雲改が敵の機動部隊を発見した。


米第七艦隊司令長官チェスター・ニミッツはこの戦いにすべてを賭けていた。

オーストラリアは日本の空母赤城 加賀及び潜水艦により海路をすべて遮断され

降伏寸前でありアジアから連合国は全て駆逐された。


米国太平洋第七艦隊では綿密な作戦計画が立てられていた。


「我々の位置は常に把握されてると思って行動したほうが良いでしょう。」

エセックス艦長レイモンド・スプルーアンスは話す。


「我々は五隻の空母を保有しており勝機は十分にあります。

そして、作戦としては三方から同時攻撃を行います。

船舶が対空に必死となってる処に我々は戦艦をもってして突入し、砲撃戦を仕かけます。」


チェスター・ミニッツ太平洋艦隊司令長官は難色を示す。

「その作戦は我々も敵を見つけているという前提があるではないか。

しかし現実我々は川村艦隊の位置が把握できていない。

どうするのかね。」


CIC(戦闘指揮所)は暗い空気に包まれた。


川村は作戦を考えた。


「既に我々は敵の位置を把握できている。

ハワイ沖707海里に敵はいるようだな。

我々の現在の位置はハワイ沖540海里で敵艦隊は我々の前方160海里‎にいるそうだ。」


「夜襲を仕掛けましょう」

航空参謀の源田実は月光の出撃を提案、それに反対する者はいなかった。


作戦は、夜間の安全と呼ばれる深夜に米軍が航空機に爆弾を積み始めた頃合いを狙って

爆撃し、誘爆に頼って撃沈させるというものであった。

その為には川村艦隊の位置を米軍が知らなくてはいけない。

よって川村は、偵察機を使って誘導することを提案。


1943年1月6日、景雲改を追って来たSBDドーンドレスが川村機動部隊を発見。

米軍は安全な深夜にて艦載機に爆弾を積む作業に入った。

日本はその米軍の裏をかき、月光を発進させた。

白龍と黒龍の月光合わせた20機が米機動部隊に襲い掛かる。

高度7000mから命中確実な熱源探知誘導裂弾を使用し、高高度爆撃を行おうとしていた。


日本では山本と呉海軍工総責任者”名倉一誠”と会談を行った。

それは、民間企業が主体となって行う航空母艦”日本”の設計図と費用について

意見を交わす為、とある料亭にて二人のみで行った。


「山本閣下、航空母艦”日本”の設計図はこの通りです。」

山本はその設計図に書かれた設計図のみの性能に目を疑った。


「本当にこんなものが浮かぶのか?」


「勿論です。性能はこれ以上の物を期待していいでしょう、ただ・・・」

名倉は口を噤む。


「ここには私しかいない。大丈夫だ。」


「私としては、この空母を内地の見世物にしたくないのです。

しっかりと使い切って貰うことに私は命を賭して船を作っています。

造船を担当する者皆の願いなんです。

我々が作った船が国の役に立っている処を見るのが何よりも心の支えになります。

一工廠の人間が生意気なことを申し上げて申し訳ございません。」

山本は無言で頷いた。


「勿論です。しっかりと使い切って見せましょう。」

読んでくださりありがとうございました!

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