ハリネズミ
とあるところに、ハリネズミの親子が暮らしていました。
ハリネズミの子供がお母さんに言いました。
ねえ、お母さん。僕、ちょっぴり寒いよ。
お母さんハリネズミは、子供に言いました。
巣穴に戻りなさい。あそこならあたたかいでしょう?
ハリネズミの子供は言いました。
ねえ、お母さん。僕、ちょっぴり寂しいな。
お母さん、ぎゅっとしてもいい?
そういって、ハリネズミの子供はお母さんの傍らへ。
すると、、
痛い!
ハリネズミの子供はお母さんの針でけがをしてしまいました。
子は母に尋ねました。
ねえ、どうして僕らの体には針がついてるの?
こんなもの痛いだけだよ。
いらないよ。
お母さんは答えました。
それはね、僕。
お外にはね、僕が知らないような、危険がいっぱいあるの。
フクロウだって、キツネだって、みんな私たちを襲うわ。
この針が、お外の危険から私たちを守ってくれるのよ。
ハリネズミの子供は言いました。
僕、昨日ね。
ウサギくんが、お母さんにぎゅっとしているのを見て、、
うらやましくなっちゃったんだ。
寂しくなっちゃたんだ。
でもね、もう大丈夫。
針があっても、ぎゅってできなくても、大丈夫。
僕のお母さんは優しいんだ。
だって、いつも僕から離れている。
優しいお母さん。大好き。
それでもいつか、この針がなくなる日が来るといいな。
ハリネズミの子供は思いました。
その時は、お母さんにぎゅってしたいな。
親って想像以上に、子供にとっては大切なのかもしれませんね。