表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/14

奇襲と発見と露見

「お~い みんなああ 生存者が居たぞぉ 早くこっちだ!!」

生存者? まさかこの時代の人間に救われるのか 俺は。


「おい 大丈夫か?」

十人は居ただろうか 俺を目掛けて、走ってきたのが分かった。

そして、その先頭を走っていた、筋肉質の男がそう言った。

「ああ なんとか、大丈夫だ」

「まさか、生存者が居たとは」

「なぁ 一つ聞いていいか?」

ある質問をぶつけることにした。

「ああ いいぞ」

「この地域だけ何があった。 詳しい事を観た奴はいないか」

「お前は見てなかったのか?」

「ああ 見てなかった。 記憶もうつろだ」

一つでも、情報が欲しかった。

「詳しい奴は居ると言えば居るんだが、それより、何に入れ。 大変だっただろう」

「ああ、助かるよ。 恩に着る」

そう言うと、筋肉質の男は俺の肩を持ち、先導してくれた。

少し歩くと、住宅地らしきものが出てきた。

その中の、青い屋根、青いドアの小屋の中まで運んでくれた。

「よし、そこに椅子がある。 気をつけろ」

「ああ」

見た目とは裏腹に優しく誘導をする。 筋肉質の男。

見た目で判断するなとはこの事だな。

「何か飲むか?」

「そんなにしてもらって、悪いな」

「こういう時はお互い様だ。 そうだ、ちょっと待っててくれ。 あの事態について詳しい奴が居るんだ」

そういうと、男は足早に小屋を後にする。

「そうか、待つことにするよ」

これで、情報が入る。 俺は両方の意味で安堵した。


お茶を飲みながら待つこと、約十分。

「すいません。 お待たせしました。 こちら、事態のすべてを知る、古川こがわ氏です」

筋肉質の男より歳が上であろう、男。 その男がこの真相を知っているのだろうか・・・

信じるしかないか。

「こんにちは」

「ああ、こんにちは。 貴方ですか、知りたいと言っているのは」

「あ、はい」

「そうですか。 それでは全てを教えましょう」

「お願いします」

すると、その男は徐に話し出した。

「と、いう事です」

俺が先輩から聞いた話とほぼ同じだった。

「大丈夫ですか? 記憶が曖昧と聞きましたが」

「いやいや、大丈夫です。 思い出せそうですし」

まぁただ、寝てて気づかなかっただけだが。

「そうですか。 あっそうだ、丁度、使ってない小屋があったんです。 そこに案内しますよ」

「本当ですか?」

「ええ」


俺は案内されるがまま、古川という男の背中を追いかけた。

すると、小屋のような物の前に止まって、古川はここが使っていない小屋と言った。

本当に小屋といったものだった。 

あるのは木製の机と、ベット、木製の棚。

まぁでも、しょうがないか。

小屋に着いた俺は、疲れたのかすぐ寝てしまっていた。


-次の朝。

外が騒がしい。 この感じはあの時と似ていた。 俺は急いで外に出る事にした。

案の定、そこには化け物。

「出たか。 でも、ここで倒してしまったら、面倒くさい事になる。 どうする」


俺は迷ったが覚悟した。 人の命がかかってるんだ。

助けるのは当然だ。

目の前の化け物はすぐそばまで来ていた。

その化け物は、生物のあらゆる箇所を身体にくっつけているのかと疑ってしまうほど、それは気味の悪いものだった。

圭一は銃を鞄から出し、間合いを取りながらその化け物に近づく。

その化け物が村の人に集中してる間に背後に回った優一は一旦、息を整えて銃を放つ。

化け物は背後からの攻撃が弱いのかその場で力尽いた。

当然、それを見た村人の目線は、怪しい目線へと変わる。

「あんたはいったい・・・」

俺は正直にいう事が解決への突破口だと思った。

「すっすいません。 皆さんに隠していたことがあります。 

僕は化け物を倒す言わばハンターです。 

「被害者でもなんでもない。 あの時は嘘を言って本当にすいません」

こんな言い訳で許されるとは思ってもいない。

だが、それ以上に村の人々は優しかった。

「大丈夫か?」

意外な反応だった。

「え 許してくれるんですか」

「そういう話はまた後だ。 今は皆の無事が先決だろ」

「はい 分かり・・・ました」


早い段階で化け物を止めることが出来たので、比較的損害は少なく済んだ。

それでも小屋は三軒ほど、潰れてしまっていた。

復旧の事もあり、作業は深夜にまで及んだ。

俺は村人から話を聞きたいと、会議室のような場所に案内された。


会議室には村の村長、その下の者であろう村人が数人はいた。

「まぁそこまで堅くなる事はありません。 貴方は私たちを救ってくれたんですから」

村長と名乗る、男が俺にそう言いかける。

「そうですよ。 守ってくれたんですから。 あの時はありがとうございます」

村長の横に居た男がそう言った。

「あっはい」

俺は戸惑いながらもそう答えた。

「それで、もし差支えなければ話してもらえますかな。 どうして、そんな力があるのか」

未来の事、言わば俺の時代の事を言うのは機密事項。 それだけは教えられない。

「すいません。 そういうのは教えれないんです。 でも、一つだけ。 私は貴方たちの味方です。 それだけ、分かってください。 わがままということは十分承知です。 本当にすいません」

「まぁ私たちを守ってくれた事ですから、今回は許しましょう」

「ありがとうございます。 恩に着ます」

会議という名の事情聴取は十分くらいで終わりを迎えた。

俺は小屋に着くなり、ここを抜け出す準備をしていた。

そもそも、俺がここに居る事すら、許されないのだ。

-コンコン

「あっ はい」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ