プロローグ
この世界は一つしかない。
「過去で人が死んでます、大変です、隊長!」
過去と未来。
「大変じゃな、過去の映像を早く映してくれ」
その一つ。
「映しました。 何ですかこれは? 謎の物体が人間を捕食しています。過去にこんな事例はありません」
そして今、過去では目を見張る光景が流れる。
「このままだと、地球は全滅だ」
「でも、過去の事だから、大丈夫なんじゃ...」
「いや、この過去と未来は繋がっている。 私たちの先祖が死ねば我々も死ぬ。 そういうことだ」
「そんな... それじゃ、どうすれば?」
「期待できる新人を送らせて事態の低下を期待しよう」
「その新人というのは?」
「今年の模擬訓練で歴代TOPの成績だったあのルーキーを向かせよう」
「でも、大丈夫なんでしょうか?」
「大丈夫だ。こういう予想外の事態に備えての模擬訓練だったんだ。期待は出来る」
「分かりました。それでは呼んでみましょう」
辺り一面にホログラムのように映像が映し出される、小部屋で隊長と呼ばれる男は徐にそう言った。
焦ってはいなかった。
危険な時代だと、認識していたがそれを物ともしない精神力の持ち主である。
そして、その男が言っている模擬訓練とは一体・・・
過去と未来を繋ぐ物語。
-プルプルプル
丁度、一休みしようとした所で通信用の腕時計型携帯機が鳴る。
これが、自分の最初で最後の大きな試練だなんて、その時は思いもしなかった。