第2話~護衛艦隊出航~
西暦2015年
東南アジアのある国で紛争が発生した。
小国同士の紛争だったはずたが気がついたらアメリカまでも巻き込む紛争になった。
日本政府はアメリカ政府からの要請で紛争国の治安回復のため、海上自衛隊及び陸上自衛隊を派遣する事を決定した。
神奈川県・横須賀港
パラパッパパ パラパッパパ パラパッパパパパパ~
「出航用ー意!両舷前進はんそうー!」
ラッパの音と勇ましいかけ声と共に南米への派遣艦隊が出航した。
『東南アジアで起きた大規模な紛争におきまして、日本政府は自衛隊派遣艦隊を派遣する事が決まりました。最後は強硬採決となりアメリカ政府の言うがままにされたとの声が上がってます!』
港では派遣反対を掲げる団体がいる。
プラカードを掲げて、拡声器で声を張り上げて叫んでいる。
「暑い中、ご苦労な事で」
その様子を甲板で見ていた海上自衛隊護衛艦「しらさぎ」二等海佐菊松康平が呟いた。
「まぁ言い分はわかるよ。最後はアメリカの押し売りだったからな」
菊松のボヤキに対して「しらさぎ」航海長の澤田直樹が応える。
2人は防大時代の同期で今回の派遣で久しぶりに再開したのだった。
海上自衛隊員が甲板で「帽ふれ」の姿勢で立ってるなか、「しらさぎ」のある部屋の中では
「出航しましたね」
「あぁ」
「始めての海外進出ですから緊張します!」
「そうか」
海上自衛隊とは違い、鉄の帽子を被り迷彩柄の服を来てる。
隊員の容姿はみな獲物を飼う猛獣のような眼をしていた。
そんな隊員達の中でもひときわ厳つい男がいた。
その男は5年前に創設された陸上自衛隊特殊部隊「SBT」の隊長。前田秀明陸曹長だった。