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第1話 止まる。

4ヶ月以上更新止めていて、ごめんなさい!!

やっと物語スタートです。


無音の部屋__いつもなら2人の『同居人』がいるが今日ばかりはいなかった

まぁ、いてもいなくても息苦しいのに変わりはない

というよりオレはこの空間がもとより好きではない、ここは自宅と呼ばれる場所なのに・・・いついても窓から隙間風が吹くのに息が詰まってこの空間から逃げ出したくなる


戸締りを確認し、塗装のはがれた鉄製の扉に鍵をかける

腕時計を確認すると、8時15分前・・・走っても間に合わない

俺の頭に『遅刻確定』の文字が点滅する


この街ではおそらく古いというか汚いに入るであろうアパートの階段を駆け下りる

その時、


 カツン


何かの落ちる音がした

足元を見ると茶髪の苦笑しているのか、不貞腐れているのか分からない顔をした少年__オレが写ったプラスチック製の学生証が落ちていた。

あさひ あきら』 と書かれた学生証を急いでポケットにしまい込み、学校へ行くいつもの道を駆け出す


閑静な住宅街を走りぬけ、今日は近道のためにゴミだらけの小道__俗に言う路地裏を抜けようと障害物を避けながら進んでいく

この暗くて長い路地裏を抜ければ街中だ、さらに言えば街中を全力疾走すればギリギリ学校の敷地内に入って校則上の遅刻を免れられるかも知れない


そんなことを考えていると


「ゆ、許してくれっ!悪気はなかったんだ!」


目の前に尻餅をついて必死に謝る男と


「だったら、なぜ貴方はここにいる」


藍色がかった黒髪を太ももにまで伸ばした少女が立っていた

少女も男も顔をこちらに向けていないせいか表情も顔立ちもよく分からない

ただ分かるのは男が少女に対して粗相をしでかしたであろうことだ

おそらく盗撮かなんかでもしたのだろう

それは自業自得だろう

少女に殴られるなり警察に突き出されるなり好きにしてもらえればいい

しかし、彼らの後にオレの目的地である街中があり、さらに到着地である学校がある

どうにか少女を宥めて通り抜けるしかない

意を決して彼らの輪に入ろうとしたその時



  ドスッ



音がした

何かが何かに刺さる音が

そして



「ぐあ・・・」


「あの世でこの世の未練でもなくしてきなさい」



見えた


男の体に『何か』の刺さる影が



  ドサッ



オレが力なく地面に座り込んだとき


やっと見えた


少女の顔が


それはどこか冷たくて、どこか懐かしくて


何よりも印象的だったのは


その端正な顔立ちと


ただただ、オレを『映す』だけの目だった



この時だけは世界にあるすべての時間という見えないものが


止まった気がした__





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