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Lace Edge  作者: 一夏
14/36

14.WEREWOLF

人間狼

かつては、そして今でも時にはそうであるが、人間だった狼。





シーサーがその口の中に、後生大事に仕舞い込んでいた子袋には、用途の分からぬものがこまごまと詰まっていた。


「何したの。」


「いや、犬の形をした飴があってな、」


「……食べたの、」


「……食べました。」


 利人に耳が生えた。尾も生えた。


「犬?」


「狼だと良いなと、思うんだが、」


「……どっちでもいいけど、」


 ふさ、


 ふさ、


 ふさ、


 ふさ、


 ご機嫌宜しくあるらしく、彼の尾は至極大きく振られている。


「ちょっと、」


利人!


「乗っかんないで!」


「ご期待に沿わないといけないかと、」


「嫌。」


「耳と尻尾だぞ?」


ん?


 どうだ、と言わんばかりの大男の顔を、三津はきっちり両手で押し返した。


「口、尖ってるし。手、前足になってるし。」


もう、


「どっからどうみても、イヌ科!」


 触ったら絶交。

 人欠けの人間味もなくなった、かつて利人だった狼はその日の夜明けまで、一人寂しくキッチンに隔離された。勿論遠吠えはきつく禁止されて。



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