テニス対決その2
織田からのサーブでゲームが始まった。トントンとボールを地面に二回ついて構える。拓也は織田に集中してみていた。そして大きくトスを上げた。かなり高く飛んで
「いくぜ!コノサーブはあぶないよ!」
織田も跳びかなり高い打点でサーブをうってきた。
油断していた拓也は一歩も動けなかった。
『こいつやるな……何てむちゃなサーブをうちやがる……』
15ー0
30ー0
40ー0
あのサーブが取れないまま1ゲーム落としてしまった。
『触れる事すら出来ねぇ………何てサーブだ……』
そうすると織田が、
「後2ゲームだね!本気出さないと負けるよ?」
「そ、そうだな。だけど俺が本気を出してみろ!速攻逆転だよ?」
「じゃあやってみなよ!水城君!」
そして2ゲーム目
今度は拓也からサーブで始まる。大きくトスを前に上げる。
「へーぇ。サーブ&ポーチですか。」
拓也は打った瞬間前に出る。これは普通の人ならかなりのプレッシャーになって突っ込んでこないはずなのに、織田はそれをものともせず自分も前に出て来た。多分その時二人は心で思ったであろう。
『勝負!!!』
そのころ静香は体育館でバレーをしていた。
「ナイスアタック静香!」
アタックを決めたはずなのに静香は浮かない顔をしていた。そして静香は叫んでいた。
「拓也のアホー!バカー!」
って感じでね。
多分アタックが決まるのは拓也への怨みをぶつけてるからであろう。そんな勢いで勝ち進んでいったらしい。