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5.精霊の好物

サラは、家族をあまり好きでないだけで、故郷のことはかなり好きなんです。



おどおどしながらコニーについて店に入る。


店に入ったとたん、ララが、

「いいにおいがする。」と呟いた。


恐縮しきっているサラを放置して、コニーはカウンターで店番をしている栗毛の女の子に声を掛けた。


「ハーイ、アネッタ。久しぶり。」


アネッタと呼ばれた少女は、眺めていたカタログから顔を上げた。


「あら、コニーじゃない。いらっしゃい。ここはストリングス商会。煙草、葉巻に輸入家具。輸入品ならなんでもあるわ。もしかして、学院用のコーヒー豆を買いに来たの?」


「うん、そう。そして、こちらはサラ。今年から学院へ入るの。私と同級生。」

と、アネッタにサラを紹介する。

「そしてサラ、こちらはアネッタ。初等学院で私と同級だったの。」

サラは慌てて手を出し、アネッタと握手した。


コニーといい、アネッタといい。都会の女の子はちゃきちゃき喋るし、ませている。

サラは、故郷のゆったりした話し方が少し恋しくなった。


「二人とも、コーヒー豆を買いに来たのよね?あいにく、私はまだお金の扱いはさせてもらえてないの。ちょっと待って、ママを呼んでくるから。」


アネッタがぱたぱたとカウンターから奥へ駆けてゆく。

足音が聞こえなくなるまで見送って、コニーは私に説明しだした。


「これは結構最近分かったことなんだけどね、精霊はすっごくコーヒーが好きなの。だから、精霊を呼び出したり、契約精霊にものを頼むときなんかは、コーヒーを引き換えにお願いするの。」


なるほど。

なぜ、学院に指定された入学前に用意するものにコーヒー豆が含まれているのか。

やっと疑問が解けた。


「ストリングス商会は、コーヒー豆の輸入を最初に始めた商会なんだよ。どこよりも質のいいコーヒー豆を扱ってる。王立学院の生徒ですって言うと、特別に安く売ってもらえるの。ほんとは学生バッジを出して本当に生徒だよって証明しなきゃいけないんだけど、アネッタのママは私が王立学院へ行くことを知ってるから、大丈夫だと思う。」



しばらくしてやってきたアネッタの母親は、春の日差しを連想させるような柔和な人だった。


コーヒー豆の種類から何からとても丁寧に説明してくれて、コーヒー初心者のサラにも分かりやすかった。

サラは、ララが「これ!これ!」とパントマイムで必死に伝えてきた種類の豆を買うことにした。

自分の存在を私以外に悟られずにサラへ希望を伝えることに成功し、ララはたいそうご満悦だった。


アネッタの母親は、ケイシーという名前らしい。

コニーとケイシーは、しばらく互いの家族の近況について話していた。


アネッタがカウンターから身を乗り出してサラに囁く。

「入学おめでとう。うちはちょっとした小物なんかも売ってるから、ぜひ買いに来てね。友達価格でお安くしとくわよ。」

そして、ばちん、とウインクした。


茶目っ気たっぷりのアネッタに、サラの口もほころぶ。

「ありがとう。ぜひ来させてもらうわ。」


「ぜひそうして。こんど、コニーと三人でお茶しましょ。」


首都に来て、二日目。

さっそく二人目の友達ができてしまった。

普通のスクールライフを送れる気配は近い。

実は、「夫婦喧嘩は犬も食わない」と同じ世界線の話でした!!!


ここまでお読みいただきありがとうございます。

サラたちの冒険はまだまだ続いてまいります。

この連載を良いなと思った方は、評価等頂けると大変嬉しく思います。


前作のほうにもぜひ足を運んでみてください。


夫婦喧嘩は犬も食わない。では、そのうち片方はワンコである場合、どうすればいい?

https://ncode.syosetu.com/n1552lw/


この作品は、前作と比べて長期間の連載を予定しております。

ぜひ、最後までお楽しみください!

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