第一話 草薙昂輝 指名される
初投稿です。
原案はパワプロ2024です。
2026年10月某日 グランドプリンスホテル新高輪 ドラフト会場裏手
「今年も負けてしまったなあ。」そう俺、”池山隆寛”は声を漏らす。
「監督のせいではないですよ。私らコーチの指導不足です。」
すると、隣にいた青木宣親バッティングコーチが謝ってきた。
「だが、二年連続最下位は、監督である俺の責任だろ。こんな俺をまだ雇ってくれるヤクルトには感謝しきれないぞ。」
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補足 ヤクルトスワローズの成績
2025年 池山監督(1年目)57勝83敗3分 6位
2026年 池山監督(2年目)62勝80敗1分 6位
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「しかし、我らヤクルトの弱点は分かり切っています。」そう言ったのは石川雅規ピッチングコーチだ。
「ああ、だから今年は必ず彼”草薙昂輝”を取るのだ。」そう俺は言った。
「”草薙昂輝”というと、高校生離れした変化球の切れを持ち高校球界で”怪童”と恐れられていますからね」
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草薙昂輝
その名を知らない野球ファンはいないだろう。最速148kmの直球を軸にカーブやフォークで三振の山を甲子園に築いた。既にヤクルト・ソフトバンク・ロッテが一位表明をしており、野球界の新たなスター候補として期待されている。
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「まもなく入場なので待機をお願いします」スタッフに言われ俺らヤクルト首脳陣はドラフト会場へ歩みだす。
「それでは、まずは各球団の入場です!それではどうぞ!」
10分後
「二回目でもやっぱり緊張するな」俺はつぶやく。「球場ではあんな近くで見られませんからなあ」
青木コーチが返答する。「それでは、彼を指名しますかな」そう俺は言いドラフト用紙に”草薙昂輝”の名前を書いた。
数分が経ち、ホールに声が響き渡る。
『それでは、これよりドラフト第一順指名選手の発表です。
東京ヤクルトスワローズ…草薙昂輝
埼玉西武ライオンズ…○○××
広島東洋カープ…草薙昂輝
東北楽天ゴールデンイーグルス…△△○○
阪神タイガース…○○××
福岡ソフトバンクホークス…草薙昂輝
読売ジャイアンツ…草薙昂輝
オリックスバファローズ…○○××
中日ドラゴンズ…○○××
千葉ロッテマリーンズ…草薙昂輝
横浜DeNAベイスターズ…××□□
北海道日本ハムファイターズ…△△○○』
「何、5球団競合だと…何のための先行公表だよ…」俺は驚いた。
だが、こうなってしまっては仕方がない。「よし、行ってくるか」そう言って俺は席を立つ。
俺は最初にくじを引くことになった。(これだ!)俺はくじを引く。
そして、俺は元の場所へ戻る。
ロッテのサブロー監督がくじを引き終わった後、『それでは確認してください』
そう放送された。そして俺が引いたくじには、「当たり」の文字が書かれていた!
俺は衝動的に腕を高く上げる。すると、ヤクルトファンだろうか、「うおおおお!!」そんな声が聞こえてきた。そして、インタビュアーが近づいてくる。
「池山監督、現在のお気持ちいかがでしょうか?」
「いやあ、最高の気分ですよね、これ以外に言うことはないです。」
「では、草薙選手に何か一言お願いします。」
「草薙君、ヤクルトスワローズと共に栄冠を掴み取りましょう!以上です。」
「ありがとうございました、こちら5球団競合を引き当てた池山監督のインタビューでした」
こうして、始まったドラフトだが、結果としてだいぶ良いものになったのであった。
同日 T県○○高校
俺、石塚は、友人の草薙のドラフト会議の様子を隣で見ることができた。
「うおおおお、3球団目だぞ!」俺だけではないこの学年全員が彼の勇姿を見届けていた。
どこへ行くんだろうな、そんなことを思っていると遂にくじ引きの時間が来た、
結果は、ヤクルトスワローズだった。
「おおおおお。」折角の指名だったが、あまり喜べなかった、なぜならヤクルトといえば、投壊、怪我多発、二年連続最下位と、ピッチャーの草薙にとって良い環境とは言えなかったからだ。まあ、当の草薙は全く気にしていなそうな顔だが。
ドラフト会議後
「草薙、おめでとう。」俺は一言告げる。
「ああ、ありがとう。だけどヤクルトに決まった瞬間嫌そうな顔したよな」
気付かれていたのか、
「だって、あのヤクルトだぜ」
「そんなの分かってる。だけど、俺はその逆境を超えてこそ強くなれると思っている。あのヤクルトを優勝させれるようなピッチャーになって見せるんだよ!」
常人にはない凄い信念だ。だがあいつは確かにピンチの事こそチャンスととらえるタイプのやつだからなあいつらしいかもしれない。
「そうだな、俺はお前の活躍楽しみにしてるからな」俺はそう言い、彼と別れた。
だが、俺は知らなかった。彼が日本を代表する投手になることを。
次回、入団会見そして、オープン戦です。