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ニセガネ ※重罪b


「正直意味が分からないのですが。これはニセガネではないのですか?」

「ちょ、ちょっと滅多な事言わないでよ。それは本物の500エピ銅貨を銀で作り直したんだって!!」


 俺は思わず大きな声を出して、店中の注目を浴びてしまう。


「???」

「しーっお客さん声が大きいですよ。いくら純銀でも元々銅貨の物を銀にしちゃったらダメでしょう。それはもう偽金だよ、あんたまだ若いから忠告するが、偽金作りは重罪縛り首だよ。今変な偽造団が暗躍してるんだからさ、この事は私の胸にしまっておきます。他に身の丈に合った注文はありませんか?」


 純銀製の500エピ銅貨は返され俺は一瞬激怒しそうになったが、小市民なので何も言えなかった。


「じゃあ一番安い料理は?」

「おつまみシェフの気まぐれダンジョンきのこ炒め、一本激安25エピですが」


 師匠の所で俺が毎日食べてた奴!! と、一瞬激怒しかけたが、主人はそんな俺の事情知らないだろうし腹が空いてたんで頼んだ。

 ポリポリポリ……

 一瞬で血と汗で勝ち取った25エピを失った。



「発想は良かった、間違いじゃ無かった。ただ銀化する対象が間違いだった!!」


 俺はふと、道端に落ちている小石を拾った。


「これだっ!! 取りあえず小石を10個くらい銀化して豪遊しよう!!」


 シャキッシャキッ!!

 俺の掌の中でただの小石が純銀に代わって行く。



「主人、今度こそコレで頼めるだけ……」


 俺は懲りずにレストランの主人に純銀のつぶてを見せる


「またアンタかい? 悪いがこれは受け取れ無いよ。いくらになるかも分からないし、もらっても使い道が無いよ」


 うおーーーっ!? 融通利かん過ぎだろがっっ!!

 カタッ

 俺は暗い顔でレストランを出た。けど偶然、向かい合わせの店の看板が視界に入る。


「マリのアクセサリーショップ……これだっ!」


 なんだか相手が女なら上手く言いくるめる事が出来そうな気がする酷い俺。

 カランッ


「いらっしゃいませ!」


 マジか勝った……入った店の主人は俺と同じ年くらいの女の子だった。


「あの……店員さん君がマリちゃん? 他に大人の店員さんはいる?」


 キョロキョロッ

 俺は激しく店内を物色し、笑いをこらえながら聞いた。

 ピシィッ



 ー不用意な質問は彼女を激しく警戒させたのでございます。


「え、ええ屈強な戦士の兄と共同経営しているの! 今はちょっとおトイレに行っているけど、すぐに戻って来るわ!」

(怪しい……怪し過ぎるわこの男の子! 兄なんて居ないわよっ)


 え、屈強な戦士の兄がいるの? 早くしないと……

 ゴソッ

 俺がポケットに手を入れると、何故かマリはビクッとする。


「コレを、この銀を買い取って欲しいんだっ!!」


 俺は両手の上の純銀の粒を見せた……

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