出撃隠密作戦! 神殿の小島a
「ヒイラギ、君の高い能力をかって太守に任命したんだ。私事で作戦に参加するとロクな事にならないぞ!」
おいおい何アルフレッド急に厳しめな事言ってるんだ、この子は俺の……何だっけ。まあいいや。
「やめてくれよヒイラギちゃんを責めないでくれ! 私事と言えばアウレリアーナ様はちょっと里帰りしたいだけでついて来るし、そもそも代官親子を救出に行くのも俺の私事じゃないかっヒイラギちゃんだけを責めるのはよしてくれ。分かったヒイラギ一緒に行こうよ!」
「まあっ何ですって!?」
「ユリナス様……うれしい」
イカン、勢いでアウレ姉さんを批判してしまった。後で思いきり機嫌をとろうっと!
「まあ良いじゃない、結局何でもユリナス頼みなんだから彼の……えっとガールフレンド? のヒイラギちゃんも連れて行けば良いじゃない」
「単なるメイドじゃ」
「単なるメイドです!」
師匠とファニーとはフィアンセと言ってしまっているし、ヒイラギちゃん俺の事好きなのかな?
チラッ
うっ二人して目が合ってドキッとしてしまう。別に急にハッキリさせなくても良いよな。
「何を学生さんの様に恥ずかしい展開してるんだ? 好き同士なら俺達みたいにすぐに結婚すれば良いじゃないか」
「それはそれで味気ないと思うけどな」
「え?」
いくら何でもアルフとシャリィは若い身空で早く結婚し過ぎだよ。将来もっと可愛い子が出て来たらどうしよう? とか思わないのかな。
「私達愛し合ってるもんね~」
「う、うん」
聞いてるこっちが恥ずかしいよ。
「王様うるわしい夫婦愛なのじゃ、それはともかく作戦の日取りは三日後、まずは地元民の情報ではゼブランドとアルパカインの境界の海にある神殿の小島に潜み、そこから出撃する事にすれば良いのじゃ」
興味無さそうだな。
「おお神殿の小島は聖なる場所ゆえ中立地帯、そこから出撃すればバレないでしょう。よしユリナス決まった通りにお前が全部段取りせよ!」
ビシッてアルフレッドも何かしろよ……
ー三日後、ヒューゲルハーフェン水門砦
まずカーミラーから代官夫妻の監禁場所を聞いた後、俺は砦城と水門砦をあわただしく行き来し、隠密救出作戦の段取りをした。そしてヒイラギちゃんとアウレリアーナ様は、陸行だった前回のゴブリン達と違い、水門砦を押さえた事でほとんどの移動をオーガ川を小舟で下って水門砦のあるオーガ湾に出たのだった。凄くラクチンな行程だったぞ。
「うむ良く来たな、船の用意は出来ておる。今回はミケレーベンの船で行く事にしたぞ」
「僕はゴブリン達とこの水門砦を守っておく事にしますよ」
 




