おもてなしダンジョン
ー次の日になったので御座います。
「よーし僕達PTの初めてのダンジョン探索だぞ!」
「初めてはもっと簡単な所にしない?」
「何を言うんだっ僕達には君という頼もしい仲間がいる」
「そうだよっ皆が居れば大丈夫!」
「ユリナス行こ」
にこっ
って言葉は前向きで良いんだけど、根拠無い自信と急に俺頼られても不安しか……しかし、昨日の下準備があるから大丈夫!
ザッザザッザ
ーハイザン廃鉱山第1層
シィーーン
「なんだこりゃあ」
「うわっ」 「ヒッ」
入った途端に一面のモンスターの死体……それに俺の難を逃れたコウモリ系やアンデッド系がごく少数ウロウロしている状態であった。
「うわっアイテムがゴロゴロしてるよっ!」
わざとらしい俺。
「最初から死んでるモンスターのアイテムなんて不気味よ」
「腐ってるかも知れないわ」
「いや食べ物じゃ無いし、布とか金属でしょ!?」
「遺体から物を剥ぎ取るなんて出来ないよ!」
普段やってる事でしょーっ! とか言いつつ俺達は下に降りた。
ザッザザッザ
ー第2層
「ホッ普通にモンスターがうろうろしているぞ」
「しかも心配していた石系や鉱物系が一切いない! ていうか既に死んでる」
「アンデッド系ならまかせて……」
スチャッ
レミランがステッキを握って戦いに走って行く。コラー気を付けてー。
「ギャーーッ」
しかし一応Bランクのレミランの広範囲回復魔法でバッサバサアンデッド系が倒されて行く。本来なら石系等に苦戦する所が、上手い具合に相性バッチリの敵ばかり出て来てボーナスステージの様相を呈していた。
グサッ!
「ここのはアンデッド系でも幽体と違って、身体がちゃんとあるからやりがいがあるよっ!」
レミランが撃ち漏らした敵をアルフレッドが切り裂き、ちょっとズルいが俺とシャリィが殴ってトドメをさして行く。
ー第3層
昨日点検してあったので目立ったトラップ等も無く、俺達はサクサクとダンジョンを進んだ。
「こんなやりがいを感じる戦闘は初めてだよっ!」
「なんだか私達向きに敵の出現が調整してあるみたい!」
ドキッするどいな……
「ううん、全部ユリナスがいるからだよ」
レミランなんていい子なんだ正解だけど。心の中で青い女とどっちが良いか浮気心が出てしまう。まあ……俺の中での勝手な話だけど。
「鉱物系はやっぱり勝手に死んでくれてたけど、3層のアンデッドは微妙に強くなっている。皆、油断しないでくれ!」
「ああそうだっさすがユリナスだなっ!」
「その通りよっ」 「うん……」
じゅ、従順だな。そんなに頼られても何か怖い。
「凄い、ミイラの香木だわっ高く売れる!」
「よし結構色々アイテムが貯まって来たな」
「高く売れそう……あっアレを見てミミックよ」
レミランが端っこに隠された宝箱を見つける。もうミミックって決め付けてるんだ。しかしコイツには嫌な記憶が。ミミックには特に弱点は無いが逆に絶対に効かない攻撃も無い。




