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か、海軍の出動!?


「は、はい!」(ユリナスを刺激しない様に、後ろからゆっくり行こう……)


 そうして兵五千がゼブランド城から出陣した。

 ドドド



 ー次の日の夜

 ホーホー

 村長達から歓待(かんたい)を受けたグサー達と兵士達は安心しきって眠っていた。そんな夜の時、ジャラーは一人トイレに起きていた。


「ふ~~」


 カサッ


「?」


「ここだけの話だ良く聞け、昨日城から兵五千が出た。今夜の内にもここに着くらしい」


 何者達かのヒソヒソ声が聞こえ、ジャラーは耳を澄ました。


「するってえと?」

「勝手に県令を名乗ってるアルパカの連中を排除してくれるらしい」

「良かったじゃないですか」


「シッ声が大きい。だから俺達が先に県令達を捕らえて首を取ってわたしゃ褒美が出るって寸法さっ」

「なるほど!」

「クワ・カマ・ヤリとか準備して集合をかけろ!」

「へい」


 ガサガサ……

 足音が遠ざかって行く。それを聞いてジャラーは慌てふためいてグサーの部屋に向かった。そうして仲間や兵達を密かに起こし、今聞いた話を教えたのだった。


「ヤバイねえ、あんな笑顔で歓迎してくれてたってえのに、今度はクワで襲うのかい?」

「クワで殴り殺されたら痛いだろうな」

「とにかくどうすんだよ?」


 皆は一応県令になったグサーを見た。


「アルフレッド王さんは村人に剣を向けるなって言ってたよ、だからここはシッポ巻いて逃げるしか無いねえ」

「兵士の50人隊長さんはどう思うね?」

「俺もそれに賛成だ。たとえ村長達を倒したところで兵五千がくれば圧倒される、今は逃げるべきだな」

「じゃあ決まりだぜっ!」


 そういう訳で話は決まり、ジャラー・トゲー・グサーと兵士達は密かに村を脱出した。


「逃げたぞ!」

「ぶちのめせっ!」

「殺せーっ」


「ヒィーーーッ!?」

「攻撃しますか?」

「いやひたすら逃げるんだよ!!」


 ほわんほわんほわ~ん



「という訳なのさ」


 グサーは両手を広げた。そ、そんな事があったのか!?


「グサー、君がそんな危険な目にあってたなんて。本当に無事で良かったよ!」


 俺は本心から彼女の身を案じた訳だが。


「ヒッユリナスさんってば急にアタイの事を女として見始めたよ!」

「グサーの顔が可愛いとバレた途端だもんな、これだから野獣と呼ばれるんだよ」

「誰が野獣だよ!」

「ヒイラギさんの次はアタイかい?」

「もう止すのじゃ」


 師匠が怖い顔でにらむとジャラー達はぴたっと止まった。ヒイラギちゃんこそ師匠と慣れて来たけど、こいつらはまだまだ師匠が怖いんだな。


「師匠さまこれは一体どうするべきだろうか?」


 アルフレッドはまた自分で考えずに師匠を頼ろうとするが、逆に師匠は深々と頭を下げた。もう慣れっこになったけど、初期の師匠じゃ考えられないよな。


「ワシの見込みの甘さが招いた失敗じゃ。グサー達の命に別状が無くて良かったのじゃ。まずはこのワシを解任して下され、その上で謹慎(きんしん)しますのじゃ!」


 エ、何を解任するの?


「師匠さん見て、アルフレッドが凄く困っているわ!」

「頭をお上げ下さい、私にはまだまだ貴方が必要です。どうぞこれからも指導して下さい」

「分かったのじゃ!」


 はやっ

 しかしアルフの奴師匠の両手を触らなくて良いのに、ぎゅっと握りおって!


「離して、この方は俺の師匠兼フィアンセですから!」

「これ、私事の事を口出すでないわっ」


 とかいいつつ久しぶりにフィアンセと言って、師匠喜んでいるなフフ。


「さっきはグサーに色目使って今度はリリー様かよ、まさに野獣」

「だねえ」



 パンパン!


「はいはい、話を進めるわよ!」

「そうですこの後どうしますか、我らも兵五千で出兵しますか?」


 いや自分で考えろよ!!


「もう向こうは恐らくイバラを出して来るのじゃ! それに兵五千を出してなんとか勝っても相手もまた逐次投入してきて泥沼化して来ますのじゃ」


 兵力の逐次投入ってやっちゃダメなヤツなんだよな!


「泥沼化してから勝ってもダメなのか、じゃあ最初から1万くらい出しますか!?」

「それもダメじゃ、城が空になるとアルデリーゼの方が危ないのじゃ」


 俺達ジリ貧じゃん!


「それはいけないわよねえ」

「どうすんですかい?」


 発言権の無いジャラーまで聞いて来た。


「じゃあ俺が光の剣の炸裂弾で1万人くらい虐○すれば勝てるか……」

「やりたく無いのじゃろう? お前はイバラを倒すだけで良いのじゃ」


 師匠、やっぱり俺の事分かってて優しい。


(ユリナスの奴が急に鬼になって敵兵を倒してくれれば簡単なのになあ!)

(ユリナスってば急に闇落ちしないかしら?)


「二人して何俺の事アブナイ目で見ている?」

「何も無いが」

「何も無いわよ」


 にこっと笑うけど疑わしい。


「もし東西から急に攻められたりしたら、俺も師匠も鬼になって敵兵に何でも撃ちまくるよ!」


 師匠の場合は鬼って言うかドラゴンになって……



「新王よ、このワシに発言権があるならば、献策してもよろしいじゃろうか?」


 何とゆう腰の低い師匠、涙が出るよ!


「言って下さい」

「海軍にゼブランド北の玄関とも言うべきヒューゲルハーフェン港を攻撃してもらうのじゃ」


 へ、海軍て何?


「リリー様、我らに海軍などは」

「そうだよ師匠って……もしかしてあの人達に!?」


 師匠はにこりと笑った。

            海      海

            ↑       ↑

   海       (北)HH港  (北)銀竜村&洞窟

   ↑         ↑      ↑

(西)アルパカ王国←ゼブランド王国←カピパラ王国→海


お読み頂いてありがとう御座います。各位置関係です。

何か急に地形が変わった気もしますが、最初からこんな地形でした!

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