ゼブランド境界線あらそいb
「そんな事して大丈夫ですか?」
「敵も前の撤退のショックがあるだろう、すぐには動くまい」
「動くまいって希望的観測ですな」
「やらねば許さんのじゃ!」
リリーは牙を出して怒った。
「ちょっと待って下さいリリー様、これは志願制ですよ。嫌なら当然拒否してくれ」
そうして三人は顔を見合わせた。
「面白いねえ、それアタイがやるよ!」
「俺達は護衛って事で後ろからささえるぜ」
「ほう女性か、それも良いじゃろうのぅ。しかしそのファッションはダメじゃな」
「いきなり呼んでおいてリリーさん失礼よ!」
ぴっ
しかしグサーは掌を出した。
「ちょっと待っててな」
スタスタ
そのままグサーは姿を消したかと思うと、奇抜なメイクを落として来た。
「顔は悪くない様じゃ」
「これがあるんだよ」
ぱっさ
彼女はいきなり清楚な黒髪のカツラを被り、さらに眼鏡を掛けた。
「ゲゲッもう君は真面目な社会人にしか見えないよ!」
「本当です、凄いですー!!」
「まあ良いじゃろう、それで50名程の兵を付け、村長の会議に出動するんじゃ!」
「分かったよ、やってみるよ」
という訳でグサーを女性県令として少数の兵達と共に出動して行った。
ー砦から東面の村々
「という訳でこれからは私が貴方達の県令となります。ゼブランドの圧政に苦しんで来た方々にはもう安心して下さい」
シィ~ン
村長達にすれば、一時的に空白地帯になって喜んでいた所に歓迎出来ない客であった。しかし兵50名を連れ、逆らえばどうなるか分からず、この女性県令に賭けるしか無かったのだった。
「へ、へい、これからは真アルパカの新王様に忠誠を誓います。どうぞ善政をお頼みします」
「へへー」
代表の村長が頭を下げると皆が従った。こうして順調な滑り出しに見えたが……
ーゼブランド王宮
「大変で御座います王様っ東アルパカの連中が、我らの領土に勝手に県令を置きましたぞっ!」
ガタッ
王様は怒って立ち上がった。
「なにぃ!? 先の戦闘からまだ日も経たぬ内になんという浅ましさよ!」
「王様ぁ~ん、こういうのは最初にガツンと言わさないと舐められちまうよ」
横からすっかり愛人になったコールディがしなだれ掛かった。貴族達は白い目で見ているが。
「うんそうだねえそうだね、お前の言う通りだねえコールディ」
王様は美貌のダークエルフにすっかり骨抜きにされ、姫も困り果てていた。
「よしイバラちゃんも出撃だよ!」
「う、うん」(ユリナスが出て来たらどうしよう)
「よし、兵五千とイバラちゃん出陣せよ!」
ビッ
王様は勢い良く指をさした。
すいません書いてる人間が頻繁に地理の西と東を間違ってしまっています。
正しくは↓こうです。
海
↑
海 海 (北)銀竜村&洞窟
↑ ↑ ↑
(西)アルパカ王国←ゼブランド王国←カピパラ王国→海
その内の↓アルパカ王国が
(西)アルパカアルデリーゼ (東)アルパカアルフレッド
に分裂しています。