ゼブランド境界線あらそいa
「どこにグサーがいるのさ?」
俺はモヒカン頭に奇抜なメイクの面影を探した。
キョロキョロ
「さっきから何言ってんだいユリナスさん?」
カポッ
唐突に眼鏡の少女が髪の毛を脱いで驚いた。いやカツラか? その下からしなびたモヒカン頭が出て来たぞ。さらに眼鏡まで取り去るとメイクは無いが完全にグサーだった……素顔が可愛いなんてウソだろ。
じー
「さっきからどうしたユリナス?」
「やだねえユリナスさん、アンタまた部下を毒牙にかける気かい? 犠牲者はヒイラギさんだけにしときな」
人聞きが悪い!
「あらユリナスそんな事してるの?」
「シャリィ違うって!!」
「もう良い、話を前に進めるのじゃ」
師匠にしかられた。嫉妬か?
「それで県令の仕事はどうなったんだねグサー君達!」
え、県令? そうかこの三人が県令してたのか。
「へ、へい王様聞いて下せえ」
そうして以下、俺がいない間の話が始まった!
ほわんほわんほわ~ん
ー俺がカピパラに行った次の日
「はぁ~ユリナスもいないし次はどうすれば良いのかなあ、ぼ~っとしておくか!」
「少しは自分の頭で考えなさいよ!」
どバシッ
シャリィに突っ込まれるアルフレッド王であった。
「前にも言いましたが、村々の村長の上に県令を置き、少数の兵をおいて支配を固めるのがよろしいかと」
「そ、そんな事勝手にして良いの?」
「良いのですじゃ。地図には国境線が敷かれてあっても実際には何もありません。サラミをスライスして行く様にちょっとづつ支配権を固めていけば、いきなり大規模な戦争を始めて相手に対抗されるより、敵が気付かない内に領土が増えて行くというセコイが有効な策ですじゃ」
新王の目の色が変わった!
「素晴らしいさすがリリー師匠さまだっ早速ソレをやろうよ」
「なんだか本当にセコイ技ねえ、畑の境界争いで相手が寝てる間に線を描いちゃう様なものねえ」
「国同士には裁判所も正義も何も無いですじゃ!」
「リリーさんってば恐ろしい方ですよ!」
ヒイラギは何故か低い胸を張って自慢した。
「しかし県令はどんな人選が良いだろうか?」
「2万も兵がいるし、その中から屈強なのを選んだらいいわね」
「ダメじゃ、兵だと村人が恐れるであろうな。かと言ってひ弱な文官では舐められるであろう、よって冒険者上がりのジャラー達の様な者が適任かと」
「なるほど!」
そうして新王はジャラー達三人を呼び出した。
「なんでごぜいやしょう?」
「うむ他でも無い、君達の誰かに危険な東面のゼブランド領内の村内に勝手に侵入し、県令を名乗ってもらいたい」
ポカ~ン
ジャラー達は開いた口が塞がらない。
すいません書いてる人間が頻繁に地理の西と東を間違ってしまっています。
正しくは↓こうです。
海
↑
海 海 (北)銀竜村&洞窟
↑ ↑ ↑
(西)アルパカ王国←ゼブランド王国←カピパラ王国→海
その内の↓アルパカ王国が
(西)アルパカアルデリーゼ (東)アルパカアルフレッド
に分裂しています。