造幣工場稼働!
本来なら泊まって見守るべきなんだけど、砦城も気になるしお言葉に甘えちゃって帰る事にした。
ピラリラリ~
ー次の日
時間によゆうを持って、午後に再びマリの館を訪れた。今日はファニーもネリスさんもいないぞ!
「はい、ご注文の最初の五千エピ銀貨初回ロット8枚に五百エピ銀貨初回ロット8枚、おまけにそれを使って作ったお金の生えた木状態のそれぞれ二本、渡すわよ!」
す、凄い! 本当に枝からコインが生えている。
「つまりこれをポキッと折って収穫するんだね?」
「はわわやめーーい!」
シュバッ
渡したばかりのお金の生えた木を奪われる。どうして?
「それを折っちゃダメ。それを原型に砂型にはめて量産するのよ! 鋳造した物の方を折って行くのよ、良い、複製の複製を繰り返しちゃダメよ? とにかくその最初の一本を大切にしてね」
ふむふむ、複製の複製はダメか。確かに画像がボヤけて行くよな。
「わかったよ!」
「それとバリをちゃんと削るのよ?」
「バリて?」
「その枝の部分よ、銀が流れて行く余分な箇所よ! そこを綺麗に削り取ってね」
「職人のコダワリだね、分かったよ綺麗に削るよ。でも本当に有難う。お代はどのくらいが良いかな?」
マリの事だ、とても少ない額だろうな。
「そうねえ、この館全体を純銀に変えてもらおうかしら?」
「え?」
「嘘に決まってるでしょ! 早くそれを持ってアルフレッド君に見せてあげてよ」
「うん! じゃあねまた来るよ」
これは出まかせじゃなくて、ファニーから職人を借りないといけないから、またすぐに来る事になる。その時にお礼を渡そう……
ー真アルパカ砦城(東アルパカ)
「これを見てよ、マリに頼んでた最初の銀貨8枚づつが完成したんだ!」
俺はアルフレッドやシャリィや師匠に見せて上げた。相変わらずヒイラギちゃんはあんまり出て来ない。
「ほえ~良く出来ておるのぅ」
「凄いわ、本物のお金みたい!」
こらこら偽金みたいに言っちゃダメ。
「本物になるんだよ、これから……」
「こ、これはまさしく父上の肖像、こんな小さなコインにしっかりと父上のお姿が、ううっ」
アルフレッドは出来たばかりの五千エピ銀貨の亡き父の肖像をみて、涙してくれた。マリは凄い子だな。
「気に入ってもらえたみたいだね」
「気に入るどころじゃ無いよ、君が美少女なら抱きしめてキスしたいくらいさ、しないけど!」
え、どういう例え? 俺もしたくないよ。
「アルフレッド?」
「い、いやあハハ」
「それとこれを見て!」
俺はコインの生えた木の原版を見せた。
「す、凄い、まるで魔法の様だ」
「これをこうやって収穫するのね?」
ポキッ
シャリィは無造作に一枚もぎ取った。
「あっギャーーーッ!? それ折っちゃダメな奴」
「へ?」