銀貨複製、地味過ぎる戦い!!
「インチキって何だよ、ここには味方しかいないから正直に言うけど、俺は物を銀に変えるだけで、複製とかそういう事は出来ないからな!」
「わらわはユリナスの味方ぞ?」
「わ、私も一応味方なんですね、嬉しいです」ボソッ
しかしマリはうなだれて両手を広げた。
「あきれたわ~複製出来る訳じゃないのね? それで2万人いる兵士にある程度配るとなると血を見る様な地獄になるわよ」
そうだよな。
「とにかくマリにこさえてもらった原型を型にはめて、粘土で複製してから銀化して行くって案と、最初から鋳物として俺が作った銀を溶かして流して複製するって案があったんだけど……」
「ハァ~貴方よっぽどバカなのねえ? 粘土で作ってたら一体何枚銀化しなきゃならないのよ? それに私銀細工師として、粘土から銀化させるのってどうしても納得出来ない! 貴方のインチキで作った銀を鋳型に流し込む方式しか協力しないわっ」
一体どういうコダワリか分からないけど、マリにヘソ曲げられたら先に進まないな。
「分かりました先生! 貴方の言う通り俺や師匠が作った銀を鋳型に流し込む方式にしますので、最初の原型を作ってもらえませんか? それと」
「何故にそこまでヒクツなのじゃ?」
「彼女を動かす為の作戦ですよ?」
「余計な事言わない!!」
「何か引っ掛かる部分があるけど、超特急馬車で作るわ!」
「わ~い、じゃあわらわ達はソラで空を飛ぶのじゃ!」
「私もシッポに乗ります」
「よし来た!」
「いいわ【尽きぬ銀貨】を貸しなさい! 出来上がりの王様の肖像がカカシとかになるかも知れないけど」
マリの顔が怖い!
「分かりました。三角座りで待機します!」
「エ~」
「私三角座り好きです」
ー3時間後
「ハァハァ、超特急馬車で有りあいの石こうから原型を作ってみたわよ」
マリの手には大小二個の白いコインの原型が握られていた。大きい方は前アルパカ王国の五千エピ銀貨と同じ大きさに作られている。500エピ銀貨の方は、明らかに材料の銀の値段の方が高いという損な作りになっているぞ。でも今は仕方が無い……圧倒的に溶かされて悪用されそうだけど。
「よ~しこれを早速銀化してみよう!」
「わくわくするのぅ」
「待ちなさい! 私の目の黒い内は粘土からお金は作らせないわっそれを砂型に入れて型を作るから、そこに貴方がインチキでこさえた銀を溶かして流し込むの!」
結局同じ事じゃん、マリがここまで謎のコダワリを発揮するとはな。
「もうマリさんを気絶させて私達で複製しませんか?」
「ププッピ城内には職人が沢山おるぞよ」
「聞こえてるわよ!」