造幣、すぐ再会……
「それは銀竜の洞窟に落ちているダミーアイテムですじゃ」
「冒険者の間でブームになってプレミア価格が付いておる。それを原案にするのじゃ!」
「おおっ師匠様の地元に関わる物ならばちょうど良いですね、それでお願いするよ!」
こうして尽きぬ銀貨を元にする事が決まったが。
「まずは5000エピ銀貨と500エピ銀貨を作りますじゃ。五千エピ銀貨は、アルパカ五千エピ銀貨と同質、同量ですじゃ。ゆくゆくはこれを交換出来るようにしたい所じゃな」
俺達が作った銀貨がアルパカの貨幣と交換? 凄い感慨深いなあ。
「うん良い計画だね。それをまずは兵士達の給料に配るんだね」
「そうですじゃ、いざとなれば純銀の価値はありますから、ゴミでは無いですじゃな」
「でもその尽きぬ銀貨の上に数字書いたりしないといけないわねえ」
するとアルフレッドが恥ずかしそうに言い出した。
「500エピ銀貨の方はそれで良いけど、五千エピ銀貨の一面には父上の肖像を刻印してくれないだろうか? 難しいかな」
「そうか、アルジェシュナイジェ真王国を名乗る以上、それが良いと思うよ!」
「決まりじゃな」
「けど誰がそんな複雑な事出来るのよ? 私工作は下手なのよねえ」
「わたくしもですわ」
じーっ
全員一斉に俺に視線が向いた。あの子しかいないじゃないかっ。
「マリに頼んでみるよ!」
「ちなみに造幣局はマリの館とここの地下牢にするが良いじゃろうか?」
アルフの奴の顔色が変わる。
「うっあそこか? 僕はあそこには行きたくないから丁度良いよ」
「私も~」
師匠ナイス、二人が地下牢嫌いな事を見越して……
「とにかくアルフレッド、造幣の様子は誰にも見られたくないから見張りを厳重にして欲しいんだっ。見張り自体も俺達の事は見ないで欲しい!」
ジトッ
三人の顔が俺達を不審の目で見る。ちなみにヒイラギちゃんは部屋にこもったままだ。
「な、なんだ?」
「なんだかますます」
「白鳥の恩返しみたいですわぁ」
「確かに!」
うっ言われて見れば。
「でも決して覗かないから心置きなく造幣してよ!」
「分かったよ!!」
ーカピパラライン、マリの店
「と、言う訳で戻ってまいりました!」
マリは軽くコケた。
「ちょっと、貴方なんだか決意の旅立ちみたいな別れしたばかりよねえ?」
「俺もかなり恥ずかしいよハハハ」
「わたしも恥ずかしいわよっ」
「浮気は許さぬぞっ」
「ネリスもおります」
ビクッ
居たのか!? という訳で俺は事情を話した。師匠は地下牢で岩や石を銀に変えまくっている。
「へぇ独自貨幣の図案ねえ? それを元手にインチキするのね」