■104■ 帰還したら、衝撃……
ーアルジェシュナイジェ真アルパカインゼット王国
一瞬で着いた。皆泣きながら俺の事を迎えるんだろうな……
シュタッ
もはや日の落ちた夜でも建国したばかりの新王は政務をこなしている様だ!
「ユリナス、ただいま帰還しましたっ!」
ビッ
俺はアルフの執務室に舞い降りると美しく敬礼した。
「あ、ちょうど良かった。手が離せなくてそこの紅茶を取ってくれないか?」
え?
俺は無言で紅茶を渡した。
カチャッ
「あの俺同盟成立させて来たよ!」
「あーあーそれなら既にドルフィンナーゼとも成立したから!」
え?
「し師匠は、俺の事を泣きながら迎える師匠は?」
「リリー様なら連日ゴブリンの工事に夜通し付きっきりで君の事は既に忘れてるよ!」
にこって笑顔で言う事? そうか、俺の事なんて皆そんな程度で。だったらファニーと居ればよかったじゃん。
ショボーン
「はいはい王様イジワルし過ぎよ! 毎日ユリナスはまだかって聞いてたじゃない、師匠さまも一緒に心配してたよ~」
ホッッシャリィありがとう! そうかサプラーイズかハハハ。
「でかしたぞユリナス、同盟を成立させてくれたかっ早速リリー様を呼ぼう、喜ぶぞっ」
「ユリナス様お帰りなさいっ!」
ハッと気付くとヒイラギちゃんが凄い笑顔で。やっぱり皆待っててくれてたんだ~。
きゅ、きゅぴ~
と、その時一匹の子コウモリがふらふらと飛んで来た。え、今から俺と皆の感動の対話があるんだよ?
ぱさっ
ソレは俺とヒイラギちゃんの足の間に落ちたせいで、皆の笑顔は消えた。
「お前カーミラーか? ボロボロじゃないか」
「一匹だけ??」
「他の子は?」
もう俺そっちのけで質問攻めだよ。
「ぐっも、申し訳ありません……しくじりました」
「ええっ!? しくじっただと」
「お前怪我してるのか? 仕方ない光の魔法の杖! 回ふ」
シュバッ
「やめい殺す気か!」
ゴスッ
突然現れた師匠に頭を叩かれる。感動の対面が……
「回復ダメなんだ。しくじったとは?」
俺はもう皆が感心ある事をズバッと聞いた。
「も、申し訳ありません。アルデリーゼを狙ったつもりがアジサイ殿の背中を刺してしまい、アルデには逃げられてしまいした。体の大半の部分はレミラン殿に燃やされてしまい、再出撃もかなわず恥を忍んで戻って参りました、ぐっ」
色々衝撃的過ぎて沈黙が続いた。
「お、お兄さんは無事なのですか!?」
「ヒイラギ殿申し訳ありません、どうなったかまでは」
うわーーとヒイラギちゃんは顔に手を当てて泣き始めた。もう感動の再会どころじゃないな。
「もう少し詳しく話せるかい?」
改めて聞いた。