アルデリーゼとアルパダ対立……a
「ソラちゃん目を覚ました?」
「ソラちゃん目を覚ました? じゃないぞマリッ! 飼い主ならちゃんと世話してよ~」
俺はちょっとヤツ当たり気味に怒ってしまった。
「いつから飼い主になりましたか? 勝手に住み付かれただけですけど。それに私は冒険者でも聖職者でも無いんですから、回復魔法も何も使えないのよ! 今度気絶してたら薬草口にねじ込んでみるけど、どうなっても知らないわよ!」
こわっ。でもいつものマリだ安心した。
「きゅきゅっきゅ~」(聞いてくれよ、最近何か猛烈な力で殴られて気絶したり、シビレ魔法を掛けられたり怖いんだよっ!)
「そうか~寂しかったのか~良い子良い子わしゃわしゃわしゃ」
「ギュギュッ!」(寂しいからって気絶しねーよ! ちゃんと聞けよ)
「何か必死に訴えてる気がするのだ!」
「ドラゴンだよ~? そんな複雑な事は考えてないでしょ」
「ギューッ!」(コラーーッ)
「何か怒ってる様に見えるわねえ」
ーユリナスは大ポカさんなので、ソラが何を訴えているかリリー師匠に翻訳してもらおうとか一切思わないので御座います。
俺達は再びソラを放置して館内に戻った。
「あ、あのさあマリとファニーに聞いて欲しいんだけどさ、残り三日ってせっかくだからマリの館に泊まる事に決めたんだ!」
俺はここに来る前から、マリが居た場合に決めていた事を打ち明けた。
「よくぞフィアンセの前で言う事なのだっ」
「全くです。私お泊りセットを持っておりませんが」
「ちょっとコラーッここは私の家ですから!!」
イヤなのかな? 俺の想像では俺や師匠が突然いなくなって、マリは毎日涙で明けくれてるって思っていたんだけど。
「じゃあ城に帰る?」
「……ふんまあいいわよっタマにくらい泊まって行きなさいよ!」
ホラホラ! やっぱり俺が戻って来て心の中で嬉しくて仕方ないんだなっククク。
「ファニーはもちろん、ここ部屋いっぱいあるからネリスさんもまた泊まりなよ?」
「わらわはココに泊まるの初めてなのだ~」
「まあそこまでおっしゃるなら、またユリナスさんと相部屋ですか?」
「別々に決まってるでしょ!」
「その前に私の家ーーっ」
などと言いつつも、結局マリは俺達の為に腕によりをかけて夕食まで作ってくれた。
「ほーらほらソラ、夕食の残りだぞ~しっかり食ってもう気絶するなよ~ハハハ」
「きゅうう~」(気絶したくてしてるんじゃね~よ!)
ガフガフ
何か言いたげだったが、ソラはしっかりとマリの手作り料理を食べた。
ーこうしてユリナスは残り三日、マリの館でファニー達と共に過ごす事になったので御座います。