ジギスムントと巨大ザメb ざっぱ~ん!
カピ様を抱いたクヌアーがやって来た。うーん、背中に金のタテガミがあるらしいけど、他のカピパラとの区別が付かん。
「ああ、助かったよ。うたぐり深い王様からジギスムント達の様子を探って来いと言われて」
「姫もおるぞよ」
「ご、ご機嫌うるわしゅう姫さま」
クヌアーが緊張気味にスカートを持ち上げた。さらった本人だしなあ。
「それでエリエルさんは中居さんをしてるの?」
「さすがに王族の方に中居さんは失礼だろうって事で、若女将をしてもらっているよ。それとジギスムントさん達兄弟は魚料理が上手いって事で板前をしてもらっているねえ。旅人からは大好評だよぉ」
さすが遠征隊、すごい順応力だ……会ってみたい。
「あら大女将さんお客さんですか? あっユリナスさんじゃ無いですか。この前は船の修理代を立て替えてもらってどうもありがとう、助かるわ」
バレてた! しかしやはりフレエル王女さんとどこか似ていてこの方も美人だよな~。
ジー
ファニーとネリスに何故かにらまれる。
「い、いえ、仲間を助けるのを手伝って頂いたから。それよりもジギスムントさん達は?」
「今は北の海岸に魚の漁に行っていますよ!」
「じゃあ早速行きます!」
「あっでも気を付けて下さいねっ」
何が? ゴブリィ達を旅館において、今度は俺達は少し離れた北の海岸に向かった。
ザッザザッザ
ー北の海岸
ざっぱ~んと、どこか寒々しい白波が打ち寄せて来る。東海岸と北海岸で微妙に海が違うから不思議だよな。どこも繋がっているのに……
ドンドコドンドコドンドコ
どこからともなく妖しい太鼓の音が。これは一体!?
「あれを見るのだっ」
ビシッ
ファニーが綺麗に指をさす方を見ると、海の向こうから大漁旗を掲げた四隻の船がざーっと猛烈な勢いで帰って来た。ぎょっその先頭の船の穂先には腕を組んで波に立ち向かうジギスムントがっ!? 完全に海の男だよ。
「よ、四隻に増えてる!? そんなお金がどこから」
「むっユリナス様ヘンな気配がします、ファニー王女お下がりをっ」
ネリスがさっと腕を広げた。モンスターか!?
ざっば~~~ん!
げげっ突如ジギスムント達の漁船団の前に超巨大なサメ型モンスターがジャンプして現れた。メガロドーンか?
「でかいのだ!? 巨大怪物だぞっ」
「くっジギスムント達が危ない、ユリナス銀化ライトニングスプ……」
俺は銀化すると、すぐに空に舞い上がって巨大ザメに攻撃を加えようとしたが。
シュバーッ
「やめるんだっそいつは敵じゃない、サメヨハンは友達さっ!」
サメヨハンてネーミングセンスが!
バッシャ~ン
彼の友達? のサメヨハンは再び海に姿を隠した。