ヘイアンラク遊園地
キュルキュルッキュルキュルッ!
テトテトテト
「見ろ、カピさまがあんなに沢山!」
「バカめあれはカピさまでは無い、あれは普通のカピパラさんだぞ。可愛いであろう」
す、凄い目の前にカピパラの大軍がっ。
「凄いぞ、ここにはカピパラさん専用の温泉やカピパラレースまであるのだっ!」
「カピパラレース? カピパラ温泉!? ここはカピパラの桃源郷なのか。こんな所がププッピ城の近くの山に……」
くいっ
ファニーが俺の手を強くひっぱって来る。彼女のはしゃぎ様はジンジョウじゃないよ。
「お忍びで来た事無かったのかい?」
「メイドやネリスと来ても仕方無いのだ。愛するお前と来るから良いのだぞっ」
ドキッ
恥ずかしそうに大胆な事を言うよな。でも今頃砦城はどうなっているんだろう?
「ユリナス殿どうしましたか、早く行きますよ」
当然の様にネリスも付いて来る。
きゅっ
ネリスさんまで手を繋いで来た。いやいや、姫が前ばかり見てるからってドキドキでヤバイでしょ。
「ちょっ?」
「これはヒミツですよ」
怖いな。ネリスさんの場合わ~嬉しい! とは素直に感じる事が出来ないよ恐ろしい浮気だ。
「よ~し空飛ぶマンティコアさんに乗るぞ!」
「ではお気を付けて」
「いやネリスさんも3人で乗ろうよ」
俺はネリスの手も引いた。
「まあ良いわ、こやつとは常に一緒空気の様な存在だしな」
「はいでは」
そうして俺達は空飛ぶマンティコアさんに3人で乗った。夜の遊園地は魔法灯りに照らされて幻想的だ。その中で人々は笑い合い本当に楽園の様な場所だよ。しかしやはり俺は砦城が気になった!!
「わぁ~~凄く綺麗なのだっ今度はあの怪物メリーゴウランドに乗るのだっ!」
「ぶつぶつ……」
「姫さまあれをご覧ください、ジェットコースターもなかなかにスリリングで御座いますよ」
「ぶつぶつ師匠」
「凄いのーー急角度で落下しておるのだーっ」
「同盟がブツブツ……」
「ユリナス、ユリナス??」
「アルフレッドぶつぶつ」
「ユリナス殿?」
「さっきから何をぶつぶつ言うておるのだーーっ!!」
ドギャッ!!
突然俺はファニーに飛び蹴りされて、ゴンドラからころげ落ちそうになる。危ないでしょ!?
「ひっ落ちる落ちる」
「何をやっておるのだ?」
「姫さま本当に落ちますよ」
「落ちても死なんからほっとけ!」
ファニーはそのままぷいっと横を向いて頬を膨らませた。
ぷくーっ
てくてく
姫がからあげと温泉たまごを頬張りながら歩く。俺はその後ろを進んだ。
「そなた先程から他の事を考えておるであろう?」
「いや俺はファニーの事しか考えていない!」
「あからさま過ぎる嘘ですね」
ネリスにまで突っ込まれた。