秘密協定とせめぎあいb
「新王の仰せのままに。しかし何を言われたかしりませんが、コヤツの嘘には耳を貸さないで下され」
「何が嘘かっ」
「だから二人とも止めてって!」
シャリィも何とか二人を止める。
カチャッ
一旦落ち着いて皆にお茶が出された。
トポトポ
「何か二人が仲が悪いのは分かったよ。けれど外交使節として何の用件があったのか、それを聞かせて欲しいな」
「ワシもキッチリ審査するのじゃ」
「おぬしに審査される覚えはないわ」
「だから止めて」
「ふぅ分かり申したキリがありませんな本題に入りますじゃ。我が国の主からの伝言に御座います。このたび建国されたアルフレッド殿のアルパカインと我がドルフィンナーゼは秘密協定を結び、打倒アルデリーゼに向けて協力しましょうという事ですじゃ。秘密同盟と呼んでも良いでしょうな」
新王もシャリィもハッとした。願っても無い申し出である。しかしリリーは面白く無い顔をした。
「お待ちを新王陛下、今我が愛弟子ユリナスがカピパララインとの同盟を申し込み中な事は百も承知のハズじゃ。それに飛び付く必要はありませぬのじゃ」
「ほぅ何だと?」
「だから止めなさいって。でもリリー様、カピパラともドルフィンナーゼとも両方同盟を結めば良いのじゃないの? 反対する理由はおありかしら」
「……特には無いですじゃ、しかしワシはこのジジイが嫌いじゃ」
「ジジイジジイとわしより年上であろうがっ」
「えっ?」「嘘っ」
「そんなに死にたいのじゃな?」
「リリー師匠やめなさい!! ダルギッド殿の申し出有難く受けるよ。良いだろうリリー師匠さま」
アルフレッドもダルギッドとリリーの間に何かを感じたが、どうしても必要だと感じて強引に申し出を受ける事にした。
ギリッ
途端に怖い顔になるリリー。
「お受けいただいてキョウエツシゴクですじゃ」
「ならば用が終われば帰るのじゃ!」
「外交使節になんて言い方を。今日の貴方は変ですよ」
「ではわしはこのまま折りかえって聖女様にお伝えします」
「はい、お願いします!」
ダルギッドは変身する事無く、リリーをにらんだまま飛行魔法で空に飛んで消えた。
シュバーッ
「帰ったか……リリー師匠さまそれにユリナスも、この僕に嘘を付いている事なんて無いよね?」
アルフレッドは突然不安気に聞いた。
「……ありませんのじゃ」
「そうだよね!」
しかしシャリィは女のカンでリリーは嘘を付いていると感じた。かと言って今は何も言う気はないが。
一方その頃ユリナスは。
「わーーいっぺんこのヘイアンラク魔法遊園地に来たかったのだっ」
魔法遊園地に来ていた。