■100話■ 留守中の不審な客……
「どうしたっ何をボーッとしておる? 早く父上の城に帰って報告するのだっ!」
「あ、そうだねウヘヘ」
「何が面白いのですか? その顔テッカテカで不気味ですね」
ネリスさん、俺、君の事守ってたんだよ。
ザッザザッザ
ーカピパラライン王国ププッピ城
俺達はみて来た事を興奮気味に必死に語った。
「よくぞ姫を守り戻って来たなユリナス。しかしまさかユイン市にその様な巨大な者が潜んでおったとは。まあ良いクエスト終了と認めてやろう。大サービスでスタンプ20個押してやるのじゃ!」
すくなっ! それで1500個満期とか絶対無理でしょ。でもクエストが終わったって事はもう帰れるかも!?
「父上ユリナスは立派であったのだっ」
「私は気絶しておりました……」
「あ、あの王様」
俺は期待の目で見た。
「うむ、よくぞクエストを一日でこなしたな。あと6日、自由時間にしてやろう。姫と楽しく過ごせよ!」
俺はコケた。絶対に帰してくれないんだ。
「わぁ~い! ユリナスと遊び放題だっ」
「私も実はなんだかユリナス様もう帰ってしまうのは寂しいかなと」
「あ、ありがと」
うっネリスさん素の状態でボソッと言われると少し嬉しい様な。そういう訳で俺はあと6日、この城に滞在する事になった。
一方その頃ユリナスが留守中の真アルパカ砦城。
「ふぅユリナスが帰ってこないなぁ。僕は30分くらいで同盟成立させて来ると思ってたんだけど」
「さすがに30分はムリでしょ」
ビシッ
早速シャリィに突っ込まれる。
「リリー師匠さまは工事中のゴブリン達につきっきりで僕は寂しいよ」
「こらこら私の横で言う事ですか!? ゴブリン達も帰りたいのに反乱しないだけマシよっ」
チラリ
アルフレッドは周囲を見た。
「も、もちろん一番好きなのはき、君だよ……」
「ちょっ誰もいないからって恥ずかしいよっもーっ」
などと言いつつ二人は見つめ合った。
「お邪魔しておりますじゃ」
ブシューーーッ!
突然の不審な声に二人して吹いてしまう。
「だ、誰だ貴様っ! この僕が叩き斬ってやるっ!!」
「これこれ、この人冒険者ギルドで貴方をスカウトした、前に再会したでしょ」
またもやシャリィに突っ込まれる。
「驚かせて申し訳ありませぬ、ドルフィンナーゼ王国外交使者ダルギッドですじゃ。新王陛下建国をお喜び申し上げますじゃ」
新王はハッとする。
「あわわ、これは申し訳無い。お祝いの言葉ありがとう」
「いやいや城に入り方が良く無かったですじゃハハハ」
「確かにドロボウさんよね!」
「時にこの場にはリリーもユリナスもおりませんか?」
「えっいないけど?」
「ならば都合が良い」
彼は険しい顔になった。
章が99個以下と知りませんでした……